ヒョロガリゲーマーが『リングフィットアドベンチャー』を3日間まじめにやってみた感想

Nintendo Switch専用ソフト『リングフィットアドベンチャー』を3日間プレイしてみた感想をお届けします。
総運動時間は1時間55分でした(運動していない部分も含めた実際のプレイ時間はもうちょっと長いです)。

まず最初に、現時点での結論を書いておきます。
一見するとすぐに飽きそうな色モノソフトという印象を受けますが、

運動不足に悩んでいるゲーマー、
運動を習慣化したいと思っているゲーマーにこそおすすめ!

です。

プレイするときには、ヨガマットと着替えはあったほうがいいです(ヨガマットはほぼ必須です)。
あと汗ふきタオルと、飲み物も用意して行うといいです。

恥ずかしながら、僕は167cm、48kgというヒョロガリモヤシ体型です。
小中は運動部だったのもあって運動神経はそこそこですが、高校卒業後は一時期ジムに半年ほど通ってたことがあるくらいで、運動と呼べるものはほとんどやってません。
参考までに。

フィットボクシングとの決定的な違い

Switchでできるエクササイズソフトといえば、『フィットボクシング』が有名ですよね。
話題になっていて僕もやってみたのですが、残念ながら長続きしませんでした。

その原因は、ゲーム性が皆無だったことにあります。
いくら運動しても、「今日はこれだけ運動しました」という毎日の記録がつくだけで、ゲームとしての楽しさというものが欠けていました。
そう、『フィットボクシング』はあくまでもエクササイズの延長であり、ゲームではありませんでした。

自動でメニューを組んでくれてかつハードなエクササイズができるため、もともと運動を習慣化できる人にとっては素晴らしいソフトであったとは思います。
しかし僕のように、ジムに行くのは面倒くさい、かといって自宅でのトレーニングは続かないという、運動を習慣化できない人にはまったく向いていませんでした。

対してこの『リングフィットアドベンチャー』は、RPGをベースとしており、しっかりゲームゲームしています
自分が運動すればするだけプレイヤーキャラはレベルアップしていき、攻撃力が上がったり、新しいフィットスキル(筋トレメニュー)を習得したりします。

自分の運動の成果」と「ゲーム内での成長」が直結しているため、ゲームとしてしっかり楽しく、容易にモチベーションが維持できるようになっています。

僕にとって「毎日、自主的に運動をする」というハードルは高すぎてとても越えられませんが、「毎日、自主的にゲームをする」というのは昔からの習慣になっています。
つまり『リングフィットアドベンチャー』は、運動を習慣化したいゲーマーにはうってつけのゲームなのです。

実際にプレイした模様をダイジェスト的にまとめたのがこちら↓

リングコンは偉大な発明

本作は「リングコン」という専用のコントローラーに右Joy-Conを取り付けて操作を行います。
このリングコンがスゴい。

リングコンはその名の通りでかいハンドルのような輪っかの形をしていて、中心に向かって押し込んだり、反対に引っ張ったり、傾きを検知してくれたりします。
買う前は、押したり引いたりするってそんなに力いるのかなと思っていましたが、グッと押し込むだけでも胸に効いていることが実感できるぐらい、かなりの弾力があります。

すごいのは、このリングコンひとつで上半身を中心とした様々な筋トレに対応しているのはもちろん、ゆっくりと動くヨガにだって対応しているということ。
体の前で押せば大胸筋に、反対に引っ張れば広背筋に、頭の後ろに持ってきて引っ張れば脊柱起立筋に、といろんな筋肉に効かせることができます。
ポジションと押し引きだけでこれだけ幅広く使えるとは驚きです。

太ももに装着したJoy-Conと連動することで、全体のおおまかな姿勢の検知も行ってくれるうえに、筋トレのフォームは画面左側に常に表示されるため、正しいフォームでの運動が行えるようにもなっています。

ちなみに、リングコンの持ち手に付いているグリップ、太ももにJoy-Conを装着する用のレッグバンドは洗濯できるので、汗をかいても安心です。

アドベンチャーモード

新ジャンル「筋トレバトルRPG」!

