Sloclapによる高難度カンフーアクションゲーム『師父-Sifu-』をクリアしたのでレビューを。

ジャンル | 三人称視点アクションゲーム |
開発元 | Sloclap |
使用ハード | PS5 |
総プレイ時間 | 15時間 |
おすすめ度 | ★★★★★ |
高難度のカンフーアクション
本作は、様々なカンフースキル、攻撃をジャストガードして体勢ダメージを与える「受け流し」、上下段の攻撃回避、鉄パイプや箒などを利用した武器攻撃、といった多彩なアクションを駆使して、親の敵討ちを誓う青年の戦いを描くカンフーアクションゲーム。
戦闘システムはカンフー版の『SEKIRO』、操作感は『バットマン:アーカム』のようなフリーフロー系コンバット、といった感じ。
雑魚の攻撃を数回受けただけで死亡してしまう上に、受け流しに成功しても体勢ゲージを削られてしまうので、適度に上下段の回避も織り交ぜていく必要があり、攻撃パターンの正確な見極めが生死を分ける非常にタフな難易度設定。
受け流しのタイミングはシビアで体勢ゲージの消耗もかなりキツめなので、慣れるまでが大変でした。
複数の敵に囲まれるシチュエーションが多く、受け流しや回避に失敗するとあっという間に死んでしまうので、最初から最後までヒリヒリする攻防が楽しめます。
ゲージを削り切ると発動できる一撃必殺テイクダウンのアニメーションは、敵の姿勢や周りの状況、持っている武器によって変化するので、見ていて楽しく飽きさせない作り。
敵の体勢を崩したときや投げつけた武器が敵にヒットしたとき、テイクダウンで敵を叩きのめしたときなど手ごたえはバッチリで、高難度でありながらしっかりと爽快感も感じられます。
PS5だと、ハプティックフィードバックによって手元で環境音がするので、それも良かったです。
往年のカンフー映画や「オールドボーイ」「ザ・レイド」「ジョン・ウィック」などのアクション映画好きにとってはたまらないアクション・シチュエーションがあったのもグッドでした。
この手のゲームが抱える共通して抱える問題ですが、壁際や部屋の隅でのカメラワークには難があります。
戦闘中にカメラを操作している余裕があまりないので、自動で回り込む機能があればよかったかなと思いました。
プレイヤーが成長を実感できるユニークなシステム
本作の最大の特徴は、死亡すると歳を取ってその場で復活するというユニークなシステム。
ゲームは20歳から始まり、70歳以上のときに死亡するとゲームオーバーになります。
死亡すると死亡カウンターという数字が1ずつ増えていき、次に死亡したときに年齢として加算されるという仕組み。
気を抜くと死亡カウンターがあっという間に積み上がっていくので、特にボス戦での緊張感はハンパじゃないです。
ステージクリア式になっていて、一度クリアしたステージはスキップすることができます。
スキップした場合、ステージ開始の年齢はそのステージに到達した最小年齢になります(複数のステージを通しでプレイしているときはそのときの年齢)。
ステージは合計で5つ。
途中で若返ることは出来ないので、ラスボス打倒のためにはそれまでのステージでいかに死亡回数を減らせるかが鍵になります。
ステージを一度クリアしたらそれで終わりではなく、最小年齢を更新すべく、何度も戦って死んでを繰り返し強敵の動きを学習して打ち勝つ、まさに正真正銘クンフーのゲームと言えます。
ステージ内にはショートカットが用意されていたり、そもそもワンステージがそんなに長くなかったり(慣れればトータル1時間ぐらいでクリアできる)と、周回プレイが苦にならない作りになっていたのも良かったです(ただし、ボス撃破時のカットシーンがスキップできないのはマイナスポイント)。
プレイし始めは、ステージ1を30代でクリアできれば御の字、ステージ2では一気に60代になってヘロヘロに、という体たらくでしたが、今では25歳でラスボスを撃破できるようになりました。
自分が上手くなっている!敵の攻撃を見切れるようになっている!と、プレイを重ねるごとに成長を感じられるようになっていて、止め時が見つからないぐらいのめり込んでしまいました。
万人向けではない難易度
本作には、主人公の基礎能力を上げる恒久的なアップグレード要素がないので、プレイヤーの成長が難易度に直結します。
スキルを永久アンロックすることで死んでもスキルは引き継がれますが、いくらスキルを習得しようが主人公の性能が上がるわけではないので、クリアするにはとにかくプレイヤーが腕を上げるしかありません。
そのため現時点では万人に勧められるとは言えませんが、アップデートによりイージーモードの実装が予定されているので、難しすぎるのはちょっと…と思っている人はアップデート後に挑戦してみるのがいいかもしれません(同時にハードモードも追加されるので、マゾゲーマーも要チェック)。
おわり
ラスボス撃破まで8時間、トゥルー・エンド到達まで10時間、トロフィーコンプまで15時間、といったボリュームでした(25歳までにクリアが激ムズ!でした)。
もっと短くクリアできる人、もっと時間がかかる人もいると思います。
一部、難易度曲線がちょっとおかしいと感じた部分はありますが(ステージ2がやけに難しかったり、ステージ3のボスの第2フェーズが簡単だったり、ステージ5がかなり短かったり)、カメラワーク以外に大きな欠点は無く最初から最後まで楽しめました。
高難度アクションゲームファンは絶対にプレイすべき傑作!だと思います。
ではまた。

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