
原題:The Equalizer 2
監督:アントワーン・フークア
出演:デンゼル・ワシントン、ペドロ・パスカル、アシュトン・サンダース、ほか
上映時間:2時間1分
元CIAエージェントで超絶ナイスガイのロバート・マッコールさん(デンゼル・ワシントン)が、クソ野郎共に正義の鉄槌を食らわせていく『イコライザー』の第二弾。
イスタンブールへ向かう列車。
そこにはマッコールさんの姿があった。
男の後を追って食堂車へと向かうマッコールさん。
旅行ではなく、やはり悪党を懲らしめるために出向いてきたようだ。
海外であっても、自ら持参したティーバッグでお茶を飲む、というルーティンは変わらないというのがマッコールさんらしくて良い。
食堂車にいたチンピラを瞬く間に瞬殺し、リーダー格の男に大人しく反省して誘拐した女の子を渡すか、報いを受けるか選べと詰め寄る。
大体の場合、一度は悪党にもチャンスを与えてあげる、というのが単なるナイスガイぶりを披露するだけのものではなく、ちゃんと後の展開のフリになっている。
それにしても、誘拐された女の子を助けるためにわざわざトルコまで出向くとは、何たるナイスガイ。
前作ではホームセンターで働いていたマッコールさんだが、今作ではLyftのドライバーとして働きながら暮らしている。
有名な肖像画が自分の姉だと主張している老人サムの話を聞いてあげたり、暴行された女性の仇をとってあげたり、困っている人を放ってはおけない性格、というのがにじみ出ていている。
やはりナイスガイ。
冒頭で助けに行った女の子も、通っていた本屋の娘さんだった。
高級マンションにいたクソどもをブチのめすスカッとするシーンはあるけど、前半はマッコールさんがどういう人柄なのかというのが、Lyftドライバーとしての業務と日常生活、そして絵描きを目指しているちょい不良少年マイルズくんとの会話などで描かれていくので、これと言ってアガるシーンは無い。
だけどそれが良い。
そもそもどんな敵が来ようがマッコールさんの前では無力、というのが既に前作で分かっているので、キャラを掘り下げてマッコールさんの魅力に更に磨きをかけるという本作の方向性は理にかなっている。
また、一般人と接するときはすごく優しいナイスガイ顔をしているのに、悪党と退治するときは途端に死んだ目になる、というギャップが良い。
CIAの協力者が自殺した件を調査するため、マッコールさんの良き理解者兼友人であるスーザン(メリッサ・レオ)とデイヴ(ペドロ・パスカル)がベルギーに向かう。
スーザンは、どうも自殺ではなく他殺のようだと疑念を抱くが、宿泊先のホテルで何故か金目当てで襲撃してきたチンピラに殺されてしまう。
このスーザンが襲撃されるシーンは、痛々しさが伝わってきてよかった。
普通、男でも2体1じゃ勝てないので、マッコールさんがどれだけ強いのかがわかる良シーン。
友人の死に動揺するマッコールさん。
普段感情を表に出さず、何事にも動じないマッコールさんが…!とちょっとびっくりする。
CIA時代のチームメンバーでもあったデイヴに接触し、スーザンを殺した犯人を突き止めるために協力を請う。
ホテルの監視カメラからスーザンを襲ったとみられるチンピラを突き止めるが、彼らは爆破事故で死亡した事がわかる(後始末のために爆破して殺すって逆に目立って良くないと思うんだけど)。
ベルギーで起きたCIAの協力者が殺害された事件とスーザンが殺害された事件を精査し、Lyftの乗客を装った刺客をぶっ殺し、ついに実行犯の正体にたどり着いたマッコールさん。
「お前ら全員を殺す。一度しか殺せないのが残念だ。」
スーザンを殺した奴らとの死闘が幕を開ける…という感じのお話。
上でも書きましたが、本作は全体的にマッコールさんの内面を掘り下げるシーンが多いため、ハイペースなアクション映画を期待しているとがっかりするかもしれないです。
マッコールさんというキャラが好きなので、僕はめちゃくちゃ楽しめました。
終盤、自らのテリトリーに敵をおびき寄せひとりひとり殺していくシーンもよかったですが、それよりも道を踏み外しそうになるマイルズくんを助け出すシーンが最高でした。
あと、アイツの家の前でにこやかに敵と会話するシーンも良かったです。
巨大なロシアン・マフィアを壊滅させた前作に比べるとスケールが小さくなっている感じがしますが、マッコールさん個人の物語という意味では純度が上がっているのでこれはこれで良し!
中盤辺りからどんどん天候が悪化していき、最終的に嵐の中戦うことになる。
この天候の変化がマッコールさんが内に秘めている感情とリンクしている感じがすごく良かったです。
なんだかスッキリした終わり方だったので続編はあるのかわからないけど、個人的には続編希望。
前作と同じくらいヒットしたみたいなので作ろうと思えば作れるだろうし、アイツらに司令を出していた人物or組織は明らかになっていないしね。
それにしても、アイツの残された家族は今後どうしていくのだろうか…
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