『エルデンリング』の評価・感想を。序盤の面白さはガチ。だけど…

今年一番というぐらいの期待を寄せていたオープンワールドアクションRPG『Elden Ring(エルデンリング)』を1周クリア+クラウドセーブを利用してトロコンしたので感想をお届けします。
クリアまでプレイして浮き上がった不満ポイントがメインになるので、文句だらけになってしまっていることを先に謝っておきます。
ネガティブな感想が嫌いな人はそっとタブを閉じてください。

開発元フロムソフトウェア
使用ハードPS5
総プレイ時間95時間(トロコン済み)
おすすめ度★★★☆☆(序盤だけなら★★★★★)
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”序盤は”すんげー面白いオープンワールド

美しく壮大で危険な世界を探索するワクワク感とドキドキ感。
墓所や坑道といったミニダンジョン、見知らぬNPCとの邂逅、フィールドに突如現れるボスとの戦闘、NPC闇霊の侵入など、あちこち冒険して新鮮な発見ができる序盤はとにかく楽しい。
雰囲気・アートスタイルは抜群に良く新しいエリアに足を踏み入れた時の高揚感は他のゲームでは味わったことがないと言ってもいいほど。

どこをどの順番で攻略していくかはある程度プレイヤーの自由で、中盤まではプレイヤーごとに大きく異なる体験が待ち受けている。
メイン/サイドクエストからロケーションまでありとあらゆるアイコンがマップを埋め尽くす他のオープンワールドとは違い、自分で道を切り開いていく楽しさが味わえるのは間違いない。

ストームヴィル城をはじめとするレガシーダンジョンは、かなりの規模と複雑性を持っていて、オープンワールド上にシームレスでこの規模のダンジョンが存在しているということは驚きだ。
これらのダンジョンでは、オープンエリアとは違った緊張感のある探索が楽しめる一方で、ダクソにあったレベル探索の魅力はかなり薄まっているとも感じる。
レガシーダンジョンはそれぞれ独立したエリアになっていて侵入経路も限られているため、こことここが繋がっていたのか!という驚きは無いし、道中のチェックポイントの間隔がかなり短いため、やっとの思いでショートカットを開通できたときの安堵感もほとんど無くなっている(というか、ショートカットらしいショートカット自体がほぼ無い)。

様子がおかしくなってくるのは高原に入ったあたりからだろうか。
ここら辺から、楽しさに隠れていた粗が徐々に目に付き始める。
どのエリアでも全くと言っていいほど同じにしか見えない廃墟や廃屋、砦。
王都を越えると探索し甲斐が急になくなりつまらなくなるマップ。

無数に配置されているミニダンジョンはひとつひとつ構造が違うものの、基本的には「墓所」「洞窟」「坑道」の3パターン。
出現する敵、待ち受けるボス、得られる報酬などにストーリー性は一切感じられず、広いマップを埋めるために乱造された規模の小さい聖杯ダンジョンでしかない。
墓所なら奥にあるレバーでボス部屋を開ける、坑道ならリフトで下に降りる、というギミックは共通しており、内装や敵のパターンはある程度限られているので、途中からマンネリを感じてしまう(英雄墓シリーズは二度とやりたくない)。
また、途中から新しい敵種が出現しなくなるどころか、序盤にボスとして登場した敵がリスポーンする雑魚として配置されるようになるというのも、マンネリ感を加速させる原因となっている。

崖によってやたらと分断された地形による不意な落下死が多いため、恐る恐る下を見下ろし、虹色石を落としてみて降りてもいいのか確認し、ダメならぐるっと迂回する。という面白くもない事故防止作業が多発する。
これが開発陣の思う”ストレスフリー”な冒険なのだろうか。
パラグライダーは世界観に合わないというなら、せめて着地寸前にダブルジャンプで落下ダメージを回避できるといったアクション要素を取り入れるべきだったのではないか。

ダクソのボスといえば特別な存在だったが、本作ではボスの使いまわしがかなり多いうえに、しきりに複数のボスを相手にさせられたりする(ストーリー上重要なボスですら、名前だけが違うコピーが登場する)。
使いまわし自体はブラボ、SEKIROでも見られたし、これだけの規模ではある程度仕方がないことだとは思うが、この先にはどんなボスが待ち受けているんだろう?というワクワク感は序盤だけで、中盤以降はまたコイツか…今度は複数か…と気持ちが盛り下がってしまうことが大半だった(コピペされているボスがどいつもこいつも面白くない奴らばかりだというのが原因だと思う)。

