『EXOPRIMAL』のレビュー:なんだかんだで好きだけど。

カプコンの新作『EXOPRIMAL』のストーリーをクリアしたので、とりあえずレビューを投下しておきます。

  • 使用ハード:Xbox Series X
  • プレイ時間:約30時間
  • プレイヤーレベル:68
  • 達成実績:35/39

褒めポイント

カッコいいエグゾスーツ

登場するエグゾスーツのデザインはどれも個性的でカッコいいです。
お気に入りはゼファーとムラサメ。

どのスーツも武器やスキルが固有なので、例え同じロールであってもスーツに合わせて戦い方を変える必要があるようになっているのも良いと思います。

こういったキャラゲーの場合、同ロール内で性能差が付いてしまうこともありますが、各スーツには得意な状況・苦手な状況が明確に設定されているため、使いこなせればどのスーツでも活躍できるようになっている点も素晴らしいです。

噛めば噛むほど味が出てくる

通常ミッション「ディノサバイバル」は、毎試合ごとにミッションとマップの組み合わせが変わります。
そして、出現する敵・ミッション内容・マップの組み合わせは、ストーリーの進行状況に応じて増えていく作りになっているので、遊べば遊ぶほど楽しくなっていきます

とくに、とんでもない量の恐竜がドワーッと降ってくるミッションは必見。

はじめのうちは出てくる恐竜がラプトル・プテラノドン・カルノタウルスだけで物足りなさを感じますが、前方からの攻撃にめっぽう強いトリケラトプス、ワンパンでぶっ殺してくるティラノサウルス、こちらのスキルを封じてくるステゴサウルス、遠距離から追尾弾をぶっ放してくるスナイパー・ネオソーなど、対処法が異なる敵や早めに対処しないとヤバい敵が増えてきて、より白熱した戦いが楽しめるようになります。

極稀に遊べるレイドミッション

通常のミッションも楽しいのですが、ストーリー進行で発生するレイドミッションはすごく楽しいです(とくにラスボス戦)。
もう全ミッションこれで良くね?と思うぐらい。

通常ミッションとは違ってPvP要素が排除され、参加した10人全員で協力しながら、巨大ボスの討伐もしくは、恐竜の大群を捌きながら特定の敵種の討伐を目指します。
とくに後者では出現する恐竜の数がハンパではなく、EDFに近いワチャワチャ感があってなかなか良いです。

ただし、レイドミッションの発生率はかなり低く種類も少ないうえに、途中のカットシーンはスキップできないなど難点もあります。

10人全員で協力するPvEだけのモードをはやく実装するんだカプコン!

※5人で挑戦するPvEモードは実装予定

ダメポイント

爽快感が薄い

銃撃にしろ近接攻撃にしろ、敵にヒットしてもヒットマークが出るだけで手応えが無いので、広範囲の恐竜をぶっ飛ばせる一部のスキル以外は爽快感が薄いです。

トリケラトプスやティラノサウルスみたいな超タフな敵との戦闘は、豆鉄砲でペチペチやっているみたい。

設定が活かせてないストーリー

序盤に出てくるマグナムというキャラを除けば、プレイヤーが所属しているチーム以外のキャラが全くと言っていいほど出てこないので、終盤の展開以外でタイムトラベルとマルチバースという設定があまり活かせてません。

ストーリーの進行はほとんどの部分がテキストと音声だけなので面白みに欠けますし、1試合で1ミリ進むというようなテンポ感も良くないです(ストーリークリアまでに56回も試合しました)。

ゲームモードが1つだけ

現時点で選べるゲームモードは「ディノサバイバル」の1つだけです。
これってもう製品版ですよね?有料βテストでしたっけ?
一応、PvP優先モードとPvE優先モードがありますが、内容はほとんど一緒。

ゲームモードが1つのわりにはバリエーションが豊富ではあるのですが、最低でもストーリー専用モード・PvE特化モード・PvP特化モードぐらいは実装しておくべきだったんじゃないですかね。

