『無双OROCHI3』の評価・感想。アクションの爽快感は最高だけど…

プラットフォーム:PS4、Nintendo Switch、PC
開発:コーエーテクモゲームス(オメガフォース)

数ある無双シリーズの中で最も面白い『無双OROCHI』シリーズの最新作。
『真・三國無双』と『戦国無双』のキャラが一堂に会するお祭りクロスオーバーシリーズで、3人の操作キャラを切り替えながら戦うシステムが特徴になっています。

ずいぶんと前からマンネリ感が否めないシリーズですが、僕は「定期的に無双やりたくなる病」にかかっているので本作も即買いしました。
ちなみに『真・三國無双』は2~7with猛将伝、『戦国無双』は1~4をプレイしているぐらい重症です。

総勢170名のプレイアブルキャラ!

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本作には、『真・三國無双7 Empires』『戦国無双4-Ⅱ』『無双OROCHIシリーズ』からなんと総勢170名ものプレイアブルキャラクターが参戦。
「最も多い操作可能キャラクターを持つハクスラゲー」としてギネスにも登録されたそうです(ハクスラ?と思ったけど、本作では装備品の厳選という要素が組み込まれています)。
新キャラとしては、ギリシャ神話と北欧神話からゼウス、アテナ、アレス、ペルセウス、オーディンの5人が参戦しています。
※ただし残念ながら、『無双OROCHI2 Ultimate』までに登場していたリュウ・ハヤブサやソフィーティアといったコラボキャラはリストラされています(『無双スターズ』との差別化を図るため?)。

これだけ数がいると当然ながらキャラの扱いに多少なりとも差が生じてきてしまうわけですが、本作ではその差がかなり大きいと感じました。
ストーリーに出ずっぱりのキャラがいる反面、仲間になった後はストーリーに全く絡んでこないキャラも結構いて(サイドストーリーで仲間になるキャラは全員そう)、もうちょいバランスを取って欲しかったところ。
僕のお気に入りのキャラは結構な割合でストーリーには絡んできませんでした…

▲神格化した趙雲と幸村

爽快な神術アクション

本作の新アクションとして搭載されている、神器を使った「神術アクション」の爽快感が凄まじいです(これに伴い前作までのタイプアクションが廃止)。
通常神術、チャージ神術は神器固有のアクションで、固有神術はキャラ固有のアクションになっています。
固有神術は神器の特徴と武将の特徴を合わせた技になっており、見た目がカッコいいし何より爽快感が素晴らしいです。

また本作では、ヒット数が300、1000を超えると神術の威力が上がり、その時にチャージor固有神術で敵を倒すことで合体神術(本作の超必殺技)ゲージが溜まりやすくなるという仕様になっています。
これまでの無双作品では、ヒット数というのはあまり重要な要素ではなかったので、ちょっと新鮮。
チャージor固有神術を使うとヒットカウンターがリセットされるため、通常攻撃と通常神術でヒット数を稼いで、チャージor固有神術でゲージを稼ぎ、合体神術でドーン!というのが基本的な戦い方になります。

キャラの性能差が…

神器は16種類が用意されていますが(そのうち5種は神キャラの固有神器)、トライデント、グリンブルスティ、ハルパー、グレイプニルあたりは通常神術もチャージ神術も使いやすい一方で、タラリア、ダーインスレイヴ、太極図は通常神術の使いみちがほとんどありません(太極図はタイミングさえ合えばカオスオリジンを一撃で倒せるという謎効果がありますが)。
そのため、使いにくい神器持ちでヒット数が稼ぎにくいキャラはかなり残念なことになっています。

また、三国&OROCHI勢と戦国勢でも強さに差があります。
OROCHIシリーズや最近の無双をやった方ならわかると思いますが、ゲーム後半や高難易度では、攻撃に追加ダメージが発生する属性を武器にガン積みしていく必要があります。
しかし三国&OROCHI勢の攻撃には属性効果が発生しないものが多く、全体的に火力が足りません。
対して戦国無双勢はチャージ攻撃には必ずといっていいほど属性効果は発生しますし、神速攻撃(高速で移動しながら攻撃を行うアクション)にはほぼ全段に属性が乗るため、必然的に殲滅力にかなりの差が出てきてしまっています(特に神速攻撃の範囲がアホみたいに広い雑賀孫市はとんでもない強さ。稲姫、毛利元就あたりもかなり強い)。
天攻か天舞をつければ三国&OROCHI勢でも属性が発生するようになるものの、やはり神速攻撃の殲滅力には敵いません。