「ゴドリックを倒したようだが、やつはデミゴッドの中で最弱」なんて言われたときにはテンションが爆上がりしたのだが、振り返ってみるとここがピークだったような気がする。

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自由なビルドと不自由な強化/振り直し

本作では、レベルアップによるステータスの振り分けと、大量に用意された武器・戦灰・魔法・祈祷により、実に多様なビルドを組んで戦うことが可能になっている。

戦灰システムのお陰で武器に好きな戦技を付けられるようになっていたり、属性派生と強化が分離して楽になったり、戦技・魔法・祈祷のバリエーションが驚くほど多かったり、戦技の中には魔法や祈祷に近いものやSEKIROから輸入されたようなスタイリッシュなものがあったり、ユニーク武器にはド派手な専用戦技が用意されていたり、といった点は素直に素晴らしいと思う。

一方で、実際にはこれらを気軽に活用できないというのは非常に残念だ。

特定のアイテムを手に入れるまでは武器強化素材の入手量が限られているため、手に入れた武器で気軽に試し斬りができない(武器強化は与ダメージに大きな影響を及ぼすため、素の状態では性能がいいかどうか判断しづらい)。

ステ振りのやり直しが出来るようになったため色々なビルドを気軽に試せるかと思いきや、やり直しにはレアアイテムが必要で、しかもそのアイテムはファームできない。

この2つの仕様のせいで、探索してせっかくカッコいい武器や魔法/祈祷を手に入れたところで、お蔵入りするしかない場合がほとんどだ。
ビルドの可能性はどんどん広がっていくのにそれを気軽に試せないから、どうせ使えないものが増えるだけだと探索意欲は削がれていく。
自由な戦闘スタイルを実現するための段取りが自由じゃないのは設計ミスとしか思えない。
武器強化とステータスの振り直しは、共にルーン消費だけで行えるようにすべきだったのではないか。

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バランス調整の放棄

ゲームの進行に伴って、敵の火力・耐久力・強靭がグングン高くなっていくのに対して、こちらはいくら重厚な鎧を身にまとっていてもネズミの攻撃にすら怯んでしまうため、歯ごたえがあって楽しいというよりも、まともに戦うのが面倒くさいという感情が次第に大きくなっていく。

オープンエリアに配置されている敵は馬でスルーするのが基本になってしまい、単なる障害物でしかない。
ダンジョンでは、とりあえずいっぱい敵を配置しときました、奥には当然弓兵がいます、みたいな場所が多く、悪い意味でダクソ2みたいだな…と思ってしまうことがしばしば。
高威力の追尾矢を連射してくる敵が複数配置されているエリアでアスレチックをさせられたときには、リアル発狂ゲージが少しずつ貯まっていくのを感じたほどだ。

戦闘がメインのゲームで戦闘が面倒くさいと感じられるのは問題だろう。

一部の戦技・魔法・祈祷がべらぼうに強い一方で、FPコストは高いのに役立ずなものがかなり存在する。
「血の斬撃」や「霜踏み」といった一部の戦技やユニーク武器に付いている専用戦技が非常に強力で、素材入手量の関係上ユニーク武器のほうが強化しやすいため、はじめは楽しんで使っていた戦灰の付け替えは気付けば使わなくなっている(ユニーク武器は戦灰が付け替えられない)。

この手のゲームではボス戦がキモだが、本作のボス戦は出来があまり良くないと感じられる。
圧倒的火力で蹂躙するかされるかで二極化しており、遺灰を召喚してジャンプ強攻撃・強戦技を適当にぶっぱしていれば、敵の攻撃パターンを把握するまでもなく余裕で勝利できてしまう。
強い戦技・遺灰を見出したもの勝ちという、大味にもほどがある残念なバランスに仕上がっており、そこには達成感など微塵もない
ズルをして勝ったというモヤモヤが残るだけなので(チートやグリッチじゃない以上、ズルでもなんでもないけど)途中から複数ボス戦以外では遺灰を使わないようにしたが、難敵を倒せた時の達成感を売りにしているゲームで、プレイヤーが自らに縛りを課さないと達成感が得られないというのは問題だと思う。

