キアヌ・リーブスが演じる元最強の殺し屋、ジョン・ウィックの逃走&闘争を描いたシリーズ最新作『ジョン・ウィック:パラベラム』を観てきたのでざっくり感想を。

原題 | John Wick: Chapter 3 – Parabellum |
監督 | チャド・スタエルスキ |
脚本 | デレク・コルスタッド |
出演 | キアヌ・リーブス、ハル・ベリー、イアン・マクシェーン、ほか |
上映時間 | 2時間11分 |
殺し屋世界に再び引き戻されることになってしまった元最強の殺し屋ジョン・ウィック。
犬を殺され車を奪われ家を破壊されたジョンは、暴力禁止の聖域コンチネンタル・ホテルで、裏の世界を統括する主席連合”ハイテーブル”の1人であるサンティーノを殺してしまう。
主席連合に歯向かった罰として1400万の懸賞金をかけられたジョンは、世界各地の殺し屋から命を狙われることになってしまった。
さらに、ジョン・ウィックの復讐に協力した者の処分を言い渡す裁定人も暗躍し、事態は混迷を深めていく…
近接格闘術と銃撃を組み合わせたガン・フーによるエクストリームなアクションがメインとなる本シリーズ。
『2』ではカー・フー、ナイ・フー、ペン・フーといったアクションが登場しましたが、『パラベラム』ではさらにさらに、本・フー、馬・フー、犬・フー、バイク・フー、ベルト・フー、刀・フーと、アクションのバリエーションがこれでもか!というぐらいにドカ盛りです。
僕はその中でも特に犬・フーが好きでした。ワンちゃんスゲえ…!と感激しっぱなしでした。
次はどんなアクションが繰り出されるのかが気になって、前のめりでワクワクしてしまうほどサービス精神旺盛な作り。
あらゆるものを駆使して刺客を排除していくジョンのアクションを観ているだけで、ニヤニヤが止まりませんでした!
メインどころでアクションをしているキアヌ、ハル・ベリー、マーク・ダカスコス、ヤヤン・ルヒアンがみな50歳を超えているというのは驚き。
特にハル・ベリーがあの美しさで53歳ってのは信じられません。ガチの不老。
ジョンを狙う殺し屋ゼロ(マーク・ダカスコス)の弟子であり、ヤヤンさんとタッグで登場するCecepさん(『レイド2』で最強の刺客を演じていた人)も47歳と、殺し屋世界も現実世界と同様に高齢化しているというのが可笑しい。
エクストリームなアクションがさらに究まった本作。
いい意味でやりすぎなくらい暴力描写にかなり気合が入っていますが(スラッグ弾を装填したショットガンで、頭が半分吹き飛んだりします!)、ここまでやるともうスラップスティックコメディと紙一重のところまできているな、と感じました。
思わず笑ってしまうところも多々あり、次回作は一体どうなってしまうのか見当がつきません。
ジョンが不死身すぎるのも可笑しかったです。
アクションはリアルでありながら、世界観や設定は非常に漫画的というところから生じるギャップもまた本シリーズの魅力。
裏の世界の共通通貨である謎コイン、いかなる状況下でも殺しはご法度な”聖域”コンチネンタルホテル、殺し屋とのエンカウント率が異常に高い世界、やけにセクシーなオペレーターなどなど、妙ちくりんだけどカッコいい世界が今作でもたっぷり堪能できました。
すれ違った人から、ホームレス、タクシードライバー、ストリートミュージシャンまで、あらゆる人間が殺し屋であり、安全な場所などどこにもない!という緊迫感は前作とも共通する面白さ。
ちなみに、コンチネンタルホテルを舞台にしたスピンオフドラマが21年に放映されるそうです(一作目の前日譚らしい)。
銃器の扱いに関してフェティッシュさをビンビンに感じるのも本シリーズの特徴。
これほどまでにリロードアクションをバッチリ見せてくれる映画は他にありません(多分)。
個人的には、序盤で逃げ込んだ銃器店?でリボルバーを一旦分解し、シリンダーを交換する場面がめちゃくちゃよかったです。あんなシーン、今までに観たことないです。
ほぼ文句なしのサイコーな作品でしたが、格闘をする際のキアヌの動きがやや重いため、相手が手加減してるみたいに見えなくもない、というのはちょっと残念に感じました。
あと、日本語が喋れない人に無理やり日本語を喋らせるのはやめたほうがいいと思いました(でもあの珍妙な寿司屋のシーンはバカっぽくて好きです)。
面白さもアクションの過激さも興行収入も、全て右肩上がりという珍しいシリーズなので、これからも期待しています!
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