1周年セールで買ってから気づいたら4か月も経ってしまっていたので、そろそろレビュー的なものを書いてみます。
いまさら思ったけど、サマーセールよりも前に書くべきだったね…
ぼくが使っているのは256GBのモデルです。
スペックやらベンチマークやらが知りたい、最新のAAA作品がどの程度遊べるのか知りたい、という人はどっか他のところを参考にしてください。
雑感
とりあえず、実際にSteam Deckを使って遊んでみたゲームをザっとリストアップしてみます。
- Against the Storm
コントローラーはサポートされてないけど、トラックパッドのおかげで快適に遊べる - Aperture Desk Job
Steam Deckのチュートリアル用に作られた、約30分で終わるゲーム。Steam Deckを買ったら真っ先に遊ぶべし - A Short Hike
Epicストア(Heroic Games Launcher経由)だけど普通に遊べた - Bastion
- Borderlands 2
- Core Keeper
- Cult of The Lamb
- Death Must Die(Demo版)
- Devil May Cry 5
60fpsで遊べるとは思ってなかった - Diablo 4(ベータ版)
快適に遊べてビックリ - Dinkum
- DiRT 3
公式では非対応になっているけど動作する。もう販売終了してしまっているので布教できないのが残念 - FF XII THE ZODIAC AGE
- FF XIII-2
非対応になっているけど動作する。やたらと重くて30fpsしか出ない - Galactic Glitch: Prologue
- Gatekeeper: Eclipse
- Grim Dawn
インベントリやスキル等のUI部分はトラックパッドでのマウス操作が割り当てられているので、Xbox版より操作しやすいかも - Guacamelee!
Epicストア経由(Heroic Games Launcher)だけど普通に遊べた - Gunfire Reborn
- Hades
- Halls of Torment
- Inkbound
コントローラーはサポートされてないけど、トラックパッドのおかげで快適に遊べる - Lies of P(Demo版)
グラ設定を落とさないとちょっと厳しい - Monster Hunter Rise
- Path of Exile
- Ravenswatch
デフォルトだと敵の攻撃エリアが正しく表示されないことがあるので、Proton6.3-8を使用する必要あり - Risk of Rain 2
- Salt and Sanctuary
Epicストア経由(Heroic Games Launcher)だけど普通に遊べた - Sea of Stars(Demo版)
- Sleeping Dogs
非対応になっているけど動作する - Soulstone Survivors
- Star Renegades
- V Rising
デフォルトではエラー画面から進まないけど、Proton Experimentalに変更すれば動作する。コントローラーはサポートされてないけど、トラックパッドのおかげで快適に遊べる - Wizard with a Gun(Demo版)
- アストラルアセント
なにも記載がないけど動作する - グリードランド(Demo版)
- タイニー・ティナとドラゴンの城塞
- デイヴ・ザ・ダイバー
- バイオプロトタイプ
- マーベル ミッドナイト・サンズ
ちょっと重いので、中設定で30fpsにして遊んでる - 湮滅ライン
- 将軍 対決:序章
リストにしてみると、思ったよりも本数が多くて勝手に驚いてます。
Switchもそうなんですが、「パッと付けてパッと遊べてパッと止められる手軽さ」が凄く良いんですよね。
コンソールやPCじゃなくてDeckに手が伸びることが多いですし、隙間時間とか寝る前とかについつい遊んでしまいます。
LinuxベースのOSということで互換性に関しては少し不安もありましたが、公式では非対応になっているゲームですら快適に遊べるので驚きました。
上記でとくに補足を書いていないゲームも問題なく遊べています。
公式のSteam Deck認証バッジに関しては情報が古かったり正確でなかったりするので、Protondbというサイトでチェックするのがオススメ(Steamアカウントでログインすれば、自分のライブラリが一覧表示されます)。
自分のSteamライブラリは120本程度ですが、公式でもProtondbでも非対応になっているのは『Destiny 2』だけでした。
アンチチートに弾かれることが遊べない原因であることが多いので、主にオンラインゲームを遊びたいという人は要注意(R6SやPUBG、原神などは非対応です)。
