『シャドー・オブ・ナイト』話はよくわからないがとにかく血の量とエグさがすごい

The Night Comes for Us (2018)

原題:The Night Comes for  Us
監督・脚本:ティモ・ジャヤント
出演:ジョー・タスリム、イコ・ウワイス、アシャ・クニェリ・ベルムデス、ほか
上映時間:2時間
公開年:2018年

イコ・ウワイス主演の映画、『ヘッドショット』のティモ・ジャヤント監督が手がけるNetflix映画。
感想とちょっとした解説を書いていきます。

ある日少女の命を見逃したため、組織から追われる身になった元トライアッドのエリート殺し屋。

少女を守るため、残虐な闇社会を敵に回し、凄惨な闘いに身を投じる。

Netflix

以下、ガッツリネタバレしていますのでご注意

あらすじ

ゴールデン・トライアングル(タイ、ミャンマー、ラオス国境に位置する麻薬密造地帯)を拠点に麻薬・武器・人身売買を行い、アジアの密輸の8割を牛耳る犯罪組織”トライアッド”。
選ばれし身元不明の男女6人、通称”6つの大海”が率いる最強の精鋭部隊がトライアッドの密輸ルートの秩序を守っている。
ある日、村民の数人がトライアッドの麻薬を横流ししたというだけで、漁村の全員が見せしめのために皆殺しにされる。
皆殺しの任務にあたっていた”6つの大海”の1人であるイトーだったが、生き残りの少女レイナを救いトライアッドを裏切って姿を消す。
昔の仲間の助けを借り逃亡の手はずを整えるイトーだったが、裏切り者のヨハン一味、そしてトライアッドからの刺客との闘いで仲間は全滅。
イトー自身も満身創痍になってしまう。
果たしてイトーはレイナと共に、組織の刺客から逃げきることができるのだろうか…

キャラ紹介

イトー(ジョー・タスリム)
本作の主人公。
”6つの大海”の1人であったが、少女レイナを助け組織を裏切ったため、命を狙われることになる。
選ばれし殺し屋6人の1人のわりには弱く、何度も窮地に陥る。

『ザ・レイド』でマッド・ドッグにぶっ殺されたSWAT隊長のジャカ役をやっていた人。
『ワイルド・スピード/ユーロミッション』にも出演している。

レイナ(アシャ・クニェリ・ベルムデス)
イトーに命を救われた漁村の娘。

アリアン(イコ・ウワイス)
イトーと共にトライアッドに入った元ギャング仲間。
マカオのクラブを任されていたが、イトーの殺害任務に就くことになる。
終盤までずっとどっちつかずではっきりしないキャラ。

『レイド』シリーズでおなじみ我らがイコさん。
『スカイライン-奪還』や、ピーター・バーグ&マーク・ウォールバーグの新作『マイル22』、トニー・ジャー、タイガー・チェン、スコット・アドキンスらが共演するなかなかアツそうな『Triple Threat』、来年配信のNetflix新作ドラマ『Wu Assassins』と引っ張りだこ。

シンタ(サルヴィタ・デコルテ)
傷だらけのイトーが最初に助けを求めた女性。
イトーの元カノでファティの今カノ。

ファティ(アビマナ・アルヤスティア)
イトーの元ギャング仲間。
イトーとレイナのために力になってくれるいいヤツ。

ボビー(ザック・リー)
イトーの元ギャング仲間の狂戦士キャラ。
左足は義足。
仲間のために迷わず命を張れる、本作で一番かっこいいキャラ。

『レイド2』でウチョに喉をぶっ刺されて死んだ役をやっていた人。
『ヘッドショット』にも出演。

ウィスヌ(ディマス・アンガラ)
ファティのいとこ。
崇拝するイトーのために偽造パスポートを作ってくれる。
どことなくムロツヨシに似ている。

ヨハン(Revaldo)
元々はボビーの使い走りだったが、イトー&アリアン脱退後にギャングから金を奪い、今は精肉店を拠点に麻薬密売を取り仕切っているクズ。

チェン・ウー(サニー・パン)
アリアンに目をかけているトライアッドの中国人。
醸し出す胡散臭さがハンパじゃない。

『ヘッドショット』でラスボス役をやっていた人。

エレナ(Hannah Al Rashid)
イトーとレイナを殺すためにチェン・ウーが送り込んだ刺客。
まるで漫画のキャラのようなカッコよさを見せるククリ使い。
”ロータス”のNo.3。

アルマ(Dian Sastrowardoyo)
イトーとレイナを殺すためにチェン・ウーが送り込んだ刺客。
先端に重りをつけたワイヤーを武器として使う。
”ロータス”のNo.5。

オペレーター(ジュリー・エステル)
最後まで観ても正体がよく分からない謎の美人ライダー。
本作の最強キャラ。

『レイド2』のハンマーガールの人で、『ヘッドショット』にも出演。

感想

話が分かりにくい!

