
今回は、『ASTRAL CHAIN』前半部分(チャプター4まで)のプレイレポートをお届けします。
『ASTRAL CHAIN』は、『ベヨネッタ』や『ヴァンキッシュ』などでおなじみのプラチナゲームズによる最新作。スタンド【レギオン】と呼ばれる生体兵器を使役する警察官となって、異次元から侵略してくる敵【キメラ】から世界を守るために戦うアクションゲームです。
いざゲーム開始!
まずは主人公の性別と見た目を選択するところから。
変更可能な項目は、名前、髪型、髪・肌・目の色(これらは後から変更可能)。
残念ながら、輪郭や眉の形といった顔を構成する要素は変えることはできませんでした。
ちなみに、選ばなかった方は『アサシンクリード オデッセイ』のように、兄妹のもう一方としてゲームに登場します。
見て分かる通り、主人公をはじめとした登場キャラのデザインは『I”s』や『ZETMAN』、『タイガー&バニー』などでおなじみの桂正和先生が担当しています(男の方は完全に『ZETMAN』のジン)。
主人公を決定したらゲームが開始。
現場に急行するためバイクをかっ飛ばす主人公の行く手を、偏移体と呼ばれる敵が阻む。
メインとなるレギオンを駆使したアクションだけでなく、ちょっとしたバリエーションバトルを盛り込んでいるのがプラチナらしいです。

まず目を引いたのは、その美麗なグラフィック。
これまでNintendo Switchで色々とゲームをしてきましたが、本作はSwitch史上最高と言ってもいいぐらいのクオリティです。
桂先生の絵柄を忠実に再現したキャラクターモデル、SF味あふれる情景、細部にもこだわった作り込み。
Switchでもここまで表現できるのか!と驚かされました。
イベントシーンからシームレスにゲームプレイに移行する、という部分も素晴らしいです。
鎖でつながる一心同体アクション
バイクアクションが終わると、徐々に本格的なアクションの導入が始まっていきます。
プレイヤーは、本体となる主人公と、生体兵器【レギオン】を操作することに。
2体を操作すると言っても、レギオンは基本的には近くにいる敵を自動で攻撃してくれるので、操作が難しいということはありません。

RZボタンが攻撃、Bボタンが回避という、プラチナゲームズのアクションとしてはめずらしいボタン配置。
それに対して、LZボタンにレギオンの発動、Lボタンにレギオン固有アクションが配置されています。
主人公のアクションは右側、レギオンのアクションは左側というふうに割り当てられているので操作が飲み込みやすく、攻撃しつつカメラを動かせるというのもグッド。
自由にキーアサインはできませんが、プリセットがいくつか用意されていて、Yボタンに攻撃が割り当てられているものもありました。
主人公とレギオンは、タイトルにもなっている【アストラルチェイン】という鎖でつながっていますが、この鎖をバトルに使うというのが本作のアクションの大きな特徴。
ZLボタンを押している間は、右スティックでレギオンの位置を操作できます。
主人公とレギオンの2体を同時に操作して、鎖を敵に巻きつけることで身動きを取れなくしたり、プロレスリングのロープの要領で敵の突進を跳ね返したり。
攻撃や回避のタイミングだけでなく、位置取りにも気をつけて戦うのがバトルを制するポイントになります。
この鎖アクションは、これまでやったゲームにはない要素で、新感覚の面白み。