また、本作では雑魚兵の攻撃頻度がこれまでのシリーズに比べると多めに調整されています。
そのため、パワータイプではない攻撃の振りが遅いキャラ、リーチが極端に短いキャラは軒並み使いづらくなってしまっています。
この調整も雑魚兵の妨害に合わない神速攻撃の強さを増長させています。

キャラゲーにおいて強いキャラ、弱いキャラがいるのは当たり前なのである程度は仕方ないにしても、本作における格差はなかなか酷いと感じました。
一部のキャラ(8人)には神格化というパワーアップ要素が搭載されていますが(他のキャラは無双覚醒or極意)、それに関してもキャラのチョイスには疑問が残ります。

UIが使いづらすぎる

本作、パーティーの編成画面がとんでもなく使いづらくてビックリしました。
これまでのように勢力ごとに表示される方式ではなく、全キャラがズラーッと並ぶ一覧方式。
170人もキャラが居るのになぜこんな一覧にしたのでしょうか。選びづらくてたまりません。
当然ソートは行えるようにはなっているものの、ソート→1キャラ目選ぶ→ソート→2キャラ目選ぶ→…という作業が非常に面倒(しかしそのソートも、シリーズファンが一番馴染んでいるであろう勢力キャラ順というソートは出来ない)。

サポートメンバー選択時に至ってはキャラを選択するとソートが解除されるという謎仕様のせいで、友好度関係にあるキャラを選ぶのがめちゃくちゃめんどくさいです。
キャラのレベルアップとスキル習得が別メニューになっているのも、武器の売却・分解と錬成が別メニューになっているのも使いづらいです。

全体的に漂う手抜き感

ユニーク武器にはガッカリ

ユニーク武器とは、無双シリーズお馴染みのいわゆる最強武器。
ストーリーをクリアした後に追加される難易度「修羅」にて、ステージで指定されているキャラを使い、そのステージに設定されている3つの挑戦目標を全てクリアすることで手に入ります。

しかし本作のユニーク武器は通常武器と全く同じ見た目であり、さらに攻撃力に関しても厳選すれば通常武器のほうが上回ってしまうことがあります。
初期スロットも4つしかないので、スロットを増やすためにめちゃくちゃ手に入りにくい希少石を使う必要もあり、正直本作のユニーク武器にはほぼ価値が無いと言ってもいいです。
見た目が派手だからこそ集め甲斐があったのに、本作のユニーク武器には心底がっかりです。

キャラの掛け合い不足

陣地で特定のキャラ同士の掛け合いはあるものの、ステージ中ではデフォで発生するもの以外、特定のキャラ同士の掛け合いはほぼありません。
敵の無双武将と会敵したときも特殊な会話はほぼなかったり、夫婦や親子関係にあるキャラ同士ですら掛け合いがなかったりで、色んなキャラを選択してステージをやってみる楽しみがなく、クロスオーバーゲーとしてかなり物足りないです。
一応ステージにはボーナスキャラというのが設定されていて、そのキャラを使うと特殊な会話が発生するようになっていますが、この会話が発生するのはボーナスキャラのうち1人だけだったりするのも残念なところ。
このあたりはお祭りクロスオーバーで削ってはいけない部分だと思うのですが…

キャラがクローン化

使用キャラとして、ステージにデフォで配置されているキャラを選択した場合、戦場に2人同じキャラが存在することになってしまいます(敵だったり、途中から寝返るキャラに関しては文句はありませんが)。
これまでだったらモブ武将に置き換わっていたのですが、本作ではそういった措置はとられていません。
しかも喋っているのはプレイヤーキャラではないので、じゃあ僕が操作しているのは一体誰なんだ…?という。

パーティー編成

前シリーズ作では、特定のキャラでパーティーを組むと特殊な演出が入る強力な攻撃が発生するという要素がありましたが、本作にはそういった要素は一切ありません。
サポートメンバーを選ぶ際は友好度関係にあるキャラを選ぶと効果が大きくなる、という説明がありますが、ぶっちゃけどのくらい効果が大きくなっているのか全くわからないため、サポートメンバーの構成を考える楽しみもほぼありません。
パーティーメンバー同士の掛け合いも無いので、共闘している感が皆無です。

おわりに

結構楽しみにしていた分、ちょっとガッカリな作品でした。
これで僕の「定期的に無双やりたくなる病」が治るかもしれないぐらいのガッカリ感。
初めの方はかなり面白い!という感じでしたが、遊んでいくうちに色々と残念な部分が引っかかりまくってしまいました。

これを買おうか迷っている人には断然『無双OROCHI2 Ultimate』の方をおすすめします。

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