『デス・ストランディング』レビュー/感想 何故か夢中になれるお使いゲー

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コジマプロダクション開発の最新作『デス・ストランディング』を一応クリアしたので、レビュー/感想を。
プレイ時間は40時間ほど。

僕が嫌いなムービーゲー+お使いゲーだったにもかかわらず、夢中になってプレイしてしまいました。
何が良かったのか、何がダメだったのかをできるだけわかりやすくまとめていきたいと思います。

ちなみに「モンハンの卵運搬ゲー」と揶揄されているのをよく見かけますが、両手を塞がれた状態でただルートを行き来するゲームではないので、この喩えは的外れだと思います。

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『デス・ストランディング』とは

ある日、世界中で同時多発した”デス・ストランディング”と呼ばれる謎の大爆発によって、世界は分断されてしまった。
更に追い打ちをかけるように、生者を引きずり込み大爆発を起こそうとする怨霊的な存在である”BT”、触れたものから時間を奪う”時雨(タイムフォール)”といった未知の脅威の発生によって、人類は総引きこもり時代へと突入した。
街やシェルターに物資を配達する配達人たちの活躍も虚しく、人類はゆるやかにそして着実に滅亡へと向かっていた。
そんな現状を打開するべく、伝説の配達人サム・”ポーター”・ブリッジズは「孤立した人々をネットワークで繋ぎアメリカを再建する」という大任をアメリカ大統領から直々に命じられる。
アメリカを再び1つにつなげるため、サムのアメリカ横断宅配便の旅が幕を開ける…というお話。

『デス・ストランディング』とは、悪路でバランスを崩さないように歩いたり、川にハシゴを掛けて渡ったり、崖にロープを垂らして降りたり、BTとの接触を回避しながら進んだりと、いくつもの障害を道具と工夫で乗り越えながら、荷物を目的地まで運んでいくゲームです。

イイとこ

謎の中毒性

基本的に、このゲームでやることは「A地点からB地点に荷物を届けに行く」。これだけ。
最初から最後までそれは変わりません。
メインクエストとサブクエストの違いは、ムービーがあるかないかぐらいです。

しかしながら謎の中毒性があり、気づけばデスストのことを考えている配達依存症に。
地図を見てどういうルートで行くのがいいか考えたり、道具の使い方を工夫してルートを開拓したり、先人が残してくれた設備をうまく活用したりと、他のゲームではクエストとクエストの”つなぎ”でしかなかい移動が、こんなに奥深くなるのかと驚きました。

具体的にどこがどうイイのか、と説明できないのが歯がゆいですが、ハマる人はハマる謎の引力が本作にはありました。
と同時に、「単調、退屈、つまんねー」という感想になる人はかなりいそうだな、とも思いました。

僕はお使いクエストが嫌いなのですが、お使いクエストだけで構成されていると言ってもいい本作を最後まで飽きることなく遊べてしまいました。
それはなぜかと考えたら、そもそも主人公がお使いを生業としている配達人だからなのでしょう。

少しづつ快適になっていくのが地味に楽しい

序盤はとにかく大変です。
移動手段は徒歩しかないし、100kgも荷物を背負うとフラッフラですぐにコケてしまいます。
BTが出没するエリアに侵入したら見つからないようにひっそりと合間を縫って移動しないとけないし、荷物を狙うミュール(無法者)に見つかったら素手か持ってる荷物で応戦するしかありません。

ヒイヒイ言いながらゲームを進めていくと、バイクが使えるようになり、BTを倒せる武器が手に入り、200kgを超える荷物を軽々運べるようになり、国道を復旧できるようになり…と、次第にできることが増えて徐々に快適になっていきます。
個人的に、荷物を乗せたり斜面を下ることができる「フローター」という装備がお気に入りです。

新装備が追加されていくテンポと、つながった人たちからのお礼という形で新装備が追加されていくというのが、個人的にとても良かったと思いました。
また、そういった新要素が追加されていっても、最序盤から使えるハシゴとロープさえあればどんな地形も踏破可能、というデザインになっていたのもグッドでした。