上述した通り遊べば遊ぶほど楽しくなっていく一方で、ミッション・マップが増えていく前の序盤部分が長すぎるのも大きな問題。

インチキなクイズ番組みたいなゲームルール

ディノサバイバルは、前半部分と後半部分(ファイナルミッション)で構成されています。
前半部分は要所要所で湧いて出てくる恐竜を倒すPvE。
後半部分はPvEモードとPvPモードで異なる内容で、前者では前半部分の延長戦、後者では敵チームとの対決ありのオブジェクティブルールになっています。
※ただし、PvEモードであっても敵プレイヤーが操る恐竜による妨害があります。

どちらの部分でも、並行して同じミッションに挑んでいる敵チームとの競争になるので、純粋にPvEだけを楽しみたい人にはこのゲームは向いていません
感覚としては、『Destiny 2 』のギャンビットに近いかと思います。

βテストの時点で散々指摘されていましたが、このゲームルールの問題点は「前半部分の結果は無意味で、ファイナルミッションの結果だけで勝敗が決まる」ということ。

前半で遅れを取ったチームには妨害アイテムが早く出現するため、妨害手段がそれしかないPvEモードではほんの僅かにリードしていると逆に不利になる場合があるとか、リスポーンタイマーがクソ長いので先にチームキルしたほうがほぼ勝ち確とか、前半部分でのリードがあまり意味をなさないようなバランスになっているので、前半部分は時間の無駄に思えてきます。
萎え抜け防止のための調整というのは分かりますが、だったら尚更前半部分はいらないのでは。

ことあるごとに「敵チームより速いよ/遅いよ」というAIからの煽りがあってウザいのもイマイチ(うんざりしたのでAIのボイス音量はゼロにしました)。

でも、めっちゃリードされててもう負ける!と思ってたのに逆転勝利できた時はすごく嬉しいしクセになります

ロール選択がオーバーウォッチのオープンキューシステム

はじめからロール固定のマッチングで良かったのでは?

アサルト3・タンク1・サポート1の編成になることがほとんどですし、準備フェーズで互いに空気を読みあった結果、みんなが着替えまくってなかなかロールが決まらないこともザラにあります。

スッカスカな無料分のバトルパス

バトルパスは50レベルまでありますが、無料分の報酬は5レベルにつき1つというスカスカ具合。

報酬の内容も、エモートがちょっと、プレイ中は一切見えないデカールがちょっと、スーツ用のスキンが1つだけ(しかもただの色違い)、通貨は一切無し、というもので残念極まりないです。
※スキン等の購入に使える通貨はプレイヤーおよびスーツのレベルを上げると貰えますが、プレミアムパスを含む有料コンテンツはリアルマネー以外では購入できません

モジュールが微妙

スーツごとにレベルが設定されていて、一定のレベルになるごとにモジュールがアンロックされます。

モジュールを装備することによってスキルが強化されたり性質が変わったりするため、スーツを使えば使うほど強くなれるというシステムになっている…かと思いきや、目に見えて変化が分かるごく一部のモジュールを除けば、どれを装備してもそれほど大きな違いはありません。

専用モジュール無しのスーツで戦ってもスコアで大きな遅れを取ることはありませんし、逆にマックスまで強化した専用モジュールを揃えているスーツで戦ってもめちゃくちゃ強くなった感じはしません。

PvP向けにもバランスを取らなきゃいけないからなんでしょうけど、はっきり言ってモジュールの効果が地味すぎるので、レベル上げのモチベが保てないのが現状。

エンドコンテンツがない

現時点では、ストーリークリア後はレベル上げぐらいしか特にやることがありません。

エンドコンテンツであるPvE専用モード「サベージガントレット」の実装は7月28日、10種のバリアントαスーツの追加は8月16日となっているので、それまでには興味を失っていそうな予感がします。

おわり

他にも、コントローラーでの操作性がクソすぎるUI、マッチングから試合開始までが長すぎ、ハンガーメニューでスキルの説明が見れない、などなど文句は尽きません。

文句たらたらなのについ遊んでしまうぐらいには面白いと思っていますが、他人に勧められるか?と聞かれたら返答に困ってしまう、そんなゲーム。

やんわりとした協力プレイと競技性が低めの対戦プレイの両立を目指したゲームというのは伝わるし面白いところは面白いけど、どうにも中途半端な部分が多いのでもったいない。

エンドコンテンツの追加やバリアントスーツの追加、スト6・モンハンとのコラボはなんだかんだで楽しみではあるのですが、果たしてそれまでにどれだけの人が残っているのでしょうか。

頑張れカプコン。

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