主人公が使う武器は、警棒、銃、大剣に変形する【エクスバトン】。
警棒は素早い近接攻撃、銃は威力が低い遠距離攻撃、大剣は遅くて重い近接攻撃と、使い勝手が異なります。
変形は十字キー上/下のワンボタンで変形するので、出現した敵に合わせて切り替えていくのが重要。
レギオンも、最初に使えるのはソードレギオンのみですが、ストーリーを進めていくことで増えていき、全部で5種類が登場します。
チャプター4まで進めた時点では、弓で攻撃するアローレギオン、拳をぶん回すアームレギオンが使用可能になりました。
こちらも使い勝手や特性が大きく異なるので、武器変形と合わせて様々なコンビネーションでのアクションが楽しめます。
正直なところ、最序盤のチャプター2までは、本作のアクションに対する印象はあまり良くありませんでした。
というのも、コンボやスキルといったものがなくて爽快感にかけるうえに、ボスが固すぎたから。
選択肢は少ないので妙に長いバトルを強いられたので、なんか面白くないな…と。
「プラチナゲームズ」の作るゲームは、だいたい最初からクライマックスなことが多いので、少し面食らってしまいました。
しかしご安心を。
チャプター3からはやれることがガンガン増えて、加速度的に楽しくなっていきます。
主人公とレギオンの同時攻撃である「シンクアタック」や、遠くに移動させたレギオンのもとに主人公をジャンプさせる「チェインジャンプ」といったレギオンとの連携技が使用可能に。
Lボタンの構え状態からは、レギオン固有のアクションが繰り出せるようにもなります。
ソードレギオンでは、『メタルギアライジング』の「斬撃モード」のように方向を決めて一直線に切断する斬撃、アローレギオンではエイムして射撃、アームレギオンではレギオンを身にまとって一心同体攻撃をそれぞれ繰り出せます。
さらには、リソースを消費することでレギオンの能力を強化したり、新しい技を習得したり、アイテムを装備することで特殊効果を付与することも可能になり、アクションの幅はどんどんと広がっていきます。
ジャスト回避からのシンクアタックや、複数の敵に鎖を引っ掛けたあとにチェインジャンプすることで文字通り連鎖攻撃をかましたりと、アクションの選択肢が豊富でとにかく超楽しいです。
警察官になりきって街をパトロール

本作は、アクションだけではなく探索にもかなり力が入っています。
各チャプターは『ベヨネッタ』のようにバトル→移動→バトルという感じで進んでいきますが、本作ではバトルのつなぎが単なる移動ではありません。
フィールドのあっちこっちを探索して、サブクエストをこなしたり、物資を回収したりします。
サブクエの内容は、動けなくなった負傷者を救助する、落書き犯を捕まえる、子供の遊びに付き合ってあげる、などなど、バリエーションは豊富。
あれを取ってこい、これを倒してこいといった、いわゆる”お使い”のようなものはなく楽しめます。


メインクエストでは、バトルだけではなく事件現場の調査を行うことがあります。
コンタクト型ARデバイス【アイリス】を使って周囲から手がかりを見つけたり(『バットマン:アーカム』シリーズの捜査ビジョンみたいなイメージ)、周辺で聞き込み調査を行ったり。
「捜査は足で稼ぐ」という犯罪捜査の基本を、うまくゲームに落とし込んでいて面白いと感じました。
主人公のレベルに相当する要素として、プレイヤーランクというものが設定されており、ポイントを稼いでランクを上げると、HPやアイリスの表示項目が増えます。
キメラの駆除、汚染の除去、市民の救助、ポイ捨てされた空き缶を拾って捨てるなどの行為によってポイントが貯まり、信号無視や器物損壊など警察官としてあるまじき行為をおこなうと減点されてしまいます。
こういった探索パートでの細かい部分の作り込みによって、「この街は俺が守る!」という警察官としての気概みたいなものが芽生えてきます。
アクションと同様、この探索パートも個人的には超面白いポイントだと感じましたが、中には「テンポが悪そうで嫌だなあ。俺はバトルだけがしたいんだよ!」と思う人もいるでしょう。
バトルだけを楽しみたいという人は、メイン以外はほとんどスルーできるような作りになっているのでご安心ください(と言っても、ある程度の探索は必要になりますが)。
その他のお楽しみ要素
【オーダー】と呼ばれるチャレンジ項目が充実しています。
内容は、特定アクションを規定回数使用する、全ステージSランククリア、など多岐にわたります。
クリアすると報酬として、レギオン強化のためのリソースや、コスチュームのカラーなどがもらえます。
アクション、探索ともにハイクオリティで、Switchユーザーは要チェックの一作です!
ではまた!

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