『トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン』シーズン1 感想 何故か前線に引っ張り出される分析官

f:id:b9msr3:20180903093531p:plain

原題:Jack Ryan
制作:カールトン・キューズ、グラハム・ローランド
出演:ジョン・クラシンスキー、ウェンデル・ピアース、アビー・コーニッシュ、ほか
シーズン1:全8話、50分/話

Amazon Primeオリジナルのドラマシリーズ『トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン』の感想を書き綴っています。

前置き

「ジャック・ライアン」シリーズはこれまで『レッド・オクトーバーを追え!』『パトリオット・ゲーム』『今そこにある危機』『トータル・フィアーズ』『エージェント:ライアン』と映画化されているわけですが、僕は恥ずかしながら、ケネス・ブラナー監督×クリス・パイン主演の『エージェント:ライアン』しか観てません(これは色々と残念な映画だった)。
トム・クランシー原作のゲームは『レインボーシックス』『ゴーストリコン』『ディビジョン』と色々やってるんですけどね。
なので、トム・クランシー原作、ジャック・ライアンのドラマとしてどうか、というのはよくわかりません。

IMDbやAmazon.comのユーザーレビューを読んでると、こんなのジャック・ライアンじゃねーよ、とお怒りの人が多いみたいです(ただ、リブートとかシリーズの新作が公開されるたびにこういう人は一定数出てくるので、あまりあてにはならないかも)。

主人公ジャック・ライアンを演じるのは、今年スーパー大ヒットしたホラー映画『クワイエット・プレイス』(日本公開は9月28日から)が記憶に新しい、ジョン・クラシンスキー。
クラシンスキーの顔って、知的というよりはちょっと愛嬌のある感じなので、あんまりこの役には合ってない気がしなくもないな、思いました。

f:id:b9msr3:20180903100639p:plain

どんな話?

中東における通信や送金を監視するT-FADという組織に属しているCIA分析官のジャック・ライアンが、新興テロ組織の指導者スレイマンを追い詰めていくというお話。

分析官とタイトルには入っているものの、情報の分析をしてロジカルに敵を追いつめていくといった描写はなく、普通のカウターテロアクション感が強いですね。
多分この部分がジャック・ライアンファンを怒らせている原因なんじゃないかなあ、と思います。
僕はサスペンス色の強いドラマを期待していたせいで、銃撃!爆発!って感じの前半はあんまり乗れなかったのですが、終盤の7話、8話は面白かったです(だんだんスケールが小さくなってる感があるので、尻すぼみと思う人も多い気がする)。
ただ、『ホームランド』観ればそれでよくない?という意見は否定できなかったり。

現地にわざわざジャックたちが行く意味

ジャック・ライアンは、デスクワークが仕事のCIA分析官なんですが、なぜか上官のグリーアと共にイエメン、パリ、トルコに派遣されドンパチをやらされています。
一応イエメンに赴く際の理由は用意されていますが、パリ、トルコの際は納得できるような理由は特に用意されておらず、ただ単にジャックが主人公だから、という脚本上の都合でしかありません。
ジャックたちが行くよりも現地のエージェントに連絡して行動させれば、迅速な対応もできるし土地勘もあるだろうし、遥かに効率的だろうに。
CIAにはこの2人しか使える人員がいないのでしょうか。

ドローンパイロットのようなどうでもいいキャラに時間を割く前に、ジャックたちと情報を共有し、中東・ヨーロッパでの任務にあたるキャラを登場させたほうがよかったのでは?と思いました(一応最後まで出てくる実働部隊のあいつをその役目にすればよかった)。

ドローンパイロットのあいつの存在意義

ドローンパイロットのあいつ(ジョン・マガロ)は、本筋とはあまり関係なく、ほとんどカットしてもいいような存在。にもかかわらず登場時間がやけに長く、意味が分かりませんでした。
3話のカジノでの変なエピソードも、6話での情報誤認で殺してしまった人の遺族を訪ねるエピソードもマジでいらないな、と思いました。

情報誤認で殺したのは彼のせいではないし、それについて苦悩するというのは当然のことだと思うけど、遺族を訪ねて僕が殺しましたと言って卵買って救われた気になるのは違うんじゃないかと。
というか僕はこのエピソードで何を伝えたいのかわかりませんでした。アメリカが間違いを犯しても寛容な心を持って許してちょうだいってことですか?
ドローン爆撃の是非なり、パイロットが受ける精神的ダメージなりが描きたかったのはわかりますけど、それは別のドラマでやれ、としか言いようがないです。

結局スレイマンはなぜテロリストになったのか

ヴィランであるスレイマンは、カリスマ性のあるテロリストで、主人公ジャックよりも存在感のあるキャラクターです。が、彼の過去の描き方には首を傾げたくなりました。

幼少期、アメリカの無差別爆撃によって何もかも失ったことが彼の原動力になっているのかと思いきや、それからは普通に暮らして大学を出て、数年前まではフランスで就職活動をしてます。
その後アホな弟をかばって捕まり、2年間の刑務所ぐらしで雰囲気がガラッと変わり、ムスリムになっていました。
そこから急に弟ともどもテロリストになっているので、単純に考えればムスリムになる=テロリストになるということになってしまっています。一応グリーアもムスリムにすることでバランスを取っているつもりなんでしょうが、このドラマでの描き方だと、劣悪な環境下でのムスリムはテロリストになる、と言っているようにしか見えませんでした。スレイマンの過去・動機付けに関してはもうちょっとどうにかならなかったのかな、という感じです。

おわり

タイトルにジャック・ライアンと入っている割には、スレイマン、その妻のハニン、ドローンパイロットのエピソードに時間を割きすぎている気がしました(でもスレイマンの過去に関しては描写不足)。
あと、ジャックに好意を抱いているっぽい同僚女性がいましたが、序盤で利用された後は蚊帳の外だったのが可哀想でした。

最初からシーズン2までの制作は決定していたみたいで、2019年の配信が予定されています。
スレイマンとの戦いは一応きれいに終わっているので、今度はロシアで別のテロ組織との戦いが始まるのでしょうか。
それともスレイマンの息子がやらかすのか。
このドラマならではの尖った魅力はありませんでしたが、『24』は長すぎるし『ホームランド』は重たい、という人は観てみてもいいかもしれません。

Please follow and like us:

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください