『ファイアーエムブレム 風花雪月』レビュー!キャラ愛がほとばしる学園×戦記シミュレーションRPG

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Nintendo Switch専用ソフト『ファイアーエムブレム 風花雪月』のレビュー/感想を書き綴っていきます。

タイトルファイアーエムブレム 風花雪月
プラットフォームNintendo Switch
開発インテリジェントシステムズ
コーエーテクモゲームス
発売任天堂

青獅子、黒鷲(教団)ルートでそれぞれ1周クリアしました。
現在は金鹿で3周目を攻略中。
1周クリアに約60時間かかりました。かなりのボリュームです。

僕にとっては本作が初めての『ファイアーエムブレム』であり、過去シリーズ作と比べてどうか、という観点からの評価はできませんのでご了承ください。
(本作をやるまで『ファイーエブレム』だと思ってたクチ)

ネタバレ無しです。

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3つの学級と二部構成の物語

本作の舞台は、「アドラステア帝国」、「ファーガス神聖王国」、「レスター諸侯同盟」の三国が均衡を保つ「フォドラ」。
三国の中心に位置する「セイロス聖教会」の総本山「ガルグ=マク大修道院」には、三国の未来を担う若者たちを育成する士官学校がある。
ひょんなことからその士官学校の教師となったプレイヤーは、三国の学級のうちから1つを選んで生徒たちを指導することに…というのが物語の始まり。

本作のストーリーは二部構成。
第一部は教師として生徒を導く士官学校編、その後5年のタイムジャンプをはさんで、第二部はフォドラの命運をかけた戦乱編となっている。

第一部は学園モノで、一見すると生徒たちは基本的には和気あいあいと学園生活を楽しんでいるように見える。
しかし、その背景には紋章と貴族制度、民族紛争や権力闘争といった諸々の問題があり、そういった問題が第二部で表出し、血で血を洗う戦乱へと突き進んでいく。

かつては楽しそうに学園生活を送っていた生徒たちを率いて、他学級の生徒だった者たちを殺さなければならないという、残酷な現実がプレイヤーを待ち受けている(いくらなんでも悲しすぎるので、2周目からは全力で他学級の生徒全員をスカウトするようになった)。

本作には30人以上ものキャラクターが登場するが、性格・好き嫌い・生い立ちなど一人ひとりのバックグラウンドが丁寧に作り込まれているので、単なる記号ではなくしっかりとした実在感が伝わってくる。

何より驚かされたのは、支援会話の質と量。
支援会話とは、キャラとの支援値(いわゆる好感度)を上げると発生する、そのキャラをより深く知ることができる会話イベント。
主人公×生徒だけでなく生徒×生徒の支援会話も用意されているので、とにかくテキスト量は膨大でキャラクターの描き込みが尋常じゃない

正直、最初はこれといって好きなキャラがいなかったし、なかなか顔と名前が一致しなかったけど、支援会話で彼らを知っていくうちにいつの間にかどのキャラも好きになっていた。
青獅子で始めたのもあってお気に入りはやっぱり青獅子学級の子たちだけど(ディミトリ×ドゥドゥーの支援Aでは泣いた)、それ以外の学級も基本的にはいい奴らだったのでよかった。

支援会話の内容は、キャラをあらゆる角度から掘り下げるものでどれも面白いし、あのキャラとも仲良くなりたい、あのキャラとあのキャラを仲良くさせたい、とこっちのモチベーションを上げてくれる。
戦闘パートでは、このキャラとあのキャラは仲がいいから一緒に行動させようとか、このキャラはこういう性格だから突撃させようとか、キャラに合った行動を取らせてしまうぐらい思い入れが強まった。

学級ごとに異なる二部構成のストーリーと、生徒たちと交流で否応なしに思い入れが深まる散策・支援会話がうまいこと組み合わさって、とにかくめちゃくちゃ面白い
支援会話の量は1周ではとてもカバーしきれないほどなので、周回が面倒じゃない。
むしろ周を重ねるごとに面白くなっていく

物語の展開自体がかなり淡々としているのと、すべてのルートを制覇して支援会話や外伝を網羅しないと全体像がつかめないようになっているのは、好き嫌いが分かれるところかも。

一周やったらそれでいいやってタイプの人にとっては、モヤモヤが多く残ること間違いなし。
逆に、とことんやり込むタイプの人にとっては、底なし沼のような奥深さと楽しみが待っていると思う。

2つの軸で構成されたゲームプレイ

本作では、学園パートと戦闘パート、2つの異なるパートを交互にプレイしながらゲームを進めていく。
学校では教師として、戦場では指揮官として、生徒を導き生徒とともに成長していく、というのが本作の大きな特徴。

ゲームは1ヶ月単位で進行。
平日には生徒の指導を、週末には自由行動を行い、月末に控える課題出撃のために準備を整えていく。
課題出撃でメインストーリーのバトルが発生し、次月へと進んでいくという流れ。
『ガンパレード・マーチ』や、『3』以降の『ペルソナ』みたいな感じと言ったらピンとくるだろうか。