遊ぶゲームにもよりますが、バッテリーの持ちは大体2〜4時間といったところ。
グラフィック設定を下げたり、リフレッシュレートを40にしたりすると、そこそこ持ちが良くなります。
出先で使う場合は、ポータブルバッテリーを一緒に持ち運んでいます。
解像度はフルHDではなく、Switchとほぼ同じ1280×800。
フルHDにしてほしかったな…と思っていたのですが、実際に見てみると「フルHDと見分けつかないんじゃね?」と思えるほど綺麗です。なぜSwitchよりもキレイに見えるのかは謎。これは気のせいかも。
ただ、デフォルトの状態だと画面の彩度が今ひとつで、Decky Loaderというツールを入れないと彩度が弄れないのは難点(次期アップデートで彩度調整機能は追加されるみたいです)。
コントローラーやUIなど全体的に完成度が高く(地味にスピーカーの質が良い)、価格も他のポータブルPCと比べてリーズナブルなので、満足度は5億点といったところでしょうか。
買ってよかったです。
コントローラー
コントローラー部分は、通常のコントローラーと同様の
- ABXYボタン
- 十字キー
- アナログスティック
- バンパー
- アナログトリガー
- メニュー・ビューボタン
に加えて、
- ジャイロ
- トラックパッド
- 背面ボタン×4
という全部盛りの構成。
フェイスボタン/十字キーとスティックが横並びになった配置なので慣れるまではしっくりこなかったのですが、1〜2週間もすれば違和感なく操作できるようになりました。
特筆すべきは、左右についてるトラックパッド。
実際に触れてみるまでは「かえって邪魔になりそう」「あまり使わなそう」と思っていたのですが、今では「トラックパッドがないポータブルPCは比較検討の対象にならない」と言い切れます。
それほどまでに重要かつ便利。
トラックパッドのなにが良いかって、まず第一にマウス操作が快適に行えるという点。
PCゲームには、コントローラーでの操作をサポートしていないものも意外と多いです。
右スティックにマウスを割り当てて操作することもできますが、FPS以外はかなり遊びづらい。
そこでトラックパッドの出番。
ちゃんとしたマウスと同じぐらい快適!などと言う気は毛頭ありませんが、ノートPCのトラックパッドと同等ぐらいには使えます。
トラックパッドがなかったら『Against the Storm』も『Inkbound』も『V Rising』もまともにプレイ出来なかったと思うと、これを搭載してくれたValveには感謝しかありません。
現時点で、コントローラーでの操作をサポートしていないゲームがデフォで快適に遊べる唯一のポータブルPCというのはこれ以上ないセールスポイントだと思うのですが、大手メディアを含めて巷に転がってるSteam Deckのレビューではこの点にほぼ触れられていないのは何故なのか。
これからトラックパッド搭載のポータブルPCは増えてくる気がします。
第二に、Steamに備わっているコントローラーのレイアウト変更機能との相性が抜群だという点。
トラックパッドには、マウスだけでなくスティックや十字キー、各種ボタンなど様々な操作を自由に割り当てられるので、通常のコントローラーではできないような操作体系にすることも可能です。
コントローラー非対応のゲームでは、コントローラーのボタン数が足りなくて、結局キーボードが必要になるというケースが多いですが、複数のキー操作をまとめてトラックパッドに割り当ててしまえば問題なくプレイできてしまうというわけ。
例えば、『Against the Storm』では左トラックパッドだけで情報UIの切り替えができるようになっていますし、『V Rising』では左トラックパッドに割り当てられたパイ型メニューで1〜9キーによる武器・アイテムの切り替えができるようになっています。
トラックパッドの超絶便利さ加減はもっと周知されるべきですが、それ以外にも、スティックとトリガーのクオリティがかなり高いとか、トリガーを引いた時もしくは右スティックに触れているときだけジャイロをオンにすることでエイムがやりやすくなって超便利だとか、背面ボタンのおかげでスティックから指を離さずにボタン操作ができるとか、そういうところも素晴らしいと思います。
好き嫌いはもちろんあると思いますが、ゲームコントローラーとしてトップクラスに位置する機能性だと感じました。
拡張性
Steam Deckは、ゲーミングモードとデスクトップモード、2つのモードを切り替えて操作することができます。
ゲーミングモードはSteamのBig PictureモードをDeck用に最適化したもので、操作がしやすく快適。
