「Decky Loader」や「CryoUtilities」など、Steam Deckに入れておくと役に立つ便利なツールの導入方法をまとめておきます。
参考になれば幸いです。
ツール導入の前に
●キーボードとマウスがあると便利らしいですが、なくても大丈夫です(ぼくはSteam Deckのみで作業を行いました)。
●ツールの導入や設定は基本的にデスクトップモードで行います。
ゲーミングモードからデスクトップモードに切り替えるには、Steamボタン→電源→デスクトップに切り替え。
●キーマウ無しで操作する場合は、Steamボタンとの組み合わせで使う以下のショートカットを覚えておきましょう(Steamボタンは…ボタンでも代用可能です)。
- Steamボタン+Xボタン=キーボード呼び出し
- Steamボタン+右トラックパッド=マウス操作
- Steamボタン+右/左トリガー=左/右クリック
- Steamボタン+十字キー右=エンターキー
●ほぼ必ずKonsoleを使うので、あらかじめタスクバーにピン止めしておくと便利です。
●デスクトップモードで、各ツールのアイコンを右クリック→Add to Steamをクリックすると、ゲーミングモードでも使えるようになります(以下では「Steamに追加」と記述)。
●「Decky Loader」および「CryoUtilities」を導入する人は、以下の手順で管理者パスワードを設定しておきましょう。
- デスクトップモードでKonsoleを開いて
passwd
と入力してエンター - 新しいパスワードを入力してエンター(このとき画面上に文字は表示されません)
- もう一度同じパスワードを入力してエンター
Decky Loader
ちょっとしたQoL向上プラグインを手軽に追加できる便利なツール。
導入方法
- コンソールを開いて、以下のコマンドをコピペしてエンター
curl -L https://github.com/SteamDeckHomebrew/decky-installer/releases/latest/download/install_release.sh | sh - 上記で設定したパスワードを入力してエンター
- ゲーミングモードに戻る
- …ボタンを押して、ヘルプの下にコンセントプラグのようなアイコンが追加されていたらインストール完了
設定とか
インストールが完了したら、Deckyメニューのストアアイコンから各種プラグインをインストールして設定を行います。
ぼくが実際にいれているプラグインは以下の通り。
CSS Loader
様々なテーマを組み合わせて、ホーム画面を自分好みにカスタマイズ出来るようになるプラグイン。
- Art Hero
- Centered Game Text
- DellyFooter
- No Home Filter
- Obsidian
- Round
- Switch Like Home
- Top Bar Transparency
を使っています。
Falloutに登場するピップボーイ風テーマや、ペルソナ5風のテーマ、Switch風のテーマなど、他にもいろいろとあるので試してみてください。
SteamGridDB
ゲームのアートワークを手軽に変更できるようになるプラグイン(ゲームのオプションメニューに「アートワークを変える」が追加されます)。
非Steamのツール・ゲームにも対応していて、自前で画像を用意する手間が省けるので超便利です。
ProtonDB Badges
ゲームを選択したときの画面の左上に、ProtonDBバッジが表示されるようになるプラグイン。
表示がPlatまたはGoldなら問題なく遊べます。
バッジをクリックすると他ユーザーからの投稿が閲覧できて、「Protonのバージョンを変えると動く」とか「起動オプションに◯◯と記述すれば動く」といった有用な情報が載っていることがあるので参考になります。
vibrantDeck
画面の彩度を変更できるようになるプラグイン。
デフォルトの状態だと色合いが少し物足りないと感じる人にオススメ。
「Use per-game profile」をオンにすると、ゲームごとに設定を保存できます。
個人的には130~150で設定すると良い感じかなと思います。
そのほかにも、ホーム画面の効果音・BGMを変更できる「Audio Loader」、ブート時のアニメーションを変更できる「Animation Changer」、各ゲームがどれぐらいのプレイボリュームなのかを確認できる「HLTB for Deck」など、様々なプラグインがあります。
ProtonUP-QT
デフォルトのProtonでは動かないゲームや、非Steamのゲームを動かすときに必要になるツール。
導入方法
- Discover(ストアアイコン)を開いて
Protonup
で検索 - 「ProtonUP-QT」をインストール
設定とか
- 「ProtonUP-QT」を起動(スタートメニューのUtilitiesにProtonUP-QTが追加されています)。
- 「Install for:」でSteamを選択し、「Add Version」をクリック。
- 「Compatibility tool」でGE-Proton、「Version」で一番上のバージョンを選択して「Install」をクリック
- あとは適宜、ゲームのプロパティ→互換性の「特定のSteam Play互換ツールの使用を強制する」にチェックを入れて、使用するProtonを選択
Heroic Games Launcher
EpicとGOGからゲームをインストールできるようになるツール。
導入方法
- Discoverを開いて
Heroic
で検索 - 「Heroic Games Launcher」をインストール
設定とか
- 「Heroic Games Launcher」を起動(スタートメニューのGamesに追加されています)
- Epic、GOGにログイン
- 設定→「Add games to Steam automatically」にチェックを入れる
- Wine Managerから、最新のWine-GEとProton-GEをダウンロード