学園パート

平日の指導では、生徒の特性を見極めて各種技能(剣術、弓術、馬術など)を伸ばしていく。
本作には様々なクラスが用意されていて、クラスチェンジするためには昇格試験に合格しなければならない。
合格するには、クラスごとに設定された技能が一定値以上必要になる。

基本的に上位クラスのほうが強くなれるので、各生徒をどのクラスに昇格させていきたいのか、先の先を見据えて育成するのが肝心。
キャラには技能の得意不得意があるものの、育成の自由度は結構高め。

面倒な人のために「おまかせ指導」というものも用意されているけど、トンチンカンな技能の割り振りをするときもあるので、自分でやったほうが良い。

週末には、修道院内を散策するか、講習を受けるか、戦闘に出撃するか、休養するかのいずれかを選ぶことが出来る。

「散策」では、修道院内を走り回って生徒に話しかけ、落とし物を拾っては届け、贈り物をあげ、食事に誘い、魚を釣り、草花を栽培して、生徒たちとの絆を育みながら主人公の能力を上げていく 。
他学級から生徒を引き抜くことだってできる。
なんなら、他学級のお気に入りキャラを一軍に、自学級のキャラを全員控えにまわす、なんていうプレイもできてしまう。

とにかくやれることが多いので、ゲームプレイのかなりの時間を「散策」に費やすことになる。
それと同時に、好き嫌いがはっきり分かれる部分だと思う。

一見お使い作業のように見える落とし物や贈り物といった要素にも、キャラクターひとりひとりの個性が垣間見えるので、不思議と作業感は薄い。
キャラへの思い入れが強くなるような丁寧な作りになっていたので、僕は散策を大いに楽しむことが出来た。
反対に、キャラに興味が持てない人にとって、学園パートは戦闘の合間にあるテンポの悪い要素でしかないだろうとは思った。
(周回時は流石に飽きがくるので、修道院のサイズをもうちょいコンパクトにしてくれてもよかった)

「講習」では、生徒たちと一緒になって指導を受けることで、主人公の技能を伸ばすことが出来る。
「出撃」では、金策や資源集め、課題出撃に備えたレベル上げに加えて、クエストや外伝といったサイドストーリーが展開されることもある。

散策はどうでもいいからとにかく戦闘がやりたいという人は、毎週末は散策をせず戦闘に出撃するということももちろん可能。
それすらもめんどくさいという人は、なんと指導も含めてまるまるおまかせスキップし、課題出撃だけをプレイすることも可能になっている。
なので、やれることは多いけどやらなきゃいけないことは少ないというバランスに一応なっている(が、もちろんスキップしないでちゃんとやったほうが楽しめるし、戦闘も有利に進められる)。

戦闘パート

戦闘は、グリッド状の戦場で個々のユニットを動かしつつ敵を倒していく、いわゆるターン制ストラテジー。
日頃の指導の成果を発揮する場であるとともに、プレイヤーの指揮官としての腕が試される場でもある。

本作の戦闘は、もちろんただ単にユニットを動かして攻撃するだけではない。
武器の耐久を消費して大技を繰り出す「戦技」、特殊効果を発揮する紋章、キャラごとの特性、クラスごとの特性、騎士団/計略、と構成する要素が多い。

「騎士団」はキャラが率いる軍団のようなもので、装備することでステータスの補正を受けられると同時に、「計略」が使えるようになる。
計略には、前方縦4マスにいる敵をまとめて攻撃したり、武器の射程に関係なく反撃できるようになったりと、様々な効果が用意されていて戦い方に幅をもたせている。
また、計略による攻撃は敵の反撃を受けないという特徴もあるので、強敵と戦うときはまず計略で弱らせてから戦うことも必要になってくる。

敵として、4マス分のサイズと複数のHPバーを持った「魔物」ユニットが登場する。
それぞれのマスにはダメージを軽減する障壁があって、これを壊すと反撃不可にできる。
4つすべての障壁を壊すと1ターン行動不能にし、かつアイテムが貰えるのだが、1つ削って集中攻撃したほうが早かったりする。
後半は魔物ユニットがやけに多く、戦闘が大味になっている感じがした。

  • カジュアル設定だと、ユニットのHPがゼロになってもロストしない
  • 自軍ユニットを動かすときに敵のターゲットになるかどうかが分かるので、敵の行動をある程度は制御・予測できる
  • 時間を任意のポイントまで巻き戻す「天刻の拍動」で、ちょっとしたやらかしを無かったことにできる
  • 退却コマンドで、戦闘で得た経験値はそのままにしてバトルをやり直せる

と言った具合に、本作の戦闘は遊びやすさを全面に押し出した作りになっているので、FEシリーズどころかシミュレーションRPG自体を一切遊んだことがない人でも楽しめるバランス。
上述したように戦闘を構成する要素は多いので、遊びやすさと同時に奥深さもあり、かなり面白い。

