『ブラック・ミラー:バンダースナッチ』自由意志による選択という錯覚

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視聴者が主人公の行動を選択することが出来る、インタラクティブなNetflix映画『ブラック・ミラー:バンダースナッチ』。
アニメのインタラクティブ作品はすでにいくつかあったと思いますが、実写では多分はじめての試みでしょう。
アドベンチャーゲームのような映画が出来るなんて、少し前までは考えられませんでしたね。
ここでは、本作の感想を綴っていきます。

ネタバレを含みますのでご注意ください。

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作品情報

原題:Black Mirror: Bandersnatch
監督:デヴィッド・スレイド
脚本:チャーリー・ブルッカー
出演:フィオン・ホワイトヘッド、ウィル・ポールター、クレイグ・パーキンソン、ほか

あらすじ

読者の選択によって展開が分岐する小説「バンダースナッチ」をゲーム化しようと開発に没頭する少年ステファン(フィオン・ホワイトヘッド)。
ゲームの制作に没頭していくうちに、現実とパラレルリアリティの混同や、誰かに行動を操られているような感覚を覚えるようになり…という感じのお話。

感想

視聴者には、朝食に何を食べるかといったどうでもいいものから、重要な分岐に関するものまで様々な選択肢が与えられ、主人公の行動を導いていきます。
中にはループする選択肢や、エンディングに行き着かない選択肢もあります。
しかしそういった選択肢を選んだ場合でも、その選択の前に戻ることが出来るうえに、すでに観たシーンは短く編集されます。
なのでいろんな分岐を観たい場合でも最初からやり直す必要はなく、同じシーンを長々と観る必要もない親切設計だったのが凄く良かったです。
反面、観ているうちにこのルートでは何を選んだんだっけ?何を観たんだっけ?と混乱するようになりました。が、これは現実とパラレルリアリティが混同してしまう感覚を視聴者にも味わわせるため、あえてこういう作りになっているのでしょう。

劇中で「自分で選んでいるようで実は僕が結末へと導く」というステファンの台詞がありましたが、まさに本作もそういう作りになっています。
あるルートを観たら、別の選択肢を選ぶように示唆され、そのルートを観たらまた別の…その繰り返し。
我々視聴者も、制作陣に導かれているということなのでしょう。
そのせいか、自由度が低く選択肢の幅が狭いと感じることもしばしば。
一応すべての分岐を観たと思うのですが、結局あれはなんだったんだ?単なる夢?と思うような、腑に落ちない箇所がいくつかあったのもやや気になりました。
また、分岐次第では生かされない伏線がいくつかあったのが、普通の映画と違って面白いところだと思いました。

本作には、大まかに5つのエンディング+隠しポストクレジットシーンが用意されています。
また、各エンディングに行きつくまでの選択肢によって、同じエンディングであっても細かなバリエーションがあるようです。
トゥルーエンドと呼べるものはおそらく、父親を殺害した後、切断するを選択すると到達できるエンディング。
ステファンはゲームを完璧な状態で納品し、マイクロプレイ(TVでゲームを批評しているコーナー)にて完璧なゲームと絶賛されるものの、父の殺害容疑で逮捕され「バンダースナッチ」は回収されてしまいます。
そして時は流れ、今僕たちが観ている映画が、劇中に登場した天才クリエイター、コリンの娘パールによって作られたものだった、というオチ。
そのパールもステファン同様に外部によって行動を操られ、そして視聴者ももしかしたら操られているのかもしれない…という含みを感じさせるものでした。
この作品で示唆されている、パラレルリアリティが存在し相互に作用しているとか、自由意志などなく外部から行動を監視・制御されているといった考えには、一度取り憑かれると抜け出せなくなりそうな怖さがあります。

他には、実は全部映画の撮影だったというメタ的エンド、バトルの末に父親に引きずられていくエンド、投獄エンド、そして死亡エンドがありましたが、最後にこちらの度肝をぬくような展開、というのが用意されていなかったのは少し残念でした。
隠しポストクレジットシーンを観るには、おそらく4つのエンディングを観た後に、最後に母親とともに行く死亡エンドを観ることが条件だと思われます。

隠しポストクレジットシーンの謎の音を含め、散りばめられた小ネタについてまとめてみたので、よければそちらもどうぞ。
『ブラック・ミラー:バンダースナッチ』散りばめられた小ネタ集

視聴者が主人公の行動を選択できるという試み自体は面白く、話もそこそこ面白く、テーマも興味深かったのですが、あと一歩、なにかが物足りないという感じでした。
あのウィル・ポールターが何故かかっこよく見えたというのが一番の驚きだったかもしれません。

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