『KH3』ネタバレなしレビュー 光(良いとこ)と闇(悪いとこ)が交錯する完結編

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ついに『キングダムハーツIII』が発売になりました!
1から続いてきた”ダークシーカー編”が今作で(一応)完結します。

さっそく20時間程度プレイしてみてのレビューをお届けします(未クリアです)
ちょこちょこ寄り道しつつ、35時間でクリアしました。
ネタバレはないのでご安心を。

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前置き

今作はナンバリングの3作目となっていますが、2の続きではなく、『ドリームドロップディスタンス(3D)』と『0.2バースバイスリープ-フラグメンタリーパッセージ-』からの続きとなっている点にご注意。
どちらも『KH2.8』に含まれている作品なので、「可能な限り理解してから挑みたい」という方はそちらからプレイしてみてはいかがでしょうか(2つ合わせて20時間程度でクリア出来ます)。
『1.5+2.5』もプレイしているのがベストですが、時間的にちょっとしんどいと思うのでオススメはしません。

17年も続いてるシリーズなので、さすがに「シリーズ初見でも問題なく楽しめますよ」とは言えません。
一応シリーズのおさらいとして、公式の方でも上がっている『IIIに繋がる物語たち』が、本作でも見れるようになっています。
しかしこれを見たらバッチリかと言うとそうでもないので、まったくの初見という方は『IIIに繋がる物語たち』と合わせて、モバイルポータル内にあるキーワードグロッサリーやあらすじ等を、きっちり熟読することを強くオススメします(モバイルポータルとは、ゲーム内で手に入るスマホ的なアイテムのことです)。

設定と人物相関図は複雑ですが、メインのプロットは「元気な少年ソラと愉快な仲間たちが、邪悪な顔したハゲと、その手下の黒コート集団の悪巧みを阻止する」というシンプルなものです。

  • 道中で出てくる黒コート集団(真XIII機関)が敵で、そいつらは決戦のためにお膳立てをしている
  • ソラたちはそれに対抗するために、戦力になりそうな人たち(テラ、アクア、ヴェントゥスなど)を探したりしている
  • 邪悪な顔したハゲことマスター・ゼアノートは、黒コート集団とソラたちを戦わせ、キングダムハーツというとにかくスゴイものを出現させ、何かを成し遂げようとしている

以上のポイントをおさえておけば、あとはノリでなんとかなると思います…多分。ならなかったらごめんなさい。
光、闇、心といった、ふわっとしたワードのオンパレードなのはご愛嬌。

ちなみに、今作で完結する”ダークシーカー編”は、”マスター・ゼアノートの野望編”と言い換えてもいいと思います。
今作でキングダムハーツシリーズが完結するわけではないという点にもご注意。

ストーリーには難あり

『1.5+2.5』と『2.8』をプレイして準備万端だった身としては、話の展開・構成に大いに不満があるものの、要所要所で感動させられたりしたので、トータルではまあ面白かった…かなあという感じでした。

こんな微妙なテンションになってしまった理由は、

  • 「真XIII機関とソラたちの対決」というメインの話と「ディズニーワールドでの冒険」の話が上手く噛み合っていない
  • 後半になるまでは話が全く前に進んでいないと感じてしまう
  • 全体のペース配分がおかしく、中盤までは盛り上がりに欠けるし、終盤の展開が性急すぎる
  • キャラが自発的に動いているというより、決められた展開に沿って行動させられている感が強すぎる(そのため、不可解に感じる場面が多々ある)

この4点に集約できるかなと思います。

ディズニーワールドでは、原作の話にソラたちが乱入するという形で話が展開されていきます(トイ・ストーリー、モンスターズ・インク、ベイマックスのワールドでは、原作のその後を描くオリジナルの話が展開)。
一応、真XIII機関の暗躍と絡めて、なんとか展開させようとはしているのですが、あとになって考えてみると、ディズニーワールドの話って全部いらなかったんじゃ…?という感じになってしまっています。
単体として見て面白くないというわけではないのですが、決戦に向けて着々と駒を進めている感は皆無でした。
ベイマックスワールドでの話は、ヒーローものという設定や、原作ラストのある要素を上手く生かしていたので感心したものの、それ以外のワールドでは未消化感が残るものも多く、ちょっと残念。
改めて思うのは、『1』の話はかなりうまくまとまっていたということ。

