『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』シーズン1 途中までは今年観たドラマの中で一番面白いかもしれない

The Haunting of Hill House (2018)

原題:The Haunting of Hill House
制作・監督:マイク・フラナガン(『ジェラルドのゲーム』『オキュラス』など)
出演:ミヒウ・ハウスマン、カーラ・グギーノ、ティモシー・ハットン、ほか
配信日:2018年10月12日
シーズン1:全10話

1959年に出版された同名小説(シャーリー・ジャクソン著)が原作となっているNetflixオリジナルシリーズ(原作と言ってもドラマ版の内容とはかなり違うため、原案と言ったほうが正しい)で、IMDbでのトレンド1位かつ高評価、ロッテンでも93%、スティーブン・キングも絶賛、と今最も注目を集めているであろうホラードラマ。

めちゃ面白かったです(特に5・6話には度肝を抜かれました)。
ただ、後半(7話以降)の展開は結構賛否分かれるかなー、という感じでした。

以下、ネタバレが含まれますのでご注意を。

あらすじ

丘の上にたたずむ館”ヒルハウス”に引っ越してきたクレイン一家。
父ヒューと母オリヴィアは、この館をリフォームして売りに出し、それを元手に理想の住まいを手に入れる計画を立てていた。
しかし次々と明らかになる問題によって着工は遅れに遅れ、さらには様々な心霊現象に悩まされることになる。
そしてある夜、決定的な出来事が一家を襲う。
あれから26年。
今でもヒルハウスでの出来事はそれぞれの人生に暗い影を落としていた。
突然おとずれた末っ子ネルの自殺をきっかけに再び集まった一家は、各々が抱える過去のトラウマと対峙することに…

クレイン一家

ヒュー(ヘンリー・トーマス/ティモシー・ハットン)

「僕が修理する」が口癖の、5兄妹の父。
あの夜ヒルハウスで何があったのかを知っている唯一の人物。
子どもたちにとっての母親像を壊したくなかった一心で、真実をひた隠しにしていた。
ほとんどずっと亡き妻オリヴィアの幻影が見えており、時折会話もしている。
最後は自らの命を引き換えに兄妹を救った(が、スティーブン以外にそれを秘密にした意味はよく分からない)。

若ヒューを演じているヘンリー・トーマスは同監督の『ジェラルドのゲーム』にも出演。
老ヒューを演じているティモシー・ハットンはドラマ『レバレッジ』や『ジャック・ライアン』に出ている人。

オリヴィア(カーラ・グギーノ)

5兄妹の母。
霊感が人一倍強い血筋。
あの夜ヒルハウスで自殺したとされていた。
実際は、子供を外界から守りたいという強い思いをヒルハウスに憑いた悪霊ポピーに捻じ曲げられ、最後はポピーに取り殺された。
ダドリー夫妻の一子アビゲイル殺害の犯人でもある。
1人だと寂しいから、という理由で家族を殺そうとする恐ろしい美魔女。

同監督の『ジェラルドのゲーム』にも出演。

スティーブン(パクストン・シングルトン/ミヒウ・ハウスマン)

クレイン家の長男。
年長だったということもあってか、ヒルハウスでは「母親が急に鏡を叩き割る」ということ以外、これと言って怖い目にあっていない人物(しかし後半の言動から、怖い目にあったという記憶を封印している可能性もある)。
売れない作家だったが、ヒルハウスでの出来事をネタにした著書『The Haunting of Hill House』が大ヒットし、それ以来心霊現象の体験談をもとにした小説を執筆する人気作家になった。
印税の一部を家族に配分している。が、一家のトラウマをネタにしたことでシャーリーには嫌われている。
心霊現象に悩まされるのは遺伝的な精神疾患と考えていたため、パイプカットしている。
子を持ちたいと考えていた妻に打ち明けることが出来ず、現在は別居中。

大人スティーブンを演じているミヒウ・ハウスマンは、『ゲーム・オブ・スローンズ』でダーリオ・ナハーリス役をやっている人(ミヒウ・ハウスマンはNetflixでの表記ですが、マイケル・ユイスマンとかミキール・ハースマンとか表記されている場合もあります)。

シャーリー(ルル・ウィルソン/エリザベス・リーサー)

クレイン家の長女。
可愛がっていた子猫がグロ死したというトラウマを持っている。
優しい夫と共に葬儀屋を営んでいて、2人の子供がいる。
スティーブンからの印税を頑なに受け取ろうとしない。
善い人なのが災いして葬儀屋の経営は火の車なのだが、本人は気づいていない(実は夫が秘密でスティーブンからの印税を受け取っており、それで経営を保っていたことが明らかになる)。
完璧な妻であり母であろうと振る舞ってはいるが、夫には言えないある秘密を抱えている。
それの反動で、抱き合っていた(ように見えた)夫とテオの言い分を全く聞かずに責め立てる。

