ついに、ついに『Ori and the Will of the Wisps』が発売されました!

手書き風の美しく鮮やかな幻想的アート、生き生きとしたアニメーション、手強いプラットフォーム、胸を打つストーリー、切ないサウンドトラックで全世界のゲーマーを唸らせたメトロイドヴァニアの傑作、『Ori and the Blind Forest(オリとくらやみの森)』の待望の続編です!
ということで今回は、前作から大きな変貌を遂げた『Ori and the Will of the Wisps』のクリアレビューをお届けします。
ネタバレは無しなのでご安心ください。
再びオリの冒険が始まる!

ゲーム開始時には、イージー、ノーマル、ハードの3種類から難易度を選択可能。
一周目なのでノーマルでプレイしました。
前作同様なかなか難しく、途中で難易度を変えることができないので、テンポの早いアクション&プラットフォームに慣れていない方は、イージーで始めることをおすすめします。
ストーリーは前作の直後からスタート。
ニブルの森に平和をもたらしたオリは、ナル、グモ、そして新たに家族に加わったフクロウのクゥと一緒に暮らしていました。

森でほのぼのと暮らすオリたちをずっと眺めていたい…というわけにはいきません。
ある日冒険に旅立ったオリとクゥは、嵐の中で離れ離れになってしまいます。
オリがたどり着いたのは、光が失われたニウェンと呼ばれる地。
クゥを探すため、危険に満ちた旅が再び始まります。

『Ori』の最大の特徴はなんと言っても、美麗で幻想的としか言いようがないグラフィック。
鬱蒼とした暗い森から凍えるような雪山まで、ロケーションは豊富。
景色が大きく異なる様々なエリアが待ち受けており、こちらの冒険心を掻き立ててくれます。
シンプルながらも胸を打つストーリー、重厚で切ないサウンドトラックもすばらしい出来映え。
ゲームの流れはいわゆるメトロイドヴァニア。
アクションを駆使して危険に満ちたエリアを進んでいき、その先で新しいアクションを習得して、探索できる範囲がどんどん広がっていくというもの。
体力・エナジーの上限をアップできるアイテムや、 スキルの購入などに使える通貨といった、寄り道をすることで攻略が楽になる要素ももちろんあります。
二段ジャンプや壁ジャンプでダメージ床を避けるという基本中の基本はもちろん、フックを使って高速移動をしたり、敵の投射物の軌道を変えて壁を壊したり、砂の中を高速で掘って進んだりと、様々なアクションを駆使して危険な道のりを踏破していきます。
操作感は良好。アニメーションがなめらかで非常によくできているので、動かしていてとにかく気持ちがいいです。
プラットフォームアクションとエリアごとの仕掛けのバリエーションは非常に豊富で、新アクションを習得するテンポもいいので、最初から最後まで全くダレることなく楽しめました。
また今作には「精霊レース」という新要素が追加。
決められたコースをいかに早く走破できるかを競うタイムアタックチャレンジで、基準タイムを破ることが出来れば報酬がもらえるほか、リーダーボードで全世界のプレイヤーと腕前を競うことが出来ます。
誘導の仕方がちょっと不親切というか、前作をやっていなかったり、この手のゲームに慣れていないとどう進んでいいのかよくわからない、という部分があるのではないかなとは感じました。
前作とは大きく異なるゲームプレイ
ビジュアルやサウンドトラック、プラットフォームアクションはたしかに『Ori』なのですが、かなり大胆な変更が施されています。
もはや別ゲーと言ってもいいほど。
それでも、たしかにこれは『Ori』の続編だ!と感じられるところがスゴい。