また、話の展開に思わず首をひねってしまうような部分もちらほら見受けられます。
例えば、フリンはなぜ逃げていたのか、ラプンツェルが誘拐された経緯、アナ雪で唐突に出てきたマシュマロウとハンス、などなど。
原作を観ていない人にとっては、説明不足に感じる場面が結構多いんですよね。
実際、僕はカリビアンの映画を1作目しか観たことないので、今作の話はチンプンカンプンでした。何故か生き返ってるバルボッサとか、タコ人間とか、謎の蟹とか。
イベントシーンが長すぎたのでやむを得ず削ったのか、単純に脚本力が未熟なのか。

後半はこれまでの積み重ねの総括であり、涙腺を刺激される熱い展開が用意されています。
しかし同時に、急いで風呂敷を畳んでいる感じや、それってどうなの?と思ってしまうような展開、そして続編への布石もあって、満足しました!という心境には残念ながら至らなかったです。
これまで追いかけてきたシリーズファンでも、キャラの背景を全く知らないし思い入れもない人でも、誰もが楽しめるストーリーになっているとは、お世辞にも言えないと思います。
シリーズファンは「完結編を謳っている割にモヤっとするポイントが多すぎるんだけど」という感想に、新規プレイヤーは「ディズニーワールドでの話はいいけど後半は面白くない」という感想になる気がします。

また、これはJRPG全般の問題で今作に限った話ではないのですが、いっこいっこのイベントシーンが長すぎます。
イベントでしか語れない内容が多いのは分かるんですが、演出の間とか、会話のテンポ感とか、もうちょっとどうにかなったんじゃないかな、と思います。

爽快なバトルシステム

バトルシステムは、これまでの作品のシステムをまとめ上げ、更に新システムを追加した、これぞシリーズの集大成といった仕上がり。
大雑把に言ってしまえば、『3D』+『0.2』+新システム、という感じです。

基本となるのは「たたかう」「まほう」のコマンドですが、そこにこれまでの作品で培われた数々のシステムを統合した「シチュエーションコマンド」が加わりました。
シチュエーションコマンドには、各キーブレード固有のアクションが繰り出せる「フォームチェンジ」、仲間との「連携アクション」、一段上の魔法が放てる「強化魔法」、ディズニーランドのアトラクションをモチーフにした「アトラクションフロー」があり、どれも強力かつ派手で爽快感抜群です。
また、ディズニーキャラを召喚して戦う「リンク」や、複数の敵をロックオンして一気に攻撃する「シュートフロー」、壁やポールを使って高速アクションを繰り出す「フリーフロー」といったアクションもあり、変幻自在・縦横無尽なバトルが楽しめます。

ちなみに今作では、ソラも空中でガードが出来るようになりました(結構重要なポイント)。

「フォームチェンジ」はこれまでのものとは異なり、使用しているキーブレードによってアクションが大きく変化するものになりました。
『2』の頃のアクションを彷彿とさせるものもあれば、ウィズダムフォームを更に強くしたような遠距離攻撃主体のもの、機動力が高く単体相手に特化したものなど、それぞれが全く違う手触り。
「たたかう」だけでなく「まほう」も固有のものに変化するというこだわりようです。
それに伴い、今作ではキーブレードは同時に3本まで装備し、バトル中に持ち替えることが出来るようになりました。
出現した敵に合わせて持ち替えたり、フィニッシュ技をあえて温存したりと、これまでにはなかった戦略性が生まれています。
キーブレードは強化できるので、気に入ったアクションのものは使い続けられるようにもなっています。

また、トイ・ストーリーの世界では『タイタンフォール』的なロボットバトルが、カリビアンの世界では『アサシンクリード』的な海戦があるなど、プレイヤーを飽きさせないような様々な工夫が凝らされています(ただ、シューティング要素が多めなので、人によってはあまり好きじゃないかも)。

難点を上げるとすれば、「連携アクション」と「アトラクションフロー」の種類が少ないため、後半になるとマンネリ感が出てきてしまうこと、フィニッシュの演出が長くテンポ感が削がれていることでしょうか。

好みが分かれるグミシップ

過去作から最も大きな変貌を遂げた要素と言えば、グミシップでしょう。

前作までは、ワールド間を行き来する際に発生するレールシューティング的なものでしたが、今作では宙域の探索とレールシューティングを組み合わせたものになっています。
宙域はかなり広く、ワールドからワールドまでは、自分でグミシップを操縦して移動しなければなりません(もちろん、一度着陸してしまえば後はワープ可能)。
そこら辺をうろついている敵とエンカウントすると、お馴染みのレールシューティングバトルが発生します。