では、遺灰や強戦技を使わず戦えば大きな達成感が得られるのかというとそうでもなく、徒労感の方が大きい。
何度もくり返し戦って攻撃パターンを覚える、というのは死にゲーの基本だが、本作ではこれが輪をかけてツラい。
ディレイの乱用によるローリング潰し、出の速い突きによる回復潰し、ノーモーション振り向き攻撃によるコンボ潰し。これらに、まるでSEKIROのボスのようなスピード感、ローリングボタンの入力遅延や効きすぎる先行入力、2発でも食らえば死ぬ高火力が合わさることで、理不尽に片足を突っ込んだような難しさに感じられる。
大型ボスでは、そこに荒ぶるカメラワークまで参戦してくるから大変だ。
プレイヤーの自由度を上げたらバランスが取れなくなったので、代わりに思いつく限りのクソムーブをぶち込んでやったみたいなヤケクソ感を味わうことができる。

ラスボス戦は擁護不可能レベルのクソさ。
馬が使えないのはバグなんじゃないの?と思うぐらい挙動がクソで、アクションゲーム史上最高傑作レベルだった剣聖一心とは雲泥の差だ。

面白かった・達成感があったと思えるボスがまったく存在しないわけではないが、過去作と比べると圧倒的に少ないし印象も薄いというのはとにかく残念でならない。
面白くて印象に残ったボスは、ゴドリック、ゴッドフレイ/ホーラ・ルー、ラダゴンくらいだろうか。
一方で、黄金樹の化身、王族の幽鬼、爛れた樹霊、ガーゴイル、ドラゴン、エビなど、二度とツラを拝みたくないと思う敵は大量に存在する

フロムはプレイヤーに上手くなった気分を味合わせる接待設計が絶妙に上手いと思っていたけど、どうやらそれは勘違いだったようだ。

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見つけさせる気がないNPCのクエスト

2周目を始めるにあたってwikiを見ていたら、NPCのクエストをかなり見逃していたことが判明した(これだけ文句を並べておきながら、もう1周遊ぶかと思えるぐらいの中毒性があるというのは不思議で仕方がない)。
過去作でもNPCのクエストを初見ですべて完遂するのは難しかったが、本作ではオープンワールド化によって各地に散らばったうえに、エリアの進行具合がプレイヤーごとにまちまちになったことで、これまでとは比にならない難しさになっている。

こんなの想定されたルート通りに進まないと絶対発見できないよね?というようなものが非常に多く、マップ上のマーカーをしらみつぶしにこなしていけばほぼ100%完遂できるオープンワールドゲーとは対局だ。
探索していて偶然NPCを見つけたときには確かに喜びを感じられるのだが、いかんせんノーヒントがすぎる。
行く先を告げずに消えるNPCが多く、ハナから見つけさせる気がないとしか思えない。

これを良いととるか悪いととるかは好みによるだろうが、個人的にはNPCの場所ぐらいはマップに表示されていても良かったと思う(というかネットワークテスト時には、祝福の近くにいるNPCの名前が表示されていた気がする)。

いくつかのNPCのクエストは未完で終わっているというのもマイナスだ(いくら調べても、ケネスやネフェリのクエストをきちんと完遂する方法が見つからない)。

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おわり

レアルカリア学院あたりまではオープンワールド史上最高傑作レベルで楽しい!と時間を忘れるぐらいドハマりしていましたが、いざ終わってみると、これがメタスコア96って過大評価すぎない?フロムゲーの最高傑作どころか今世紀における最高傑作とか言うのはさすがに持ち上げすぎじゃない?という感想になってしまいました。

マーカーに頼らず冒険することの楽しさや、多彩なプレイスタイルを可能にする膨大な装備品、壮大で幻想的な世界観、といった部分は称賛に値するとは思うものの、その他の部分が自分の好みとは合わなかったです。

タイトルが変わっただけじゃなく、せっかくあのGRRMに神話を構築してもらったのに、ストーリーもNPCもダクソとほとんど同じじゃん…というのもかなり残念なところ。
旅の伴侶なのに、メリナの登場回数が異常に少ないのもどうかと思いました。

クラッシュや致命的なバグには遭遇しませんでしたが、マルチで多発する接続エラーや安定しないフレームレート、草や敵のポップインといった部分はかなり気になりました。
そういうのが気になる人は様子見推奨です。

個人的には、移動時間や代わり映えのしないミニダンジョンと使いまわしのボス戦込みで100時間かかる本作よりも、三次元的に緻密に構成されたエリア攻略とユニークなボス戦で50時間の過去作の方が断然好み。
批評的にも売り上げ的にも大成功を収めてしまったので、今後のフロムの行く末が大いに不安になるゲーム、という感じでした。

ではまた。

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