『ホロウナイト(Hollow Knight)』の評価・感想。かわいいふりして難しいコスパ最強のメトロイドヴァニア

これまでインディーゲームは食わず嫌いでやっていなかったのですが、本作はかなり評価が高いし、eショップでセール対象だったのでなんとなく買ってみたところ…

本作はメトロイドヴァニアタイプの2Dアクションアドベンチャー。
針による近接攻撃、ジャンプ、魔法、ダッシュ等を駆使して、広大なダンジョンを探索し、敵を倒し、滅びゆくムシたちの王国「ホロウネスト」に隠された秘密を解き明かしていきます。

秘密を解き明かしていくと言っても、一本道の分かりやすいストーリーが用意されているわけではありません。
プレイヤーキャラの出自や冒険の目的などは明示されず、各地にいる個性豊かなキャラクターたちとの会話や、遺物などから得られる断片的な情報によって語られていきます(語られ方、内容ともにソウルシリーズから多大な影響を受けていると思われます)。
情報をつなぎ合わせたり、考察したりするのが好きという方にはたまらないものがあるかもしれません。
そういうのはあんまり…という方でもご安心を。ゲームプレイ部分の出来が素晴らしいので、ただ漫然とプレイしているだけでも楽しめます。
僕はと言えば、大筋はなんとなく掴めたものの、よく分からない部分もかなりあったので、FandomのWikiやRedditなどの考察を読んで補完しました。

登場キャラは敵味方ともにムシたちですが、かなり可愛くデフォルメされているので、僕のようにあまり虫が好きではない人でも大丈夫だと思います。
アニメーション、BGMも素晴らしい出来だと思いました。

ゲーム開始時は近接攻撃とジャンプという基本的なアクションしか出来ませんが、ゲームを進めていくと、ダッシュや二段ジャンプといった新たなアクションを習得でき、それによって探索できるエリアが増えていきます。
探索し尽くしたと思っていたエリアでも、攻撃したら壊れる壁があったり、新アクションにより新たな道が開けることもあります。
行く先々で体力などの基本ステータスを上げられるアイテムや チャーム(特殊な効果を発揮できる装備品)を入手できたり、近接技や魔法の強化版を習得できたりといった要素もあり、探索しがいのあるマップが広がっています。

プレイヤーの行く手には、様々な種類の雑魚敵や、触れるとダメージを受け手前に戻されてしまうトゲトゲ床といったトラップ、そして強力なボスが立ちはだかります。
ゲームの難易度は、個人的には結構高めに感じました。
高いと言っても、もうストレスでハゲそう…というところまでは行かず、トライ・アンド・エラーでなんとか突破してやるぞ!と感じさせる絶妙なバランス( 個人差があるので一概には言えませんが )。
レベルという概念がないので頼れるのは自分の腕だけですが(一応、体力等の上限値を上昇させる収集アイテムは存在します)、そのぶん難所を突破できたときの達成感もひとしお。

ボス戦での緊張感は、ソウルシリーズに匹敵、いやそれ以上かもしれません。
近接攻撃と、ソウル(いわゆるMP)を消費する魔法攻撃、道中で培ってきた移動スキルを総動員して戦うことになります。
体力を回復するには時間がかかるため、ボス戦では回復するひまがほとんどありません。その上、ソウルは基本的に敵を攻撃しないと貯まらないようになっているため、積極的に攻撃し、かつ被弾は最小限に抑えることが求められます。
何回も倒され、敵の行動を観察し、敵の攻撃をかいくぐり、ついに倒すことが出来たときは思わずガッツポーズをしてしまう、なんてことがしょっちゅうありました。
最初はこれ無理やろ…と思えた敵でも、近接主体から魔法主体に切り替えたらあっさりクリアできたりすることもあります(その逆もしかり)。

死んでしまうと、そこまでで入手したお金をその場に残し、直前に座ったベンチに戻されます(ソウルシリーズに似たシステム)。
死んだ地点には「影」が登場し、その影を倒せばお金を回収できますが、倒す前に再度死んでしまうとお金はゼロになってしまいます。また、影を回収していない状態では、ソウルが減少した状態になるので、すこし難易度が上がります。
このため、ボス戦前の道中でも一切気が抜けません。
ちなみにアイテムと引き換えに影を簡単に回収できる方法も用意されています。

2周目のエンディングに到達するには「白い宮殿」というアスレチックダンジョンをクリアする必要があるのですが、このダンジョンが鬼のように難しかったです。
回転ノコや針山の間を、縫うように進んでいく必要があり(当たるとちょっと前に戻されてしまう)、何度も投げ出しそうになりました。達成感というよりも徒労感のほうが大きかったような。
「ハイヴの血」という体力回復チャームが無かったら諦めていたかもしれません。
ちなみにこのダンジョンの中には、さらに難しい「苦痛の道」なる隠しルートも用意されているのですが、そっちは諦めました。

単純に僕が下手なだけかもしれませんが、 心が折れてしまうプレイヤーも出るのでは?と思ってしまうほど難しかったです。
どうも正確なジャンプとダッシュ操作が苦手で、ラスボス「ラディアンス」にも相当苦戦しました(おかげで1周目はかなり苦戦したホロウナイトは雑魚と化しました)。

気になった点としては、奥地まで探索しに行くと、帰りが面倒に感じてしまうときがあるという点。ファストトラベル地点はところどころに配置されているのですが、行くのが面倒なエリアもあります。
ただ、ポーズメニューからゲームを終了すると、進行を引き継いだまま最後に座ったベンチに戻れる、という仕様に気がついてからは、そこもあまり気にならなくなりましたが。

クリアには、1周目のエンディングまで26時間、2周目の真エンディングまでは追加で10時間ちょい、トータルで約37時間でした。
無料DLCによる追加コンテンツが残っているので、まだまだ遊べそうです。

総評としては、やりごたえ満点の素晴らしいアクションゲームでした。
手応えのあるアクションゲーム、達成感を味わえるアクションゲームを求めている方にはぜひともおすすめです!

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