『Marvel’s Avengers』のレビュー。アクションだけは面白いけど現時点ではいろいろとダメすぎるゲーム(つまりほぼ『Anthem』)

『Marvel’s Avengers』のレビューをお届けします。

『Marvel’s Avengers』は、『Destiny』や『Anthem』といったゲームによく似た、ルーターシューター系ライブサービスゲーム(本作は近接戦闘がメインなので、ルーターブロウラーとでも言うべきか)。

まず結論から述べておくと、現時点では全くおすすめできない残念なゲームです。

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爽快なスーパーヒーローアクション(レベルMAXまで育てれば)

本作で気に入った部分は、ヒーローそれぞれのパワーを活かした爽快感のあるアクション(ただし、後述する欠点のせいでその爽快感も損なわれているのですが)。

全てのキャラの基本操作は同じですが(弱・強攻撃、遠距離攻撃、回避、パリィ、3種のアビリティ)、当然それぞれのキャラに固有のアクションが用意されています。

伸びる手足をブン回して戦うカマラ、敵を掴んで暴れまわるハルク、飛行しながら攻撃できるアイアンマン、高い機動力と銃器で翻弄するウィドウ、自慢のハンマーと雷で敵を蹴散らすソー、敵から敵へと跳ね返る物理法則を無視したシールドで攻撃するキャップと、各キャラの個性がしっかりとアクションに活かされています。

各モーション、アクションの手応えはしっかりしていて、中にはMCUからの影響を色濃く感じるものもあり、MARVELファンとしてはかなり満足のいくものになっています。

本作には、基本アクションのバリエーションを増やす「プライマリー」、ヒーローアビリティを強化する「スペシャル」、基本アクションを強化する「マスター」という3種類のスキルツリーが用意されています。

全てのスキルが習得可能なプライマリーとは異なり、スペシャルとマスターはプレイヤーが取捨選択をするような形になっており、その取捨選択がゲームプレイに非常に大きな影響を与えるものになっています。

レベルを上げてスキルを習得していくにつれて、キャラの個性と強みがどんどんと濃くなっていき、それに伴ってアクションの爽快感がグンと増していきます。

キャラ間の違いもさることながら、同じキャラであってもスキルとギアステータス組み合わせで、全く異なる戦い方が出来るというのもグッドなポイント。

序盤は、アビリティのクールダウンが長く雑魚がやや固いため爽快感が薄く、ヒーローのパワーを実感するには程遠いのですが、レベルを上げてプレイスタイルに合わせたスキルとギア構成にすることにより、地球最強のヒーローにふさわしい豪快なアクションを楽しむことができるようになります。

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いくつもの残念な点

ダメな部分があっても面白い!というゲームはいくつもありますが、残念ながら本作はダメな部分が面白い部分を帳消しにするレベル。

イマイチなキャンペーン

ストーリーは至って単純。
ヴィランの策略により解散に追い込まれたアベンジャーズが、再び立ち上がり世界を救う。というもの。

特にこれといった盛り上がりもなく、10時間程度で終わってしまいます。

本作のストーリーの最大の問題は、主人公となるカマラ・カーン以外のキャラの描き方が非常に雑、というか殆どまともに描かれないということ。

多くのプレイヤーと同じく、アベンジャーズのいちファンであるカマラを通じてアベンジャーズを再結成させ、そして自身もヒーローになっていく、という流れ自体はワクワクするものですし、それ自体はいいと思いました。

しかし肝心のアベンジャーズのメンバーの描かれ方は、「みんなMCUは見てるっしょ?だいたいあんな感じのキャラです」というスタンスで、このゲーム独自の掘り下げは行われません。

そのヒーローの予備知識が無くても楽しめたアーカムシリーズやMarvel’s Spider-Manとは対局で、このゲームをやっても彼らがどんなキャラなのかはよく分からないままです。

終盤で登場するキャラ、特にソーは影が薄く、ただハンマーを振り回す雷おじさんぐらいの印象しかありません。

また、スーパーヒーローの作品において、スーパーヴィランの存在はヒーローと同等に重要ですが、本作で戦えるスーパーヴィランはたったの3体しかいません。

しかもそのうち2体は早々にあっさりと退場してしまううえに、アベンジャーズ以上に描写が薄いので、肩透かしにも程があります。

ミッションのデザインも非常にお粗末。

唯一印象に残ったのはA-Dayを描いた最初のミッション(特に、カマラ視点でイベント会場を練り歩く部分)とラストミッションだけ。

それ以外は、ほとんどすべてマルチプレイヤーのミッションデザインと同じで退屈でした。

単調な大量生産型ミッション

本作では、キャンペーンミッションを除いて約50種類のミッションが用意されていますが、そのほとんどがAIM施設内に侵入して敵を倒すor地点を確保するor設備を破壊するという量産型のミッションばかり。

AIM施設内部の構造は4パターンぐらいしか無いので、ミッションを数回こなすと新鮮味は完全に失われ、同じようなミッションをただひたすら繰り返すだけになります。

ギアを集めてパワーを上げるというゲームループ自体が単調なうえにミッションのデザインも単調なので、かなり飽きが早いです。

施設内は広くないにも関わらずエリア間をエレベーターでつないでおり、テンポが悪いのもイマイチ。

敵の理不尽な攻勢

我らがアベンジャーズはちょっとでも敵の攻撃を食らうと怯んでしまうので、そのたびにアクションが中断されて、せっかくの爽快感が台無しになっています。

また、怯み状態の時間が長く、無敵時間もないうえに操作不能なので、体力が満タンに近くても一度回避にミスるとそのまま攻撃を受け続けてダウンしてしまうことが結構多いです。

