『アクアマン』童心に帰って楽しめるDCEU最高傑作

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原題:Aquaman
監督:ジェームズ・ワン
原案・製作総指揮:ジェフ・ジョーンズ
出演:ジェイソン・モモア、アンバー・ハード、パトリック・ウィルソン、ほか
上映時間:2時間23分

『バットマンVSスーパーマン』『ジャスティス・リーグ』に登場したアクアマン/アーサー・カリーの初単独作品にして、DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)の第6作品目。
※DCEUは正式名称じゃないらしいですが

監督は『SAW』『死霊館』『ワイルド・スピード/スカイミッション』などを手がけたあのジェームズ・ワン。

あらすじ:
ある日、灯台守のトム・カーリー(テムエラ・モリソン)は、海岸に打ち上げられていた謎の女性アトランナ(ニコール・キッドマン)を発見する。
アトランナは、海底にある王国アトランティスの王との結婚を拒否し逃げてきたのだった。
恋に落ちたトムとアトランナの間に息子アーサーが生まれ、3人は幸せに暮らしていた。
しかし、裏切り者アトランナを連れ戻しにアトランティスから刺客が送り込まれた。
撃退に成功したものの、アトランティス軍の襲撃で2人が傷つくのを恐れたアトランナは、故郷のアトランティスへと帰っていった。
月日は経ち、アーサー(ジェイソン・モモア)は海の平和を守るアクアマンとして日夜海賊と戦っていた。
そんなある日、アトランティスの女王メラ(アンバー・ハード)から、アーサーの異父弟でありアトランティス王のオーム(パトリック・ウィルソン)が地上へ侵攻を開始しようとしていると聞かされる。
アーサーの、地上の世界を守るための戦いが始まろうとしていた…

Nicole Kidman, Dolph Lundgren, Willem Dafoe, Djimon Hounsou, Jason Momoa, Patrick Wilson, Amber Heard, and Yahya Abdul-Mateen II in Aquaman (2018)

内容とはあまり関係ないけど、このポスターは、ザ・アメコミ!って感じでめっちゃかっこいい。
このポスターを見た瞬間、おっ!これは成功するんじゃないか!と思いましたよ。

これまでDC・ワーナーは、ノーランのせいで辛気臭いヒーロー映画がウケると勘違いして&MCUの快進撃に焦って『マン・オブ・スティール』『バットマンVSスーパーマン』『スーサイド・スクワッド』と3連チャンでやらかしてしまった(そして「DCはMARVELと違ってダーク」なんて勘違いする人を大量に生み出してしまった)。

ヒーローのかっこよさにフォーカスした王道のヒーロー映画『ワンダーウーマン』と『アクアマン』が大好評・大ヒットしたので、今後は一旦クロスオーバーとかは意識せずに作品を作っていく方針にシフトチェンジしたらしいです(MCUが未開拓だった”女性ヒーローもの”と”海洋アドベンチャーもの”で成功したというのはデカい)。

これはとてもイイことだと思うので、今後のDCEUがめっちゃ楽しみです(ただ、次も『シャザム!』という王道系なので、そろそろダークなものも観たい)。あとDCユニバースのドラマ群も。
『マンオブスティール』公開時には、スーパーマンとバットマンが出てる映画はダメだけど、ワンダーウーマンとアクアマンの映画はめちゃくちゃいいものになるなんて、予想もしてなかったです。

アメリカでの興行収入は、全DC映画では第5位、DCEUでは第3位というまあまあなヒット(オープニング興収がDCEU歴代最下位だったことを考えると、内容がちゃんと評価されてじわじわヒットした感がある)。
しかし中国で異例の大ヒットを飛ばしたので、ワールドワイドではなんと全DC映画で歴代1位の記録を樹立。やったぜアクアマン!
早くも次回作の制作が決定したばかりか、スピンオフとして低予算ホラー『The Trench』も作られるらしいです。