欲を言えば、ピッケルで断崖絶壁を登ったり、バギーで悪路を突き進んだり、といったこともできたら良かったかな。

オンラインによる繋がりと助け合い

本作を100%楽しむには、オンライン接続は必須です。

オンラインに接続していると、自分以外の配達人から間接的に手助けをしてもらえます。もちろん、自分が他の配達人を助けることも可能です。
荒れ地にいつの間にか道ができていたり、絶妙なポイントに橋が設置されていたりと、整備された配送網で楽に配達できたら「ありがたや~!」という気持ちで一杯になり、逆に自分が切り拓いた道・設備を使ってくれる人がいたら嬉しくなります。
いいね!をしたりされたりと、Twitterを上手くゲームに取り入れた感じ。
この間接的な協力プレイは、”つながり”をキーとするゲーム内設定的にも、お使いを楽しくする要素としても非常にうまく機能していたと思いましたし、新しいゲーム体験だと感じました。

設備を勝手に壊して他人の足を引っ張ることはできない、というのもイイです。

すでに楽な道ができているのなら、後発組は楽すぎてつまらないんじゃ…?と思う方もいるでしょう。
しかしご安心を。
マップは複数のエリアに区分けされており、各エリアにカイラル通信と呼ばれるインフラネットワークを整備して初めて、他のプレイヤーの情報が同期されます。
つまり、初めて訪れるエリア、まだネットワークにつないでいないエリアは、なんとか自力で進む必要があるということになります。
ただプレイするだけならオンライン接続は必要ないので、楽をしたくないという人はオフラインでプレイするという選択肢もあります。

先が気になるストーリーと魅力的なキャラたち

散りばめられた謎が少しづつ明らかになっていくストーリー、フラジャイルやママー、クリフといった魅力的なキャラクター、世界観、設定、イベントシーンと、全体の雰囲気作りがすごいです。
特に、イベントシーンの映像表現は圧巻です。
ダメなムービーゲーにありがちな陳腐な人形劇ではなく、映画やドラマを見ているような感覚。

主人公を演じるノーマン・リーダスをはじめ、レア・セドゥ、マッツ・ミケルセン、リンゼイ・ワグナー、マーガレット・クアリー、トロイ・ベイカー、ギレルモ・デル・トロ、ニコラス・ウィンディング・レフンといった名だたる俳優・声優・映画監督が出演しているというのも、洋画・洋ドラ・洋ゲー好きとしてはたまらないものがありました。
トロイ・ベイカーがトロイ・ベイカーのまんま出てきたのはちょっと驚き(アンディ・サーキスがアンディ・サーキスのまんま出てたときと似た驚き)。

ただ、ムービーの分量がかなり多いため、ムービーを見るために移動しているという感じも少なからずありました。
じゃあ映像作品にすればよかったのか?って言うとそうでもなく、BTや時雨といった脅威や人とのつながりのありがたさを、ゲームプレイを通して感じることでストーリーが強固になっているというか、ゲームという没入感の高いメディアである必要性はあったと思いました。

あと、造語がたくさん出てくる=意味不明、っていう短絡的思考の人がけっこう見受けられるのが心配です。

ダメなとこ

カットシーンが多すぎる

荷物を納品する、不用品をリサイクルする、プライベートルームで休む、乗り物を駐車場に入れるといった諸々の行動に、いちいちカットシーンが挟み込まれます。
もちろんスキップはできるのだけど、そのたびにオプション押してスキップを選択するのはめんどくさいです。
シャワーはなぜか3回もスキップしないといけないし。
充電、修理、スタミナ回復がしたいだけなのに、何度も何度もカットシーンをスキップしないといけないのはいかがなものかと。

間違いなく本作は僕のゲーム人生の中で「オプションボタンを押した回数が最も多いゲーム」ですね。
ストーリーに関係ないカットシーンは自動的にスキップできるよう、アプデで設定項目を追加してほしいです。

あと、配達完了時の会話とか、座礁地帯に入るときの演出はスキップ出来ないのでかなり鬱陶しいです。

寂しいオープンワールド

オープニングではカラスや鹿?がいたはずなんですが、それ以降は人間以外の生物が一切登場しません。
また、メインのNPCはムービーでしか登場せず、他のNPCも殆どの場合ホログラムでしか登場しないので、この世界にはサムと敵しかいないのか?という錯覚に陥るぐらい閑散としています。
BTと時雨のせいで人類総引きこもり時代になっているうえに動物も出てこず、風景の変化も大きいわけではないので、なかなかに無味乾燥としたフィールドが広がっています。

