『キングスマン:ゴールデン・サークル』英米紳士が大暴れ ネタバレ感想

Colin Firth, Julianne Moore, Mark Strong, Channing Tatum, and Taron Egerton in Kingsman: The Golden Circle (2017)

原題:Kingsman : The Golden Circle

監督:マシュー・ヴォーン

出演:タロン・エガートン、コリン・ファース、ジュリアン・ムーア、他

上映時間:2時間21分

公開年:2018年

荒唐無稽に振り切ったストーリーとスタイリッシュアクション、ポップな残虐描写が魅力なスパイアクション映画、『キングスマン』の続編。

リアルでシリアスな方向にいった007に対するカウンター的な作品で、前作は結構お気に入りの作品だったので観にいってきました。

 

以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。

あらすじ

表の顔はロンドンの高級テーラー、その実態はどこの国にも属さない諜報機関「キングスマン」。

一人前のエージェントへと成長したエグジー(タロン・エガートン)の前に、死んだと思われていた元キングスマン候補生のチャーリー(エドワード・ホルクロフト)が現れる。

激闘の末チャーリーを撃退したエグジーだったが、ハッキングによってキングスマンエージェントの居場所が知られてしまった。

麻薬組織「ゴールデン・サークル」のボス、ポピー(ジュリアン・ムーア)の放ったミサイルによって、エグジーとマーリンを除く全キングスマンエージェントが死亡してしまう。

2人は、表の顔はアメリカの酒造メーカーである諜報機関「ステイツマン」にコンタクトを図る。

「ステイツマン」のエージェントであるテキーラ(チャニング・テイタム)、ウイスキー(ペドロ・パスカル)、ジンジャー(ハル・ベリー)、そして死んだはずのハリー(コリン・ファース)と共に、キングスマンを壊滅させた謎の敵と戦うこととなった…

というお話。

 

感想

『ウィンター・ソルジャー』のエレベーターとか、『アトミック・ブロンド』の車内とか、そういった狭い場所でのアクションシーンが大好物なので、序盤のチャーリーとのバトルがすごくよかったです。

秒でアガる、というキャッチコピーにいつわりなし。

その他にも、前作を彷彿とさせるバーでのアクション、雪山でのウイスキー無双、ポピーランドでの最終決戦と、アクションシーンはどれもこれも見ごたえがあって楽しかったです。

ただ、前作の教会での殺戮シーンと、敵の頭が爆発していくクライマックスのシーンを超えるインパクトはなかった気がします。

 

前作ラストで、ノリでナンパしたティルダ王女としっかり付き合っている、というエグジーの真面目さには驚きました。

わざわざティルダに、任務で追跡装置を仕込むために女の子とイチャイチャしてもいいですか?というお伺いを立てるという真面目っぷり。さすが紳士。

 

前作のハリーもそうでしたが、エグジー以外のキャラがものすごくあっさり死んでしまいます。

キャラの死によるエモーションの高まりがあるわけでもなく、必然性もないので、キャラの無駄遣い感が強いのが残念です。

序盤のポピーのミサイル攻撃で、JBとロキシーがサクッと退場。

JBは前作でも試験終わったら出番なしの雑な扱いだったので別にいいんですが、ロキシーの扱いはひどすぎ。

前作でエグジーと切磋琢磨して活躍、今作では正式にランスロットに昇格、ティルダ王女家での食事でエグジーをサポートしてくれていたし、メガネ女子だしで気に入ってたキャラだったのでビックリしました。

みんな大好きマーク・ストロング演じるマーリンも、うっかり地雷を踏んだエグジーを助けるため、というしょーもない展開で死んでしまいました。

マーリンは確実に死んだだろうけど、ロキシーは実は病院に運び込まれてました、とかで再登場しそうな気がしなくもない。

 

前作でヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)に撃ち殺されたはずのハリー。

蝶の幻覚と片目を失った事による距離感の違いで、思ったとおりの活躍が出来ずボコボコにされちゃう、というバーのシーンは最高でした。

その後もしきりに蝶の幻覚を振り払っていたり、急にウイスキーを撃ったりして、なんだかボケてしまったおじいちゃんを見ているような悲哀がありました。

 

前作のヴィラン、ヴァレンタインは、増えすぎた人口による環境汚染を止めるため、自分にとって都合のいい者以外に殺し合いをさせて、クリーンな世界を築こうとしたIT長者。

暴力が苦手で血を見るとゲロを吐いてしまう、というなんとも個性的な設定で好きなヴィランでした。

今作のヴィラン、ポピーは麻薬組織「ゴールデン・サークル」のボスであり、流通させている麻薬に摂取した者が徐々に死に至るウイルスを仕込んだ麻薬王。

解毒剤がほしかったらすべての麻薬を合法化しろ、という要求をアメリカ大統領に突きつけます。

ヴァレンタインは一応筋の通った考えというか、手段と目的が明確でよかったのですが、今回のポピーはよく分からないんですよね。

全ての麻薬を合法化させる、というのが最終目標、と聞いてもピンときませんでした。

麻薬が合法になったら、堂々と億万長者として表に出ることが出来る、ということなのかな?多分。

辺境の地のアジトが50年代アメリカ風なのも、昔のアメリカが好きだけど今のアメリカが嫌い、ということなのかなんなのか描写が少なくてよくわかりませんでした。

ニコニコしながら気に入らない手下をミンチにさせたり、それでハンバーガーを作ったり、なかなか頭のネジがとんだサイコっぷりだったのはよかったです。

また、アメリカ大統領が表向きは苦渋の決断を下す善き政治家のように振る舞いながら、実は麻薬常習者を一網打尽にするために交渉を長引かせている、という展開も面白かったです。

 

ポピーを殺して一件落着、と思いきや、ウイスキーが解毒剤配達を阻止しようと2人の前に立ちはだかります。

ここでの長回し風アクションは凄かったですが、この人、ミンチにして殺さないといけないほど悪い人ではないというか、ジャンキーに家族を殺されたという過去があったので、話せばわかるんじゃないかな、と思ってしまってちょっと最後モヤモヤしました。

ところでハリーは何故ウイスキーが裏切り者だと気付いたんでしょうか。

 

チャニング・テイタムが好きなので活躍を期待していたのですが、ポスターにも映っているくせに速攻で冬眠してしまうのでガッカリ。

ハル・ベリーも殆ど活躍の場がなく、この2人はあくまで今後のための顔見せ程度の扱いだったのはすごくもったいなく感じました。

ラストシーンではスーツに身を包んだテキーラが出てきたので、製作されるであろう続編で活躍させる予定なのでしょう。

 

おわり

前作ほどのインパクトはなかったけれど、十分楽しめた作品でした。

たまたま「ステイツマン」がハリーを保護してたから、たまたまチャーリーの彼女が発症したから、たまたま名前が出てきた人のメールにたまたまアジトの座標があったから、と展開が”たまたま”に頼り過ぎていて、話としてはあまり上手くないな、とは思いました。

投げ縄、鞭、レバーアクションライフル、リボルバーといった「ステイツマン」の装備の方が好みですし、チャニング・テイタムとハル・ベリーが好きなので、ぜひスピンオフ作品『ステイツマン』を作ってもらいたいです。

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