おそらく今作の成功でパワーが増したジェフ・ジョーンズ氏が、MCUにおけるケヴィン・ファイギ的な存在になってこれからのDCEUを牽引してくれるに違いない。(『ワンダーウーマン1984』には脚本としても参加してるし、『グリーンランタンコーズ』も期待してます)

Jason Momoa in Aquaman (2018)

前置きが長くなってしまいましたが、今回の『アクアマン』、めちゃくちゃ面白かったです。
DCEU、というか全DC映画の中でトップです。次点が『バットマンリターンズ』か『ワンダーウーマン』かな。

何が良かったかって、まずなによりこれ以上ないぐらいわかりやすくて素直な王道ヒーロー映画だったということ。
最近は世界の情勢や社会問題を取り入れてるエンタメ作も多くなっている中で、いい意味でバカっぽいシンプルな面白さ。

でも、その王道ヒーローものに加えて、伝説の武器を求めて旅するというアドベンチャー要素、謎テクノロジーで栄えていろんな種族がいる海底世界というSF/ファンタジー要素、アーサー達がトレンチに追われるところのホラー要素、カラゼン出現後の怪獣映画要素、ともういろんな要素が盛り沢山。
ジェームズ・ワン氏、サービス精神が旺盛すぎます。
これだけてんこ盛りの要素を、1つの映画にまとめ上げてしまう手腕は凄まじい。 見所満載の超楽しい映画なのに、「中身がない」だの「内容がぺらぺら」だの言ってる人は、トレンチの餌になればいいのにと思います。

ヒーローの1作目って、第一幕をめいっぱい使ってヒーローのひととなりや力を得るに至ったand使いこなしていく過程を説明して、第二幕で調子乗り期からのヴィランに敗北、そして第三幕で勝利ってのがテンプレになってて、第一幕は正直面白くなかったりします。
しかし今作では、アバンタイトルで誕生を描いた後は、活躍や移動の合間に短めの回想でオリジンの説明を済ますという手法を取っていて、テンポ感がよかったです。

正直ストーリー自体は、『ソー』や『ブラックパンサー』でも観たことあるなって感じのもので、新しさは特にないです(ちなみに今作のベースになっているのは、アクアマンを一躍人気シリーズへと復権させたコミックス『The Trench』~『Throne of Atlantis』)。
新しさはないものの、アクアマンの人間としての、そして英雄として成長がしっかりと描かれていたので好感が持てました。
コミックスはもうちょい複雑な展開になっていて面白いのでそちらもオススメです。

さらにキャラクターがしっかりたっているというのもイイ。
アメコミ映画は、ストーリーや世界観よりも、まずそれぞれのキャラクターありきなので。
その点でも今作はほぼ満点。

アクアマンはもちろんのこと、状況次第ではアクアマンよりも強い赤毛美女メラは、アンバー・ハードのルックスを120%活かした、見た目の説得力がほとばしる良キャラ。
彼女がシチリアの町並みを物珍しそうに見たり、花食べたりするシーンがすげえ可愛かったです(『ワンダーウーマン』でダイアナが初めてロンドンに行った時といい、カルチャーショック受けるシーンってなんかいいですよね)。
普段は地味なおじさん役が多いパトリック・ウィルソンも、生真面目さと狂気を内に宿したオームというキャラを好演していました。

バルコ(ウィレム・デフォー)とネレウス(ドルフ・ラングレン)に関しては、ちょっと印象・役割が薄くて残念でしたが。
それにしても、ドルフ・ラングレンはこの前の『クリード2』といい、いい感じに年取っていてかっこいいです。
そもそもオームとバルコのキャラはコミックスとはちょっと違うんですが(個人的には、コミックス版のほうが好きです)。まあそれはそれでよし。
オーム、バルコ、ネレウスは今後も出番ありそう。

また、今作のもうひとりのヴィラン、ブラックマンタ。
彼のデザインに関しては賛否ありますが、僕は結構好きです。
アーサーのヒーローとしての精神が未熟だったせいで、復讐に身を捧げるブラックマンタというヴィランを生み出してしまい、それをアーサーが自覚するという作りになっていたのが非常に良かったです。
彼との決着はまだ付いておらず、次回作ではアトランティスに並々ならぬ執着を持っているシン博士とマンタがアクアマンの敵になる模様。