この2人は、同監督の映画『ウィジャ ビギニング~呪い襲い殺す~』では親子役をやっている。

テオドラ(マッケナ・グレイス/ケイト・シーゲル)

クレイン家の次女。
触れた物・人の記憶や感情などを読み取ることができるサイコメトリー的な能力の持ち主であり、感受性が豊かすぎたためか幼少期から心を閉ざし気味。
能力を封じるため、潔癖症と偽って常に手袋をしている。
子供相手のカウンセラーをしていて、たまに能力を使ってペド野郎の正体を暴いたりしている。

子テオを演じているマッケナ・グレイスは映画『ギフテッド』の天才少女役の子。タレ目で超かわいい。
大人テオを演じているケイト・シーゲルは同監督の映画の常連で、『サイレンス』の主人公役をやっていた人(『オキュラス』『ウィジャビギニング』『ジェラルドのゲーム』にも出演)。

ルーク(ジュリアン・ヒリアード/オリヴァー・ジャクソン=コーエン)

クレイン家の次男でネルの双子の兄。
ネルとは双子特有の感覚を共有している。
アビゲイルという少女と友達だということを誰からも信じてもらえなかった。
帽子をかぶったちょっと浮いているのっぽのおじさんという、怖いんだか可笑しいんだかよく分からない霊をちょくちょく見る。
ヒルハウスでの出来事がトラウマとなり、それが原因で薬物に溺れ中毒症状に苦しんでいる。
リハビリセンターに出たり入ったり金を借りたりしているため、ネル以外の兄姉からの信用は地に落ちている。

ネル(ヴァイオレット・マックグロー/ヴィクトリア・ペドレッティ)

クレイン家の三女でルークの双子の妹。
ヒルハウスでの心霊現象(特に”首折れ女”)が原因で不眠症と金縛りに苦しみ、精神状態がかなり不安定。
睡眠技師アーサーとの出会いで一時は改善するものの、彼の死をきっかけに破滅へとひた進むことになってしまう。
兄姉思いの優しい子で、死んだ後も彼らを見守り、くだらない口喧嘩を止めるために心霊現象を起こしたりしている。
”首折れ女”の正体が分かるネルが主人公の第5話はすごい。

大人ネルを演じているヴィクトリア・ペドレッティはなんと本作がドラマ初出演らしい(これの次はなんとタランティーノの新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』にキャスティングされている)。
可愛いし演技うまいし存在感もあるので、この先かなり売れっ子になる予感。

感想

前半の5話までは、1話につき5兄妹のうちの1人に焦点を当てて進んでいく。
ここでのキャラ描写はかなり丁寧。
それぞれのキャラを一面的でステレオタイプな単なる記号ではなく、多面的でリアルな人間として観ることができるようになっている。

全体では、過去と現在を行き来しながらヒルハウスの謎が少しづつ明らかになっていく、というミステリー要素が主軸。
同じ出来事を複数の視点から描くことで、「こうだと思っていたけど、実はそうじゃなかったのか」「あの時のあの人物の台詞にはこういう意味が隠されていたのか」と、出来事の全体像が明らかになっていくというような脚本が見事。

驚いたのは第6話。
このエピソードだけいくつかの長回しだけで構成されている(終盤5分を除いて)。
しかも単なる長回しというだけではなく、「父親から見れば子供はいつまでも子供」とか「昔のことをまるで今起きていることのように思い出せる」とか「いつの間にか霊がいて近づいてくる、と思ったら消えている」といった色んな要素が多層的に盛り込まれていて、観入ってしまった。
ドラマ史に残るエピソードと言っても過言ではない…と思います。

丁寧なキャラ描写に加え、心霊現象による非現実的な出来事による怖さと、薬物中毒・自殺・裏切り・秘密といった現実的な出来事による怖さとが一体となって襲ってくる感じが、エモーショナルなホラーというあまり観たこと無い面白さの要因になっているのかなと。

後半は心霊現象のさらなる激化を期待していたのですが、そういうホラー部分は抑えめになり、そのかわり家族の切なく悲しいドラマという部分が色濃くなっていくため、ちょっとだけ肩透かしというか。
もっとこう、ギャーッ!というシーンがほしかったです。
それでも前半の丁寧なキャラ描写の積み上げがあったので最後まで面白く観れました。

リミテッドシリーズではないし、これだけ話題になればシーズン2も当然やると思うので期待。
のっぽおじさんとかベッドにいた老婆とか車椅子の少年とか、色々出てきてたけど正体が分からなかった霊達が沢山いるので、次シーズンはコイツらの話になるのかな。

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