
今回は、プラチナゲームズ史上最高傑作であり、Switch史上最高のアクションゲー『ASTRAL CHAIN(アストラルチェイン)』の、イイと思ったところ、ダメだと思ったところをできるだけ簡潔にまとめたレビューをお届けします。
イイとこ
グラフィック

本作のグラフィックは間違いなくSwitch史上最高レベル。
桂正和先生のデザインを忠実に再現したキャラクターモデル、SF味溢れるギラギラとした情景が、アニメ調のグラフィックでハイクオリティにまとまっています。
ライティング、パーティクルエフェクト、アニメーション、どこをとっても申し分なしです!
アクション
本作の最大の特徴は、主人公とレギオンの2体同時操作によるアクション。
- 3種の形態に変形する武器【エクスバトン】による攻撃
- 特性が異なる5種のレギオンと、それぞれに用意された固有アクション
- 特定のタイミングでボタンを入力することで発動する、主人公とレギオンの連携攻撃「シンクアタック」
- 主人公とレギオンをつなぐ鎖【アストラルチェイン】を駆使した斬新なアクション
- 鎖を巻きつけ動きを封じる
- 敵の突進を跳ね返す
- レギオンの位置に主人公を移動させる
- 鎖を引っ掛けた敵に移動しつつ攻撃する
- 敵の動きをスローにする、敵を一点に引き寄せる、自動で複数の敵をバインドするなどなどのさまざまなスキル
上記のようにアクションの選択肢が非常に多く、単調なボタン連打アクションとは正反対の、やり込めばやり込むほど楽しめる奥深いものになっていました。
これまでプラチナゲームズが手掛けてきたアクションゲーの集大成のような、満足感が高すぎる出来栄え。
また、レギオンにアビリティコードと呼ばれるアイテムを装備することで、攻撃ヒット時に一定確率で敵をスローにする、敵の攻撃に合わせてスティックを弾くと攻撃を無効化できるなど、特殊効果を付与することができます。
アビリティコードの種類は多種多様なので、ちょっとしたハクスラ要素にもなっています。
探索
この手のアクションゲーにしては珍しく、各ステージには、少し広めのエリアでアイテムを収集したり、サブクエを達成したりする探索要素が用意されています。
仮設トイレ、猫、レアスライム、敵やロケーションの撮影といった収集要素もあって、とにかく盛りだくさん。
サブクエのバリエーションは、敵を倒す、逃亡者を捕まえるといったものから、かくれんぼをする、クイズに答える、などなど非常に豊富で飽きさせません。
いわゆる”お使い”のようなものはほとんどないので作業感はなく、最初から最後まで楽しめました。
一部を除いて、周回時にはスルーしてもいい作りになっているのも良かったです。
やりこみ要素
本作には、オーダーと呼ばれるいわゆるチャレンジ項目が100以上も用意されています。
内容は、ステージをS+ランクでクリアする、スキルを規定回数使用する、〇〇の写真を撮るなどなど。
達成した報酬として、レギオン強化に使用する素材や、カラーリングなどがゲットできます。
また、ストーリークリア後には、なんと71もの戦闘任務が用意されています。
難易度設定は制限され、アイテムも指定されたものしか使えないという、厳しい戦いが待っています。
ここでしか戦えない強敵も登場します。
S+ランク回収がラク
本作にも『DMC』や『ベヨネッタ』同様、ステージごとのランク評価があります(難易度【拮抗】【極限】時のみ)。
ステージの評価は、レッドケースと呼ばれるミッションのランク評価(D~S+)を総合して算出されます。
『DMC』でも『ベヨネッタ』でも、ステージを最初から最後まで通してプレイする必要があり、ちょっとしたミスで最初からやり直しとなってしまうため、僕のようなヘタレゲーマーには辛い部分でした。
しかし本作では、取りこぼしたところだけリプレイすればいいという親切設計。
ステージは細かくチャプターに分かれているので、リプレイも容易になっています。
ダメなとこ
カメラワーク
地上と空中に敵がいる場合、空中の敵は妙に高度が高いため画面外に行ってしまうことが多く、画面外からの攻撃を受けてしまいがち。
逆に空中の敵をカメラで捉えようとすると、地上の敵が見えなくなります。
ロックオン機能がこちらの意図したように動作しなかったり、壁際に追い込まれたときや大型敵が2体出現したときは、主人公が見えなくなってしまうことも。
もうちょい引き気味で広く見渡せるようなカメラワークにしてほしかったです。
空中の敵がウザすぎる
通常のジャンプがない、空中での攻撃バリエーションが少ない、攻撃頻度が高くて素早いといった要素が、前述したカメラワークの悪さと相まって空中の敵はかなりウザイです。
特に、空中に浮いて他の敵にバリアを張るヤツのウザさは異常。
高度を低くするなり、同時出現数を絞るなりしてほしかったところ。
一部敵の攻撃の出が早すぎる
敵の攻撃の直前にはピカッと赤い光が出て、そのタイミングで回避/レギオン展開すると、ジャスト回避/ジャストレギオンが発動します。
しかし一部の敵の攻撃は、ピカッと光ってから攻撃が出るまでが極端に短く、回避行動が間に合いません。
回避の無敵時間の短さ
連続攻撃の一段目を回避できても、次段以降は回避できない事が多いです。
ジャスト回避からのシンクアタックは割り込まれてしまうことが多いですが、ジャストレギオン(ジャスト回避のタイミングでレギオン展開)だと安全に反撃できるので、ジャスト回避の有用性は低め。
無口な主人公
本作の主人公は一切喋りません。
イベントシーンではやや違和感がありますし、妹/弟や同僚との掛け合いを見たかったです。
アストラル界での探索
街中の探索は楽しいのですが、アストラル界(異次元)での探索は正直微妙でした。
チェインジャンプやレギオン固有アクションを使ったギミックは最初こそ新鮮に感じましたが、アストラル界の風景は赤く暗い無機質なものでバリエーションが一切なく、街中とは違って変わったサブクエも発生しないため、単調に感じられてしまいました。
調査任務
主人公は警察官なので、発生した事件の手がかりを得るため、現場に赴いて調査を行います。
目撃者に聞き込みを行ったり、残された手がかりを見つけたり。
入手した情報から何が起こったのかを推理するのですが、穴埋め形式のクイズのようで面白みを感じられませんでした。
なぜかランク評価されてしまううえに、S+ランクを取りたい場合は不必要な情報を入手しないようにしなければならず、周回時に飛ばせないのもマイナス。
ステルスミッション
敵に見つからないように目的地まで到達するステルスミッションがあるのですが、正直なところ面白くなかったです(個人的にステルスゲーがあまり好きではないというのもありますが)。
1、2回ならまだ許容できましたが、全部で4回ぐらいあるうえに、終盤のものはやけに長いのもマイナス。
せめてランク評価には関係なくしてほしかったです。
署内のみでしかマニュアルセーブできない
オートセーブに対応しており、どこでオートセーブが行われたかを確認できるセーブログが搭載されているのは良かったのですが、ミッション中にマニュアルセーブできない仕様になっているのは謎です。
おわり
難易度【拮抗】(スタンダード)で、1周クリアまでの時間は22時間でした。
結構探索してこの時間なので、メインストーリーを追うだけなら10~15時間程度だと思います。
初見ではまず発見できないミッション、サブクエ、収集要素が多く、クリア後のやり込み要素も盛りだくさんなので、おそらく50時間以上は遊べるであろう大ボリューム。
アクションゲー好きにはぜひともおすすめしたい一作でした。
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