アメコミファンとしては、メラ、オーシャンマスター、ブラックマンタの原作再現度には感激。
そしてアクアマンがあのオレンジと緑のコスチュームで登場するシーンでは、もう感極まれり!って感じでした。

DCEUのアクアマンは上半身に全身タトゥーをしてます。
何でタトゥーをしてるかって言うと、そもそもモモア氏が前腕にタトゥーをいれてるからなんですが。
モモア氏に限らず、自前のタトゥーをしてる俳優って違う作品でも同じタトゥーが見えちゃって、そのタトゥーは見えないようにするかメイクで隠すかしろよ!と毎回思うんですよね。
その自前のタトゥーを生かして、作中では灯台守伝統のものという設定として使ってるのがすごくいいと思いました。

あとアメコミ映画では、ダサいと思われたくないのか何なのか、劇中でヒーロー/ヴィランネームが出てこない事が結構あって、自分で自分のネームを言うことはわりと珍しい。でも僕としては、ちゃんと言ってほしいと思っていて。
なので、アーサーもオームもちゃんと自分のヒーロー/ヴィランネームを言っていた今作はエライと思いました。
海の覇王<オーシャン・マスター>って響きがカッコいい。

そして今作の見どころはその圧倒的な世界観
序盤と終盤の舞台になる海中の世界の唯一無二感が本当にスゴい。
未知のテクノロジーで栄えた海底の大帝国が、大画面にバーン!と広がって大興奮でした(『ブラック・パンサー』でワカンダが出てきたときと似てます)。
アトランティスとネレウスの国は地上人と同じ見た目だけど、人魚王国や甲殻王国、退化してモンスター化した海溝、とそれぞれ異なる特徴を持った世界が広がってるのがすごくイイです。

それに、軍は海洋生物を乗り物として使ってるんですが、それの見た目もめちゃんこよくて(特に巨大なタツノオトシゴが)。
予告でもちょっと出てくる終盤の戦争シーンは超よかったです。
終盤の大決戦で”アレ”に乗って登場するアクアマンも、モササウルスに乗って暴れるオーシャンマスターも格好良すぎです。
そういえば、海中の世界が映画で出てきたのはスター・ウォーズのEP1以来な気がします(違うかもしれないけど)。

ちまたでは上映時間長すぎなんて声も聞きますが、この世界観がどストライクだった僕としては、次回作もまとめて5時間ぐらいでも余裕で観れる!という感じでしたよ。
とにかく楽しかったです。
終盤はもうテンションがあがりすぎて涙が出てくるぐらい。

そしてアクションシーンもめちゃくちゃイイ!
空間と動きの流れをキチンと見せつつ、アメコミ的なキメ絵カットも盛り込んだアクションシーンはどれも圧巻(特に、冒頭のニコール・キッドマン無双、シチリアでの立体並行チェイス、そしてド派手なラストバトル)。
あと「海洋生物を従えることが出来る」というアクアマン唯一無二の能力をこんなにかっこよく描いてくれたことに、もう感謝感激です。

こんな感じで今作は、キャラよし、世界観よし、アクションよしの、文句なしの娯楽超傑作でした。
DCEUはヘンリー・カヴィルがスーパーマン引退か?とか、ベン・アフレックはバットマン引退確定とか、まだちょっとごたついてる感はあるけど、MCUから追放されたジェームズ・ガン氏が『スーサイド・スクワッド』の監督に就任したらしいし、やっとDCEUに追い風吹いてきた感があります。
コミックスはDC派の僕としては、本当に嬉しい限りです。
この調子で頼みます!

3月は『スパイダーマン:スパイダーバース』『キャプテン・マーベル』
4月は『シャザム!』『アベンジャーズ/エンドゲーム』
とちょっと短いスパンにぶち込みすぎ。
アメコミコンテンツが増えすぎてるんで、映画は2ヶ月に1本ぐらいがちょうどいいのにな、と思う今日このごろでした。

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