インドネシア語が聞き取れる人はそうでもないのかもしれませんが、本作は話や登場人物の立ち位置が非常に把握しづらいです。
もともと説明不足なところがあるうえに、日本語字幕は情報量が少ないし、日本語吹き替えにしていても一部の言語はそのままだったりするし。
僕は一度目を日本語字幕で観て、二度目を日本語吹き替え・英語字幕で観ました。

イトーがレイナを助けてから謎の美人ライダー(ジュリー・エステル)が登場する手前まではまあ理解できるのですが、それ以降が難解。
チェン・ウーは何者なのか、イトーとアリアンの間にこの3年で何があったのか、美人ライダーは何者なのか、なんでイトーはレイナを放置してアリアンとの決着を付けるため波止場に行ったのか、なんで美人ライダーは命を賭けてレイナを守ってくれるのか、全くよくわかりません。
イトーとアリアン、イトーと美人ライダーの会話はどうも噛み合ってないし。
美人ライダーは「”6つの大海”と”オールド・タイガー”に命を狙われてるわよ」と言うが、まず”6つの大海”の構成員が分からないのに、”オールド・タイガー”なんて新要素をぶち込んでくるなよ。とか思いました。
この後さらに”ロータス”とかいう新要素もぶっこんでくるし。
あらすじと冒頭の説明から、これはきっと”6つの大海”の残りの5人が次々やってきて戦う話だなとワクワクしていたら、結局最後まで誰が”6つの大海”なのかわからないし、”オールド・タイガー”も”ロータス”もよくわからないしで、全体的に消化不良でした。

2回観てなんとか理解した(と思う)ので、分かりにくいであろう部分だけざっと解説。

  • 3年前にボビーが麻薬密売に手を出したためイトー達のギャングはトライアッドに目をつけられたが、イトー&アリアンがトライアッドに加入することで見逃してもらった(なんでそれで見逃してもらえるのか理屈はよくわからないが)。
  • ボビーのパシリだったヨハンがギャングの金を持ち逃げして自らの麻薬ビジネスを立ち上げたため、ギャングは瓦解した。
  • イトーはトライアッドで頭角を現し”6つの大海”の1人になったが、アリアンはなれなかった。
  • 暗躍している胡散臭いおっさんチェン・ウーは”6つの大海”の1人(日本語字幕ではなぜかこの情報が省かれている)。
  • チェン・ウーの目的は、トライアッドのボスたちがジャカルタに来る前に、イトーとそのギャング仲間、そしてヨハンの麻薬組織を一掃することだった。
  • ヨハンの店でイトーが捕まったのは、チェン・ウーに買収されていた警官隊。
  • 謎の美人ライダーは”6つの大海”と”オールド・タイガー”からイトー殺害の依頼を受けた刺客(”オールド・タイガー”が誰なのかは謎)。
  • 美人ライダーが命がけでレイナを守ってくれたのは、おそらくイトーに感化され、イトー同様に殺しの道具としての運命を変えたかったから?
  • エレナとアルマが所属している”ロータス”は劇中で特に説明はないけど、おそらくチェン・ウー子飼いの女性だけで構成された精鋭部隊。

血!血!血!

アクションシーンでは、これでもかというぐらい大量に流血します。
また、鉄板で頭を叩き潰したり、手首が取れかかってブシュブシュ出血したり、手榴弾で肉片をぶちまけたり、とエグい殺傷描写が盛り沢山で面白いです。
と殺傷描写には大変満足なのですが、アクションシーン自体にはかなり不満がのこります。

『レイド』シリーズや『ヘッドショット』同様、近年ハリウッド映画(『アウトロー』や『ザ・コンサルタント』など)でも取り入れられている武術、シラットを使ったアクションはなかなかの迫力…と言いたいところですが、『レイド』シリーズほどではなく物足りません。
いいね!と思ったのは、アリアンがナイトクラブでクズ共をブチのめすシーンと、ファティとボビーが頑張るシーン、そしてジュリー・エステルが活躍するシーン全部。
逆にクライマックスのジョー・タスリムvsイコ・ウワイスのシーンは始めの方以降そうでもなかったのが残念。

物足りなさの原因の1つとしては、イトーが全然強くないということでしょう。
ザコ相手に傷を負いすぎ。
最強の殺し屋のはずなのに、そんなに苦戦してちゃあダメだろう。と思ってしまう。
あと主要キャラがタフすぎ。
まるで、最後の一発以外はノーダメージな格闘漫画のよう。
でもイトーが波止場に乗り込む前、タウンページを体に巻き付けるという3部の承太郎が如く防御力を上げる描写があったのは良かったと思いました。

また、1vs複数のシチュなのに、1vs1×複数みたいになっているのも残念。
『レイド2』では、雑魚はほぼ1~3発でKOというスピード感と、画面内に極力周りの奴を映さないという工夫で上手くごまかせていたが、本作では画面の内でも外でも雑魚がこちらに気を使って待ってくれている、というのがビシビシ伝わってきてなんだかなあ、という気持ちになってしまう。
20人ぐらいいる!と思ったら、次のシーンではなぜかめっちゃ人数が減ってたりするし。

そもそもの問題として、1つ1つのアクションシーンがムダに長い。
そのせいでテンポが非常に悪いし、ストーリーの描写はかなり不足している。
ワンカットで一連の動きを見せてくれるのはいいけど、適度にカットを入れるのも大事なんだな、と思いました。

おわり

ゴア描写周りはものすごく良かったんですが、アクションシーンは物足りないしストーリーは食い足りないしで、全体的にちょっと残念でした。
しかし、イトーとアリアンの友情を丁寧に描いてくれていたら、クライマックスで感動できただろうな、というぐらいのポテンシャルは感じました。

個人的には、監督の前作『ヘッドショット』のほうがオススメです。

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