回避アクションがもったりしているうえに、回避のタイミングのわかりづらさ、無敵時間の短さ、敵の攻撃頻度と追尾性能の高さが合わさって、ストレスが貯まります。

遠隔攻撃を使ってくる敵の出現数が多すぎる上に、一発ごとの威力が以上に高く、一発でも命中するとこちらは確実に怯んでしまうという極悪仕様。

さらに、遠隔攻撃を使ってくる敵の多くが宙に浮いているかテレポートですぐに逃げるので、真っ先に排除したくても思うようには行きません。

そして極めつけが、回避しても回避してもUターンして追尾してくる高威力ミサイル。

障害物に当たるか、撃ち落とすまでこちらを追尾してくるのですが、乱戦時では撃ち落とすという選択肢は取れないことが多いので、知らない間にUターンしてきたミサイルに当たって怯む→周りの敵にボコられてダウンというパターンも多いです。

つまらない移動アクション

スーパーパワーをきちんと移動アクションに反映すれば、ただ移動するだけでもそれなりに楽しいというのは『ライオットアクト』『Prototype』『Marvel’s Spider-Man』などをプレイすれば明らか。

しかし本作では、超人的パワーを持ったスーパーヒーローがプレイヤーキャラであるにもかかわらず、ダッシュや壁登りといった移動アクションとスピードが、常人のララ・クロフトとほとんど同じになっています。

そのくせ、一部のミッションではやけにマップが広く、リソースやギアをちゃんと回収するためにはあっちこっち移動しなければなりません。

残念すぎるエンドコンテンツ

現時点で、最高レアリティのギアを入手できるミッションはなんとソロ専用

オンラインマルチをメインとしたゲームなのに、エンドコンテンツはソロ専という仕様はマジで意味不明です。

そのエンドコンテンツ自体も、ただ単に複数のドロップゾーンミッションをつなげただけの「ハイブ」という面白みの無いミッション。

これまでのミッションでは見たこと無いエリアがあるとか、特殊なボスが待ち受けているとか、そういったバリエーションは一切ないです。

しかも現時点ではクリアしてもパワー1のゴミが手に入るというバグが発生しているため、単に時間のムダになるだけという始末。

多すぎるバグ

もうこれ以上は延期したくてもできなかったので無理矢理リリースしたんだろうな、というのが明らかなほど大量のバグが残っています。

ぼくは幸い致命的なバグには遭遇していませんが、あとあとパッチで直すので許してね、というゲームには正直うんざりです。

以下、ぼくが実際に体験したバグの一部(多すぎて忘れているものもあります)

  • カットシーンが正しく再生されない(丸坊主のカマラ、顔面の一部がなくなるキャップ、急に2人になるソーなど)
  • キャラの髪の毛以外が表示されなくなる
  • 敵が表示されなくなり、透明のまま攻撃してくる
  • 敵をいくら攻撃してもHPが減らせなくなる
  • 倒すべき敵が出現せず、チェックポイントからやり直さざるを得なくなる
  • 音声を英語にしていても、次にゲームを起動した時に必ず日本語に戻る
  • マルチプレイヤー終了後に操作不能になる
  • 一部の音声が延々と繰り返し再生される
  • キャラが急に棒立ちになり一切の操作を受け付けなくなる
  • 戦闘の最中に次元の彼方へと飛ばされ戻れなくなる
  • 味方を蘇生した後、画面中央にずっと「蘇生」という文字が表示されたままになる
  • パワー130のエキゾチックギアのかわりに、パワー1のアンコモンギアが手に入る
  • エリートハイブで操作キャラがダウンした後、キャラを切り替えるとクラッシュ
  • デイリーのヴィランセクターがプレイできない
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その他のダメポイント

  • イマイチなキャラデザ
  • アベンジャーズの世界観とマッチしていない、取ってつけたようなギアシステム
  • まるでト書きのような不自然なクローズドキャプション(しかも字幕をONにしたら非表示にはできない)
  • 安定しない低フレームレート
  • 機能していないマッチメイキング
  • 面倒な拠点内の移動
  • ドロップした素材が自動で回収されないし、回収範囲が狭い
  • ギアのロック機能、まとめて分解機能が無い(保管庫にあるギアはまとめて分解できるが、手持ちのギアを保管庫に移動させることはできない)
  • エリア外に落ちると問答無用でHPが8割減る
  • ジャーヴィスがいちいちうるさい
  • 味方AIがアホ
  • 無敵バリア持ちの敵
  • レジェンダリーギアに特別感が全く無い
  • 課金アイテムの価格設定が異常に高い
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おわり

ベータをプレイして感じた、「なんか『Anthem』っぽいけど大丈夫かな?」という不安は残念ながら的中してしまいました。

やり込むことでアクションは楽しくなりますが、それ以外の部分でのマイナスが大きすぎるので、立て直すにしてもかなり時間がかかりそう。

なんだかんだで新ヒーローの追加(特にホークアイとブラックパンサー)やストーリーの拡張は楽しみなので、しばらくは寝かせておいて、PS5版が出たらまたプレイしようかな。
そんな感じでした。

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