本作のメインとなる「アドベンチャーモード」の紹介をしていきましょう。
アドベンチャーモードでは、いくつかのステージで構成された「ワールド」をクリアしていき、最終的にドラゴというマッチョのモンスターを倒すのが目的です。
全体でどれぐらいの長さがあるのかはわかりませんが、公式では「1日30分で約3ヶ月のボリューム」と書いてあったので、かなり長く遊べるようになっているのだと思います。

それぞれのステージでは、足踏み/ジョギングをして前に進んでいき、敵と遭遇したらスクワットやらプランクやらのフィットスキルを選択して攻撃。
有酸素運動と無酸素運動を繰り返しながらゴールを目指します。
前に進む際、足踏み以外にも、体を傾けたり、スクワットしたりといったバリエーションもありました。
運動の負荷にもよると思いますが、ものの10分で汗をかくぐらいにはしっかり疲れます。

疲れはしますが、レベルを上げたい、先に進みたい、というゲーマー的思考のおかげで、エクササイズが全く苦になりませんでした。
それどころか、15分ぐらいやっていると「今日はここまでにしときますか?」みたいなサジェストが出るのですが、それを無視して続けてしまうぐらい熱中。
「RPG」と「エクササイズ」の相性の良さには驚かされました。

フィットスキルは40種類以上もあるみたいで、レベルアップすることで少しづつ増えていき、習得した中から6つをセットしてバトルで使います。
スキルによって鍛える部分が異なるのはもちろんのこと、単体攻撃だったり全体攻撃だったり、負荷が大きいものは攻撃力が高かったりします。
さらに、腕のスキルは赤、足のスキルは青、とスキルには色が割り当てられていて(全部で4色)、敵と同じ色のスキルを使うとダメージがアップするという弱点システムもあるので、ちょっとした戦略性もあったりします。

個人的にちょっと不満なのが、スキルが6つしかセットできず、バトル中は変更が出来ないという点。
どの種類の敵が出現するかは実際にエンカウントするまで分からないので、セットの内容があまり効果的ではない場合も多いです(一応、ステージを始める前におすすめの色が表示されますが)。
セットできるスキルの数を絞っているのは、スキルの数が多くなるにつれて選ぶのが大変になるからという理由なのでしょうが、せめて8か9ぐらいあっても良かったかなと思います。

ベースがRPGになってると書いたとおり、各ステージには推奨レベルがあったり、よろず屋で装備品を購入できたり、ちょっとしたお使いクエストがあったりと、運動というよりもゲームをしている感覚が強いので、無理なく、そして楽しく続けられそうです
また、運動の前後にはストレッチを行うようになっていたり、筋トレに関する豆知識があったりといった細かい部分も好印象です。

甘えが見抜かれる判定!

リングコンおよび太ももに装着したJoy-Conの判定精度はかなりしっかりしています。
きっちりと負荷がかかる正しいフォームで筋トレができていれば敵に与えられるダメージが上がりますが、反対にちょっとでも楽をしようとするとカスダメージに。
自分に対する甘えがズバッと見抜かれてしまいます。恐ろしい…

トレーナー兼相棒のリングくんが、「その調子!」「素晴らしい!」と褒めてくれたり、「もっと深く!」とアドバイスをくれたりするのも、モチベ維持に一役買っています。

細かい調節で誰でもできる!

運動の負荷を、個々人の筋力・体力に合わせて細かく調節できるというのも大きなポイント。
負荷は、なんと1~30までの30段階で調節できます(それとは別に、リングコンを押し引きする強さも調節できます)。
負荷1だと一度の攻撃で要求される筋トレ回数(レップ数)は1~4程度ですが、負荷20だと20回以上に。

また、特定の部位に負担のかかる運動をボタン操作に置き換えるという機能もあります。
膝が痛い、腰が痛い、という人でも無理なく運動ができるような心遣い。

力の弱い子供から、日常的に運動をしている人、筋力の衰えを感じている人まで、老若男女を問わずに楽しくプレイできる素晴らしいアクセシビリティ。

僕は負荷20でやっているのですが、運動不足なこともあってかなりキツく、1日で色んなところが筋肉痛になりました(アドベンチャーだけでなく、一通りのモードをやってみたからというのもあると思いますが)。
しっかりやって徐々に負荷を上げていけば、引き締まった細マッチョになるのも夢じゃないかも…?と思わせてくれます。

階下への音が気になる?ならサイレントモードだ!