設定上、人が少ないというのは仕方がないですが、動物ぐらいはいてもよかったんじゃないかと。
オープニングのように、動物が逃げてきた方向は雨が降っているから迂回するといったように、ゲーム的な意味をもたせることもできますし。

ごろつきども(ミュールorテロリスト)を退治すると一定時間は他の配達人が出没するようになりますが、ちょっと寂しすぎると感じました。
寂しすぎて、他の配達人を見かけたら絶対声をかけるマンになりました。

昼夜がない

個人的に、オープンワールドゲーでは時刻と天候の変化というのは結構大事な要素だと思っているのですが、本作では時刻(昼夜)が変化しません。
見通しの良し悪し、活動が活発化する勢力の変化といった要素は、移動がメインの本作にこそマッチした要素であり、ゲーム性を深めることにつながったと思います。
面倒くさい要素を省いたとも考えられますが、その場で仮眠をとったり休息用のセーフハウスを建設する機能があるので、そことうまく絡める事ができたのでは。

戦闘は面白くない

移動だけではなく戦闘パートもありますが、完全におまけという感じ。
つまらん!ってほどではないけど、これといって面白くはないです。
敵は弱いので手応えがありませんし、配達経路での自由度はかなり高いのに、ボス戦は銃で撃つ以外の選択肢がないというのは非常に残念に感じました。
これなら銃撃戦はいっそのこといらなかったんじゃないかなあ、とさえ思いました。

UI

UIのデザインはかっこいいと思いますし、どこにカーソルがあっても○ボタンを長押しすれば決定できるというのも良かったです。

しかし、配送端末で手持ちの荷物を整理したいときの操作がかなり面倒でした。
「リサイクルする」「シェアボックスに入れる」「プライベートボックスに入れる」「装備を作る」というのがすべて別々の項目になっているため、これはリサイクルして、これはシェアして、というのが一気にできません。

また、マップ上にマーカーをうってラインを引くことができるのはそこそこ便利…なんですが、なぜかプレイヤーから目的地までラインを引くことが出来ません。
プレイヤーの現在位置にマーカーを置いてラインを引くことはできますが、プレイヤーが移動してもマーカーは追従してくれません。
そのため、悪路を迂回したり遠回りするとラインを見失ってしまい、その都度コンパス機能を使うか、マップを開く必要があって妙に不便。

あと、文字が小さいです。
僕はモニターと近い距離でプレイしているので気にはなりませんでしたが、TVで離れてプレイしている人はかなり見づらいと思います。

終盤のムービーがアホみたいに長い

基本ムービーは長めですが、終盤までは見応えがあったせいかあまり気になりませんでした。
しかし終盤は、プレイ時間の8割ぐらいがムービーで、そのほとんどが言葉による説明。
しかもすでにだいたいは分かっていることの説明がクドクドと続くので、「これってプレイヤーをバカにしてんのかな?」とちょっとばかしイラッときました。

あと、ストーリーの決着というか、ある人物の行動原理には首をひねらざるを得ない部分がありました(最後の最後は良かったですが)。

音量が個別に調節できない

他のゲームだとだいたい「全体の音量」「音声」「効果音」「BGM」は個別に調節ができるようになっているけど、本作では全体の音量しか調節できません。
これもアプデで対応してほしい。

おわり

賛否が大きく割れる意欲作。
ゲームプレイの流れに関しては無頓着なきらいはありますが、システムやイベントシーン含めて全体的によくできていると思います。
間接的な協力プレイによるプレイヤー同士の助け合いは、ほんとに良いシステムです。

僕は面白いと感じましたが、万人におすすめできるゲームではなく、こんな人にはおすすめ!と言うのも難しいとも思いました。
僕自身、購入前はあまり楽しめないんじゃないかなと思っていたぐらいなので。
とにかく爽快感のあるゲームがやりたい、いろんなアクティビティを楽しみたい、長々とストーリーを追うことには興味がないって人には合わないと思います。

そんな感じでした。ではまた。

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