『ブラック・パンサー』 シビル・ウォーよりシビル・ウォーな信念のぶつかり合い

スポンサーリンク

f:id:b9msr3:20180302091642p:plain

原題:Black Panther

監督:ライアン・クーグラー

出演:チャドウィック・ボーズマン、マイケル・B・ジョーダン、ルピタ・ニョンゴ、ほか

上映時間:2時間14分

公開年:2018年

 

他の追随を許さない世界観の構築力によってヒット作を連発し、現在ハリウッドの覇権を握っているMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の最新作にして第18作品目。

『キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー』で初登場かつ最もかっこよかったヒーロー、ブラック・パンサー/ティ・チャラの単独映画です。

監督は、傑作『クリード』を手がけたライアン・クーグラー。

アメリカではかなりの大ヒットをとばしていて、はやくもMCUの中で歴代3位という興収を達成。公開初週の興収はなんと歴代1位。

日本ではあまりヒットしなそうなのが残念ですが、全体的にクオリティの高いMCUの中でも上位に食い込む傑作でした。

見せ場のシーンでは画面が拡大するので、断然IMAXでの鑑賞がオススメです。

ワカンダ人の英語アクセントがかっちょいいので、ぜひとも字幕版で。

アフリカのどこかにある王制国家ワカンダ。

発展途上の農業国として知られているが、その実態は、宇宙から飛来した鉱物ヴィブラニウムによって独自の発展を遂げた、最先端技術を有する国であった。

技術が悪用されることを恐れ、外界からその存在を秘匿していたのだ。

UN会議爆破事件によって王であった父を失い、王位を継ぐこととなったティ・チャラ/ブラック・パンサー(チャドウィック・ボーズマン)。

彼が王になって初めての任務は、かつてワカンダからヴィブラニウムを盗み出したユリシーズ・クロウ(アンディ・サーキス)の捕縛であった。

壮絶なチェイスを繰り広げた末に、クロウを捕らえたティ・チャラ達だったが、クロウの仲間の襲撃に合い、逃げられてしまう。

クロウの仲間の中には、ティ・チャラの祖父のリングを身につけた謎の男キルモンガー(マイケル・B・ジョーダン)の姿があった…という感じのお話。

 

まず最初に書いておきたいのは、『キャプテン・アメリカ:シビル・ウォー』は必ず観て、ということ。

今作は『シビル・ウォー』直後の話であり、『シビル・ウォー』にてティ・チャラは父を殺されたが、復讐に飲み込まれなかった男であるというのが描かれています。そしてそれが、今作のヴィランであるキルモンガーとの対比にもなっているからです。

父の死を乗り越えたティ・チャラが、ワカンダの守護神ブラック・パンサーとして、国王として、この国をどうやって導いていくのか、というのが、欺瞞や傍観、排他的な思考といった現実にもある問題と、キルモンガーとの対峙を通してしっかりと描かれています。

王の息子としてワカンダでまっすぐ育ったティ・チャラに対して、差別、貧困、暴力、といった現代社会の負の側面を一身に受けたようなキルモンガーのキャラ設定が泣けます。

彼の主張は過激ながらも、虐げられてきた同胞のためを思った行動であり頭ごなしに否定はできない。

状況が違えば、2人で力を合わせてワカンダを、世界をより良く出来たのかもしれない、と思うと悲しくもあります。

MCUだけでなく、アメコミ映画はヴィランに魅力があまりないものが多いけど、今回はすごくよかったですね。

ロキ、ヴァルチャーに並ぶ良キャラ。

にしても、『ファンタスティック・フォー』でヒューマン・トーチを演じた2人がどっちもMCUに出演ってのが可笑しい。

元恋人でありスパイとして世界を見ているナキア、ティ・チャラの妹で超優秀な技術担当であるシュリ、王国に仕える親衛隊のオコエ、CIA捜査官のロスなど、脇を固めるサイドキャラもみんな魅力的。

僕は特にクロウ役のアンディ・サーキスが素顔で出演した上にいい味を出していて嬉しかったです。

彼は『エイジ・オブ・ウルトロン』でウルトロンに腕をもがれた人ですが、みんな覚えてますかね?

ワカンダは未来的な技術を有しながらも、自分たちのルーツというか、古来からの伝統の上に成り立っている国家である、というのが見事に表現されています。

衣装や儀式、音楽にいたるまで、文化・伝統を重んじる姿勢を感じることができます。

アフリカ文化の伝統と、アフロフューチャリズム的なものが融合して、独特のカッコよさを醸し出していてすごくよかったです。

また、アフリカンな打楽器や雄叫びのようなものもミックスしたBGM、ケンドリック・ラマーの手がけた楽曲を含むサントラがめちゃくちゃかっこいいですね。

特に裏カジノで流れる↓の曲が好きです。

youtu.be

今作におけるワカンダの設定は、ディズニー映画『トゥモローランド』の設定にかなり似ています。

が、選民思想的な不快さのあるオチをつけた『トゥモローランド』とは対照的に、差別や不寛容、傍観といったものがなくなれば世界はより良くなる、という誠実で真っ当なメッセージを打ち出してきたので、なんだかすごく心に響く感じがしました。

ほとんどのスーパーヒーロー映画は、悪者を倒してめでたし、というところで終わってしまいますが、今作では、そこから一歩先に、世界をよりよくするために立ち上がるというところまで進めており、新たなヒーロー像の確立にも成功していました。

近年ポリコレ意識が高まっているアメリカで大ヒットするのも納得。

現実が抱える貧困や差別、戦争、不寛容といった問題、政治的、文化的な側面、新たなヒーロー像の確立、現実的で真っ当なメッセージ性、強い女性像、などなどあらゆる要素を内包しており、単なるスーパーヒーロー映画の枠に留まらない素晴らしいエンタメ作品となっていたのではないかと思います。

『ウィンター・ソルジャー』に次ぐ傑作と評されるのも分かります。

個人的には、前半にある裏カジノの長回し風アクション、からのカーチェイスが最高すぎて、クライマックスの見せ場がちょっと物足りなかったな、とは思いましたが、傑作であるのは間違いないです。

『クリード』でもクライマックスより前半のファイトシーンの方がかっこよかったので、ライアン・クーグラーは前半はアクション、後半はドラマで盛り上げるという作風の監督なのかもしれません。

彼はまだ31歳!ということで今後もすごい映画をバンバン撮っていってほしいですね。

マイケル・B・ジョーダン×ライアン・クーグラーのコンビのこれからがすごく楽しみです。なんだかトム・クルーズ×クリストファー・マッカリーのコンビのような最強感を感じます。

僕の中では『ウィンター・ソルジャー』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.2』、『シビル・ウォー』の次ぐらいに好きです。

次はいよいよ『インフィニティ・ウォー』!日本では4月29日公開です。

予告編でチラ見せしていた、アイアンマンのブリーディング・エッジ的な新スーツは、ワカンダの技術提供によるものなのか?

『シビル・ウォー』で脊髄を損傷したローディは、ワカンダの治療によって回復するのでは?(予告編ではワカンダのシーンでキャップ達とともにウォーマシーンの姿が映っているので多分そう)

ポストクレジットで出てきたバッキーは洗脳が完全に解けたようでしたが、キャップ達はどこにいたのか?

今作で出ると思っていた最後のインフィニティ・ストーンはどこにあるのか?

など想像を膨らませながら公開を楽しみにしています。

MCU映画
スポンサーリンク
関連コンテンツ
えむをフォローする
スポンサーリンク
えむ'sブログ

コメント

スポンサーリンク