『Death’s Door』の感想を。おすすめしたいゼルダライクアクション

ジャンルアクション・アドベンチャー
開発元Acid Nerve
発売元Devolver Digital
総プレイ時間約11時間
おすすめ度★★★★★

今回は、MS Store、Steamで配信が開始されたAcid Nerveの新作アクション『Death’s Door』の感想をお届けします。

ゲーム達成率100%クリア済み。

『Death’s Door』とは

プレイヤーは、魂を刈り取ることを生業とするリーパー協会の一員であるカラス。
ある日、刈り取るはずだった魂を何者かに奪われてしまい…というところから物語が始まる。

本作は見下ろし視点型のアクションゲーム。
剣による近接攻撃と、弓矢・魔法による遠隔攻撃を駆使して敵を倒したり仕掛けを解いたりしながら先に進み、3つのエリアの奥地に待ち構えるボスを倒すことが本作の目的です。

ゲーム開始時に使えるのは弓矢のみですが、ゲーム進行に伴って炎魔法、ボム、フックショットが使えるようになり、アクション・ギミックのバリエーションが増えていきます。

エリア攻略の順番は決まっていますが、能力を手に入れた後に再訪することで、初見時には通れなかった道が通れるようになるといったメトロヴァニア的な要素も。

クリアにかかる時間はだいたい5時間ぐらい。
100%クリアを目指す場合は10時間ぐらいのボリュームです。

ちなみに、本作をソウルライクと称している人もいますが、シビアな難易度・エスト瓶・デスペナルティなど、ソウルライクの特徴と言える要素はとくにありません。
あえて言うなら、ゼルダライクと言った方がいいと感じました。

キュートなビジュアル

カートゥーン寄りの温かくて可愛らしく、そしてどこか物悲しさも感じさせるビジュアルが目を引きます。

登場するキャラは敵ですらどこか愛嬌を感じますし、エリアのバリエーション・デザインも好きです。あと地味に音楽も良い。

シンプルで手応えのあるアクション

操作は近接攻撃・回避・遠隔攻撃のみでかなりシンプル。
ジャスト回避やパリィといったテクニカルな要素はなく、この手のジャンルを一度でも遊んだことがあればすぐに手に馴染みます。

レスポンスは良く、敵に攻撃を当てたときのフィードバックがしっかりしていて爽快感もばっちり。
こちらの攻撃の当たり判定は気持ち広めで回避の無敵時間は長め、敵の攻撃の当たり判定や行動に理不尽さがないので、とにかくストレスフリーな作り
真新しさや深さこそありませんが、丁寧に作られており完成度は非常に高いです。

敵の行動パターンは分かりやすくなっていますが、近接タイプと遠距離タイプが同時に出現するうえに、初期状態では4発食らうと死亡、戦闘中に回復は出来ない、という仕様も合わさって雑魚戦でもそれなりの緊張感が味わえます。
難易度選択や救済要素はありませんが、ヌルすぎずムズすぎず、幅広い層が楽しめるようなバランスになっていたと思います。

遠隔攻撃を使用するためのゲージは、敵や壺といったオブジェクトに近接攻撃を当てることで回復するので、近接攻撃と遠隔攻撃を上手くループさせる必要があります。
これにより、近接攻撃もしくは遠隔攻撃一辺倒にならないというのもグッド。

複数の敵を貫通してダメージを与える炎魔法、チャージに時間はかかるが高ダメージを与えられるボム、離れた敵との間合いを一気に詰められるフックショットを使いこなすことで、スピーディーかつ爽快な戦闘が楽しめます。

探索要素

各エリアには、体力の回復に使う「命の種」、新しい武器、遠隔・魔法攻撃のアップグレード、HP・MPの上限を増やすかけらといった収集アイテムが散らばっています。

すぐに見つけられるものから、よーく観察しないと分からないもの、特定の能力が必要になるものまで、探索のし甲斐はバッチリ。
HP・MP上限を増やすかけらに関してだけは、ヒントをくれるキャラがいます。

クリア後のやり込み要素として、条件を満たすことで入手できる隠しアイテムが複数のエリアに出現し、全て集めることによって到達できるトゥルーエンドが用意されています。

イマイチな点

敵から得られる経験値が少ない

本作には、敵を倒したりフィールド上で拾ったりして得た「ソウル」を使って、近接ダメージや遠隔ダメージを底上げするアップグレード要素があります。

問題は、敵を倒して得られるソウルがごく僅かだという点。
アップグレードにかかるコストは400→600→800→1000→1500と上昇していきますが、敵から得られるソウルは微々たるものなので、いくら倒してもなかなか貯まりません。
アクションは楽しいのですが、敵を倒しても得られるものが少ないのが残念です。

ちなみに、ゲーム達成率100%になっても、4つの成長項目のうち最大強化できたのはひとつだけでした。

地図がない

各エリアはそこそこの広さと複雑さを持っていますが、本作には残念ながら地図がありません

上述したように、能力を手に入れた後でないと通れない場所があちこちにあるのですが、それらがどの辺にあったかを自分で覚えておかないと、あっちでもないこっちでもないと彷徨うことになります。

ゲームクリア後には、回収できていないアイテムがあるエリアが分かるようになっていますが、どの辺にありそうなのかという当たりをつけることが出来ません。
地図があれば、100%クリア達成に本編クリアと同じくらいの時間はかからなかったでしょう。

おわり

ボリュームはやや少なめで、真新しい要素こそないものの、キュートなアートスタイル、楽しいアクションと探索が高品質にまとまったインディーゲー。
この手のゲームが好きなら買って損はない良作でした!

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