宙域には、大量の経験値とグミブロックが取得できるトレジャースフィア、撮影すると設計図がもらえる星座、壊すとグミブロックや合成アイテムが取得できるクリスタルや小隕石といったものが、あちこちに配置されています。
一応、これらの寄り道要素をすべて無視して、ワールド間を最短で進むということも可能です。

初めは、なかなか面倒くさいものになったなあ、とネガティブな感想を持ちましたが、気づいたときには、トレジャースフィアを求めて放浪し、クリスタルを割り、星座を探し、とストーリーそっちのけでハマっている自分がいました。
探索するとぐんぐんレベルが上がり、レベルが上がるとより多くのグミブロックを使って船を作ることが出来るようになり、それにより探索が快適になっていく、というスパイラルにうまいことハマってしまったようです。

自分は結構楽しめましたが、今作のグミシップに関しては、はっきり好き嫌いが分かれるところだと思います。

ミニマップがスーパー不親切、ミニマップ上ではクリスタルの種類(水色なのか紫なのか)が判別できない、一度戦ったことがある敵なのかどうかが判別できない、というのが難点。

フィールド・やり込み要素など

今作はこれまでのシリーズ作品とは比べ物にならないくらい、フィールドが広大です。
これまではワールド内でエリアが細分化されていましたが、今作ではそれを全部つなげて更に広くした感じになっています(地形的に隔たりのあるエリアは別)。
当たり前ですが、それぞれのワールドはしっかりとした個性を持っているので、冒険していて楽しいです。
特にカリビアンのワールドにはビックリしました。

各ワールドでは、敵とのバトルだけでなく、宝箱探し、幸運のマーク(隠れミッキー)撮影、セブンプリンズとのミニゲームなど、あっちこっち探索しがい、やり込みがいがあります。
逆に、無駄に広くて面倒なだけ、と思う方も結構いると思います。
フィールドが広いためか、ワールド着陸時、エリア切替時、ミニゲームのリトライ時のロードがやや長めなのが、ちょっと不満に感じるところ。

フィールドが広大なのは個人的にいいんですが、マップが不親切すぎて困ります。
画面右上に表示されるミニマップだけで、全体を確認できるマップはありません。倍率を変更したりも出来ません。
回収した宝箱の位置が記録されないので、100%達成にはかなり骨が折れること間違いなし。
幸運のマークもある程度は見つけられますが取り逃しも多く、後々面倒だなと感じています。
ちなみに幸運のマーク撮影は、シークレットムービー解放の条件になっています。
難易度によって必要な撮影枚数が異なるようですが、詳細は不明(条件を満たしていると、シアターにシークレットが追加されます)。

ディズニーワールドには、セブンプリンセスならぬセブンプリンズというハートレスが出現します。
それぞれに異なるミニゲームが用意されていて、規定スコアに達すると報酬をくれます(何もくれない、食材1つ、アビリティ+食材の3段階)。
アビリティゲットのために必要なスコアが結構高めに設定されているので、やり応えがあって面白いです。

もちろん、セブンプリンズ以外のミニゲームも盛りだくさん。
レミーとの料理、ラプンツェルや住民とのダンスなど、各ワールドには何かしらのミニゲームがあります。
セブンプリンズ同様、なかなかやりごたえがあります。
個人的にはナンバリング恒例の100エーカーの森にも期待していたのですが、今作では変なおはじきパズルみたいなものしかなくて、心底がっかりしました。

また、ユニオンクロスでもプレイすることが出来た、いにしえのゲームを彷彿とさせるミニゲーム集「クラシックキングダム」は、今作ではなんと23種類ものミニゲームが搭載されています(ユニオンクロスでは5種)。

おわり

これでもかと言わんばかりに様々な要素が盛り込まれていて、(ストーリーに目をつぶれば)完結編にふさわしい出来だと感じました。
僕は、ストーリーがイマイチでもゲーム部分が面白ければそれでいい、と思っているタイプの人間なので、とても楽しめました。
逆にストーリー重視の方にとっては、ちょっとどうかな…という感じです。

ストーリーを進めつつ探索して、探索に疲れたらミニゲームして、グミシップで宙域をさまよって、またストーリーを進めて、という感じで、テイストの違う要素が上手く組み合わさっている、なかなかの良作なのでは。

あと、モバイルポータルを使って写真を取ることができるのですが、カメラを向けると仲間がリアクションを取ってくれる、というのが地味に感動しました。

長々と読んでいただきありがとうございました。

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