アドベンチャーモードのステージで前に進むには足踏み/ジョギングをする必要がありますが、マンションやアパートに住んでいて階下への音がちょっと気になるな…という人も多いでしょう(僕もそうです)。

しかしご安心を!
そんな人のために、足踏みを屈伸運動に置き換えることができるサイレントモードが搭載されています。
これで早朝だろうと夜中だろうと、階下への迷惑を心配することなくプレイができます。

充実のエクササイズ

メインとなるアドベンチャーモードの他にも、サクッと運動だけしたい、というときに便利なモードがいろいろと用意されています。

シンプルモード

シンプルモードは、20秒間でどれだけリングコンを押し引きできるか、太ももを上げ下げできるかを測定する、その名の通りシンプルなモード。
「大胸筋」「広背筋」「三角筋」「脊柱起立筋」「大腿四頭筋」の5種類のチャレンジがあります。
回数に応じてランク評価が表示され、ランキングにも対応しています。

最初の10秒ぐらいは結構余裕があるのですが、ラスト5秒で一気にきつくなり、めちゃくちゃ疲れます。
上級者向けにストイックというのも用意されていますが、そっちは怖くてまだやってません。
週1ぐらいで記録をつけていけば、自分の成長を実感できるかもしれません。

ミニゲーム

ミニゲームは、全部で12種類。
リングコンの押し引きと角度調整でロボットをひたすら叩く「モグラたたき」、リングコンを押しまくってひたすら木箱を破壊する「ボックスブレイク」、走るスピードを調整してコインをゲットする「コインラン」などなど、バリエーションが豊富で面白い。

難易度は、初級と上級の2種類。
これもスコアに応じてランク評価が表示され、ランキングにも対応しています。

個人的なお気に入りは、内ももにリングコンを挟んで押してジャンプしコインを集めていく「内ももライダー」と、飛んでくるディスクを上体をひねってはじき返す「ディスクヒット」。

逆に苦手なのが、リングコンを引っ張ってパラシュートを開いたり上体をそらしたりしながら輪っかをくぐる「パラシュート」と、リングコンの押し具合とスクワットで見本と同じツボを作る「ろくろ回し」。
「ろくろ回し」はSランクを取れる気がしません。

セットメニュー

二の腕スッキリ、脂肪燃焼、柔軟性向上、といったいろんな目的に合わせたトレーニングを行うことが出来るモード。
こういうことをしたいけど、具体的にどういった運動を行えばいいか分からない、というニーズに応えてくれるめちゃくちゃありがたいモード。
アドベンチャーモードが一段落ついたら、このモードが日課になりそうです。

体が硬いので柔軟性向上のトレーニングを試しにやってみたら、股関節周りの筋肉がつりそうになりました。
無理は禁物!

ちなみに、自分好みの運動をセット登録できるカスタムモードもあります。

ながらモード

Switchを起動していないときでも、Joy-Conを付けたままリングコンを押し引きすると回数を記録してくれます(1日500回まで)。
回数に応じてアドベンチャーモードで報酬(経験値やお金)を受け取れるので、ドラマなんかを観るときはピコピコ押し引きするといいかもしれません。

まとめ

最初にも書きましたが、本作は運動不足に悩んでいるゲーマー、もしくは運動を習慣化したいと思っているゲーマーに特におすすめのゲームと感じました。
もちろんゲーマーじゃなくても、運動を習慣化したいと思っているすべての人におすすめであることは間違いないと思います。

ただ、ゴリマッチョになりたい!と思っている人や、ただ単に痩せたいと思っている人には向かないかな、と思います。
ゴリマッチョになりたい人はジムへ行って、ただ痩せたい人は『フィットボクシング』を買うのがいいでしょう。

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