ゲームプレイ中でもスクショを見れたり、コントローラーのレイアウトを調整できたり、メモを取れたり、ガイドを参照できたり、画面のリフレッシュレートをいじれたりと、様々な操作を行うことができます。
デスクトップモードでは、Windows PCのデスクトップのような画面で操作することになります。
このモードでは、外部ツールをインストールすることで様々な機能の拡張を行うことができます(もちろん、普通のPCのように使うこともできます)。
Epicで買った/貰ったゲームのインストールだって、PS5/Xboxのリモートプレイだって、それ用のツールを入れればできちゃいます。Decky Loaderを入れれば、ゲーミングモードのメニュー画面をカスタマイズしたり、ゲームプレイ動画の録画ができるようになったりもします。
このページでは色々なツールを紹介していますが、買う前はろくに調べもせずSteamしか使えないと思いこんでいたので、この拡張性の高さにはただただ驚きでした。
ストレージは64GB、256GB、512GBの3モデルがありますが、どのモデルでもmicroSDカードによる拡張が可能。
SSDの換装もそこまで難しくないらしいです(ぼくはやっていないので確かなことは言えません)。
また、ぼくは使ったことがありませんが、外部モニターに繋げればSwitchのTVモードみたいに使うことも可能です。
USBハブを使えばマウスやキーボードを繋げますし、Bluetoothでコントローラーやヘッドセットをつないで使うこともできます。
不満ポイント(Steam Deck 2への課題)
やっぱり重い
重量は約669g。
グリップ部分の形状がしっかりしていて重量の配分が考えられているからか、思っていたよりは重さを感じない作りになっているものの、それでも長時間使っていると疲れるぐらいには重いです。
肘、もしくは腕を支えられるような体勢じゃないと、手首がグギギ…ってなってきます。
Switchのように仰向けに寝転がりながらプレイすることを想定しているとしたら、ちょっと考え直した方がいいかも(横向きであればプレイできます)。
冷却ファンの音が気になる
遊ぶゲームにもよりますが、冷却ファンが頑張っているときの音は結構気になります。
スピーカーからの音が聞き取りづらくなるときもあります。
ボタン配置
個人的な好みとしては、左スティックと十字キーの位置を逆にしてもらいたかったです。
ほぼ常に操作する左スティックが内側だと親指の付け根が疲れてくるんですよね。
また、背面にボタンが4つ付いてるのはありがたいのですが、位置・硬さ・厚みのせいでちょっと押しにくいです。
握り方や手のサイズにもよるのかもしれませんが、下側のボタンはとっさに押すことができません。
もうちょい上側に配置してくれたら押しやすくなっていた気がします。
画面比率
解像度に不満はありませんが、問題なのは画面の比率。
インチで言えば7インチディスプレイですが、16:9ではなく16:10というあまりメジャーじゃない画面比率なんですよね。
16:10に対応してないゲームだと上下に黒い帯が表示されてしまったり、フルスクリーンモードだと画面両端が見切れてしまうことがあり、地味に気になります。
デスクトップモードで使う場合には、縦が少し長いおかげでほんの少しだけ使いやすくなっている…のか?と思わなくもないですが。
あとベゼルがちょっと太すぎ。
ケースがくさい
付属のケースのにおいが結構キツいです。新車みたいな臭い。
でもデフォでキャリングケースが付属してること自体ありがたいことなので、文句を言っちゃあいけませんね。
おわり
完璧なハードだと言うつもりはありませんが、ポータブルPCの中では比較的リーズナブルな価格設定で性能もそれなり、なおかつ拡張性も高い。
そして、何度も言いますが、トラックパッドの存在はものすごく大きいです。
コントローラーがサポートされてるゲームしか遊ばない!という人は、競合他社製品と比較検討するのが良いと思いますが、コントローラーがサポートされていないゲームを遊ぶ可能性が少しでもある人は、現時点ではSteam Deck一択だと思います。
一方で、スペック的には最新のAAA作品を遊ぶのがこれから厳しくなっていくと思うので、寝っ転がりながら最新ゲームがやりたいぜ!という人にはオススメできないかも(一応、サイバーパンク2077やエルデンリング、ホグワーツレガシーなどは30〜40fpsで遊べるみたいですが)。
最新のAAA作品を遊べる環境がすでにあって、数年以上前の大作やインディーゲーを気軽に遊ぶためのポータブルPCという位置づけで使うなら間違いなく買いだと思います。
個人的にはここ数年で一番のいい買い物でした。
ではまた。
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