- ライブラリから遊びたいゲームをインストール
このツールはあくまでゲームのインストールができるようになるものであって、動作を保証するものではありません。
ゲームをインストールする前に、必ずゲームの互換性を確認しておくこと!(ゲームを選択したページの右上にある設定ボタン→「互換性を確認する」から)
特に問題なく遊べるものもあれば、起動オプションに追記しないといけないもの、何をどうやっても遊べないものもあります。
CryoUtilities
特に負荷の高いゲームでのパフォーマンスが向上するツール。
大作をプレイしない人には必要ないかも。
導入方法
- このページを開いて、Installの項にある「Download this link」を右クリック→「Save Link As…」をクリック
- デスクトップに保存
- 保存したファイルをダブルクリックして「Continue」をクリック
- インストール完了
設定とか
- デスクトップに出てきた「CryoUtilities」をダブルクリックして実行
- 上で設定した管理者パスワードを入力して、Submitをクリック
- 「Recommended」をクリックして推奨設定を導入
作者のCryoByte33氏は、ツールの導入と合わせてSteam DeckのUMA Frame Buffer Sizeを4GBに変更することを推奨しています。
変更方法は以下の通り。
- 一度電源を切る
- 音量プラスボタンを押しながら電源を入れる
- BIOS画面が開くので、Setup Utility→Advanced→UMA Frame Buffer Sizeを1GBから4GBに変更
- Save and ExitでBIOSを抜ける
※一部のゲーム(RDR2など)では不具合が確認されています。正しく動作しない場合は1GBに戻しましょう。
chiaki4deck
PS5のリモートプレイが出来るようになるツール。
導入方法
- このページの2.に書いてあるコマンドをコピー(コマンドの右端にコピーボタンがあります)
- Konsoleに貼り付けてエンター
設定とか
- Steam DeckとPS5を同じホームネットワークに接続しておく
- このページで、PSNのオンラインIDを入力して出てきたEncoded IDをコピー
- PS5を起動して、設定→システム→リモートプレイからリモートプレイを有効にして、「機器をリンク」を選択
- chiaki4deckを起動して、表示されているPS5をダブルクリック
- 先ほどコピーしたIDと、PS5側で表示されている8桁のPINを入力して接続
- 接続が完了したら、一度chiaki4deckを終了
- chiaki4deckをSteamに追加
- ゲーミングモードに切り替えて、コントローラーのレイアウトをコミュニティテンプレートの「chiaki4deck+」に変更
タッチパッドやジャイロに対応していて、デュアルセンスの操作とかなり近い仕上がり。
あとはお好みでカスタマイズしてみましょう。
Greenlight(xbox-xcloud-client)
Xboxのリモートプレイおよびクラウドゲーミングが出来るようになるツール。
導入方法
- このページから、「appimagelauncher~~x86_64.AppImage」をダウンロード
- ダウンロードしたフォルダから「appimagelauncher~~x86_64.AppImage」をKonsoleにドラッグ&ドロップし、半角スペースを空けて
install
と入力してエンター - このページの最新バージョンをクリックして、「Greenlight~~.AppImage」をダウンロード
- ダウンロードした「Greenlight~~.AppImage」を、Homeの下にあるApplicationフォルダーに移動
設定とか
- 「Greenlight」を起動(スタートメニューのGamesに追加されています)
- Microsoftアカウントのメールアドレス、パスワードを入力してログイン
- 一度終了して、GreenlightをSteamに追加
- Greenlightのプロパティ→起動オプションに
–fullscreen
を追記(前に半角スペースをあけること) - コントローラーレイアウトを編集して、バックボタンのいずれかにNキーを設定しておく(NキーにXboxボタンが割り当てられているため)
ログイン画面から進まない場合は、一度ツールを終了すると上手くいくはず。
Greenlightでのクラウドゲーミングは地域設定が米国になっているため、日本設定にして遊びたい場合はMicrosoft Edgeを使う必要があります(変更できるのかもしれないけどやり方が分かりません。知っている人がいたら教えてください!)。
Microsoft Edgeを使ったクラウドゲーミング
基本的には、公式ページの「Xbox Cloud Gaming(ベータ版)のセットアップ方法」の手順に沿って進めていけばできます。
ただし、公式の説明には一部不備があるので以下に補足しておきます。
- 手順7について:手順6でSteamに追加が完了しているので、これは無視してオッケー
- 手順12について:起動オプションの表記は~~”@@”になっていると思うので、末尾に半角スペースを入れてから以下のコマンドをコピペしてください(※公式のコマンドのままだと米国設定になります)
–window-size=1024,640 –force-device-scale-factor=1.25 –device-scale-factor=1.25 –kiosk “https://www.xbox.com/ja-JP/play” - 手順14について:「マウス トラックパッド付きゲームパッド」というテンプレートはありません。「カメラコントロール機能を持つゲームパッド」でオッケー
- アートワークは、Decky Loaderの項で紹介したSteamGridDBで変更するのが楽です。
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