遊びやすい反面、シリーズをやり込んだ猛者にとっては簡単に感じられるのかもしれない。
あまりこのジャンルのゲームを遊ばない僕でも難易度ハードでちょうど良く、ノーマルはかなり易しく感じた。
ゲームを始めると途中で難易度を上げることが出来ないので、まずはハードで始めてみて、キツかったら下げるほうがいいと思う。

気になってしまった点

3周目に突入してるぐらいなのでめちゃくちゃ面白いのだけれど、気になる点が多かったのも事実。

  • UIが劣悪
    ここ数年でやったゲームの中でも最低レベル。
    • 持ち物整理
      • 装備品の性能比較がパッとできない
      • 単純に見づらいし使いづらい
      • ソート機能がない
      • 能力上昇アイテムは、いちいち使いたい人の持ち物に移動させてから使わないといけない(しかも持ち物整理メニューではキャラのステータスは表示されていない)
      • 遺産、聖武器の紋章が誰のものなのかすぐわからない
    • ショップ
      • アイテムを買うとき、所有している個数が分からない
      • アイテムを売買するとき、カテゴリ別ではなく一覧表示なので見づらい
      • まとめて複数種類のアイテムを売買できない
      • アイテムを買うたびに商人が喋るので、贈り物を買い占めてるときに「あ、あ、あり、あ、あり、ありがとうございました~」みたいになって超うるさい
      • 修理と錬成が別メニューになっていてめんどい
    • 敵を攻撃する際に、「戦技・武器」と「威力・命中・必殺」の項目が離れて表示されるため、ぱっと見て分かりづらい。
    • メニューに「ゲームを終了する」という項目がない。
      ソフトリセット(RL+-同時押し)すればタイトル画面に戻ることはできるが、明記はされていない。
    • 個別指導、目標設定、昇格に必要な技能の確認がやりづらい。
      行ったり来たりの操作を要求されるので、非常に面倒くさい。
      指導はAボタン、目標設定はYボタン、昇格に必要な技能はマーク可、みたいにしてほしかった。
  • 会話をスキップすると、選択肢までまとめてスキップしてしまう。
    支援値を上げる機会を失ってしまうため、安易にスキップできない。
    周回するとき何度も同じ会話を聞くことになりテンポが悪い。
  • 第一部のストーリーや課題出撃は、受け持つ学級による違いがほとんど無い(黒鷲のみルート分岐がある)。
    第一部の前半ではファーガス神聖王国絡みの課題出撃が多く、僕がはじめに選んだのが青獅子だったのもあって、学級によって異なる課題出撃が用意されているのだろうと期待していた(「我々の学級とは課題が違う」という台詞もあったし)。
  • 月初めにはフォドラの歴史や季節の移り変わりを感じさせるイントロがあるが、修道院内の風景が1ミリも変化しない
    夏服、冬服という学園モノによくある変化すら無かったのには少々がっかり。
    最初から最後までかなりの時間を費やす舞台なのに、ポイントからポイントへ移動するだけの場になってしまっているのは非常にもったいない。
  • 戦技が死んでる。
    序盤は相手を一撃で仕留めるために戦技を使う場面が多々あったものの、中盤あたりからは軽めの武器を使って追撃(2回攻撃)を発生させたほうが明らかに強い。
    最終的に、弓の射程を伸ばしたいときか、敵のHPをギリギリにして他のキャラでとどめを刺したいときにしか使わなくなってしまった。
  • バトルではカメラが決まった角度分でしか動かせず、やや見辛い場面もある。
    2Dモードがあってもよかったと思う。
  • 最上級職に必要な技能が偏りすぎている。
    ほとんどのクラスで3つの技能を高める必要があり、だいたい槍術、斧術、馬術、飛行のうち2つが要求される。
    逆に弓術、格闘術、重装はそれぞれ1クラスしか無い(格闘術は男性専用クラス)し、純粋な最上位クラスではなく色モノ複合職。
    一意専心でやっていると昇格できないので、最上級職が開放された瞬間から必要な技能をチェックして指導していかなければならない。
  • フォドラ全土を巻き込む戦乱に突入した第二部でも相変わらず修道院が拠点で、決まって月末に出撃するという流れのままだったのには違和感がある。
  • 実戦よりも座学のほうが技能経験値が貯まりやすいという仕組みに違和感バリバリ。
  • 上級職、最上級職の衣装デザインがあまりかっこよくない。

おわり

個性豊かなキャラクター、ダークでシリアスな物語、自由度の高い育成、戦略性のある戦闘と、色んな要素が詰め込まれた時間泥棒ゲーでした。
本作を楽しめるかどうかは、キャラ萌えできるかどうかにかかっていると言っても過言ではないので、ギャルゲ要素には1ミリも興味ない、戦闘だけできればいい、という人には全くオススメできません。
それ以外の人にはぜひともやってほしい作品。

おすすめ度:5/5

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