オートセーブ方式
前作では、自分でチェックポイントを作ってセーブしながら進んでいくという、ちょっと変わったシステムが搭載されていました。
今作ではそのシステムが無くなり、普通のオートセーブになっています。
なので、チェックポイント作るの忘れててめっちゃ戻された!という悲しい事故がなくなりました。
チェックポイントは結構細かく設定されており、ロード時間はほぼ無いので、何度もトライすることに対するストレスはありませんでした。
近接戦にフォーカスした戦闘
今作では、複数あるアクションスキルのうちから、3つをX・Y・Bに割り当てて使っていきます。
基本となるのは「精霊の刃」という近接攻撃スキル。
遠距離攻撃スキルはエナジーというリソースを消費するため、やたらめったら使用できないようになっています。
前作では少し遠くからペチペチと攻撃していましたが、今作ではよりアグレッシブな戦い方が求められます。
近接攻撃には手応えがしっかりあって、かなり爽快。
前作は、プラットフォームと戦闘の割合が8:2ぐらいで、死因の9割が環境による死でしたが、今作では戦闘にかなり重点が置かれています。
テンポが早く敵の攻撃は苛烈なので、あっさりやられてしまうこともしばしば。
しっかりとした爽快感がありながらも、ヒリヒリとした緊張感もある絶妙なバランスになっています。
前作ではいわゆるボス戦が無く、その代わりに素早く進んでいかないと死んでしまうスリリングなプラットフォームが配置されていました。
しかし、戦闘アクションが多彩となった今作では、ちゃんとしたボス戦も用意されています。
どのボスも一筋縄ではいかず、ハードモードでクリアできるかな…と心配になるくらい難しかったです。
もちろん、追いつかれると即死するプラットフォームも健在。
スキルツリーからアイテム装備へ
前作では、オリの強化はスキルツリーで行っていましたが、今作では道中で手に入れる「精霊のかけら」と呼ばれるアイテムを装備して強化を行います。
敵を倒したときに出現するオーブを自動で回収してくれるものや、体力を増やすもの、与ダメと被ダメがアップするものなど、効果は多種多様。
自分のプレイスタイルに合わせて取捨選択が可能になり、遊び方の幅が広がったのはいいことだと思います。
装備の変更はいつでも可能なので、戦闘にはこの組み合わせ、プラットフォームにはこの組み合わせと、状況に応じて変えていきながらプレイするのがいいかもしれません。
ぼくは、壁に張り付いて移動できるようになる「粘着」と被ダメが減る「回復」は手放せませんでした。
最初は3つまでしか装備できませんが、各地にある「精霊の殿堂」をクリアすることによって、装備スロットを増やすことができます(最大で8つ)。
精霊の殿堂はWave形式のバトルチャレンジで、なかなか手強いです。

道中で出会うNPCたち
前作ではNPCが登場しない寂しい旅路でしたが、今作では様々なNPCたちと出会うことになります。
NPCと話すことで、サブクエストが発生したり、新たなエリアの手がかりが得られることも。
クエストを達成すると報酬をもらえるので、困っている人がいたら助けてあげるといいかもしれません。
各エリアのどこかには、地図製作者のルポというNPCがいます。
彼から地図を購入すると、そのエリアの地図が明らかに。
まだ自分が探索していない場所はグレーで表示されるため、探索が非常に楽になりました。
また、物語が進むとNPCたちが集うハブエリアも登場します。
そこでは、手に入れた「精霊のかけら」を強化したり、建物を整備したり、手に入れた種を植えたりといったことができるようになります。
物語を進めていくと各エリアから移住してくる者もいて、賑わってくるようになります。
オリの活躍が世界を変えているという実感を得られるため、俄然やる気になります。
『ホロウナイト』の影響?
- 近接戦にフォーカスした戦闘
- 能力を強化する「精霊のかけら」
- 地図を売ってくれるNPC
- 買い物ができる
- NPCが集うハブエリアがある
上述した要素には、同じくメトロイドヴァニアの傑作『ホロウナイト』の影響を大きく感じました(前作の時点で、次はこうしようという構想があったのかもしれませんが)。
前作のシステムやバランスはそのままに、新たなストーリーとアクションを追加したアップグレード版を期待していると、おや?と思うかもしれません。
いくつかの不具合
パッチにより改善されるとは思いますが、残念ながらスムーズに動作しているとは言い難いのが現状。
不具合の多くは再起動すれば治りますが、再インストールが必要だったり、現時点ではゲームを最初からやり直す必要があるものも。
- しばらくプレイしていると、2秒ほどのフリーズがちょくちょく起きるようになる
- ハブエリアやボス戦でスローになったり、フレームレートがガクッと下がったりする
- エリアの読み込みが間に合わず、奈落の底に落ちる
- 条件を満たしていても一部の実績が解除されない
プレイ中に、これらの不具合に遭遇しました。
問題なく遊べていると言っている人もいるので、環境による差なのかもしれません。
おわり
- 息を呑むほど美しいグラフィック
- 滑らかで生き生きとしたアニメーション
- 探索しがいのある手強いプラットフォーム
- 爽快感と緊張感が両立された戦闘
- 様々なNPCとの交流
- 胸を打つストーリー
- 切なくもパワフルなサウンドトラック
- (おそらく)初心者には分かりづらい導線
- 複数の不具合
メトロイドヴァニアが好きな人にもそうでない人にも、ぜひとも遊んでみてほしい傑作でした。
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