【ネタバレ】『TENET テネット』の逆行ルールを徹底解説・考察してみた!

クリストファー・ノーラン監督の最新作『TENET(テネット)』を2回鑑賞して理解した気になったので、自分なりの解釈で解説・考察を書いていきたいと思います。

今回は、TENETにリクルートされた主人公が逆行研究者バーバラの説明を受けるところ、逆行したものにまつわるルールについての解説・考察です。

もちろんネタバレ全開です。

「あれはどうなの?」という疑問や、「ここは違うんじゃない?」というツッコミも大歓迎です。

TENETにリクルートされた主人公は、来る第三次世界大戦が具体的にどういったことを指すのかを知るため、逆行について研究している第一人者のバーバラから話を聞くことに。
ここで、本作における逆行のコンセプトや逆行する物質(ここでは弾丸)について、観客は主人公と一緒になってレクチャーを受けます。

『TENET』における逆行の理屈は、ざっくり要約すると
物体のエントロピーの流れを逆転させることができれば、時間を逆行することが出来る
みたいな感じです。

そもそもエントロピーってなんですか?という説明は、ぼくにはうまくできそうもないのでググってください。
とにかく『TENET』の世界では、時間の流れに逆行できるテクノロジーがある、ということだけ納得できれば問題ないかと。

このシーンと合わせて、劇中の逆行に関するいくつかの重要なルールについて、解説・補足をしてみます。
※これらのルールは、映画を見た結果そういうルールがあるのでは、とぼくが勝手に考えたものなので、公式ルールというわけではありません。

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逆行物はそれを使う人の”直感”によって動かせる

順行物は通常、物理的な力を加えない限り動くことはありません。

しかし逆行物の場合は、人が”落とした”と直感的に思うことによって手元に戻り、”撃った”と思うことによって弾が拳銃に戻ります。

このルールを利用して、ニールがオペラハウスで逆行弾を”撃った”り、バーバラが逆行弾を自由自在に”転がした”り、セイターが逆行金塊を”持ち上げた”りしています。

ただし、いくら直感で動くと言っても、明らかに物理法則を無視した現象は起きないと思われます。
あくまでも、”落とした”という動作が逆再生によって”手元に戻る”ふうに見える、「因果の逆転現象」が起きているだけなので。

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逆行弾は人体に致命的なダメージを与える

なぜ致命的なのかははっきりと説明されませんが、逆行弾によって傷を負うと、その傷も逆行してしまうためなのではと考えました。
どういうことか。

順行弾で撃たれた場合、傷口をすぐに処置すれば(傷の程度によりますが)時間の経過によって傷口がふさがって治癒しますよね。
しかし逆行弾で撃たれた場合、傷口を処置しても時間の経過によって傷口が悪化していってしまう、ということです。

これを治すには撃たれた人物が逆行するしかなく、逆行弾に撃たれたとき近くに回転ドアが都合よくあるケースは稀なので、「逆行弾で撃たれる→致命的」ということなのではないでしょうか。

※ただし、映画内で描かれている順行と逆行の接触で発生する傷の描写には大きな矛盾があります(これについては別で考察したいと思います)。

書いていてふと気づいたのですが、時間の経過で悪化するものが逆行で治るのならば、セイターの末期がんは逆行を続ければ治癒するのでは?という新たな疑問が浮上してしまいました。
困った。

あくまで逆行で治るのは逆行した物によって傷をつけられた場合に限る、ということにしておきましょう。

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逆行物はそれを使う人の時間の向きに従う

回転ドアを使って逆行した人は、ドアから出てきた瞬間から過去に向かって進み続けます。
逆行の途中で未来に向かって進む事は、もう一度回転ドアに入って順行に戻る以外にはできません。

しかし、逆行した物は少し違います。

研究室にある逆行弾が埋まった壁や、セイターが掘り出した金塊入りのタイムカプセルなどは、逆行して送られてきた逆行物です。
逆行物に逆行した人と同じルールが適用されると考えた場合、壁に埋まった弾で主人公が試し撃ちすることはできませんし、セイターがタイムカプセルを掘り出すこともできません。

なぜか?

金塊入りタイムカプセルの例で考えてみましょう。
金塊入りのカプセルは、未来のある時点で回転ドアに通されて逆行し、特定の座標に埋められます。
こうすることで、カプセルは埋められた瞬間から過去永劫、その座標を知る誰かが掘り出す瞬間までその場所にずっと埋まっている、ということになります。
そして過去のある時点で、セイターの部下が掘り出します。
しかし、埋まっているカプセルを掘り出したということは、そこから先の未来ではその場所には何も埋まっていないということ、つまり埋めた瞬間から過去永劫掘り出す瞬間まで埋まっていた、という事実に矛盾してしまいます。

では、どうやってカプセルを掘り出せばいいのでしょうか。

逆行した人がカプセルを掘り出し、カプセルを持ったまま順行に戻ればこの問題は解決できます。
しかし思い出してほしいのですが、初めてカプセルを開けたセイター少年は、逆行する術を持ってはいませんでした。
また、カプセルが回転ドアに入って順行に戻るということは、逆行物としての性質を失うということですが、そうするとセイターが直感を利用して金塊を”持ち上げ”ることができたという事実に矛盾します。

『TENET』の世界にはこの矛盾が発生しないようなルール、逆行物と順行する人の間に成立する何らかのルールが存在すると考えられます。
逆行物は順行する人に触られた瞬間、逆行物としての性質を保ったまま順行に戻る。
逆行物はそれを使う人の時間の向きに従う(順行する人に使われれば、時間軸上をUターンする)、というルールがあるのではないでしょうか。

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逆行物は順行物のようにも振る舞える

特定の状況下(順行側に力を加えられるなど)では、逆行物は順行物と同じように振る舞うというのは、逆行弾や逆行金塊を持ち上げたり投げたりできていることからも明らかです。

これがオペラハウスのところで述べた、逆行弾は順行弾と同じように、普通に撃つことも出来ると考える根拠です。
そうでなければ、オペラハウスでニールが使った逆行弾について、なぜあそこに銃弾が埋まっていたのか説明ができなくなります。

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疑問ポイントと考察

あの壁は本当に未来から送られてきたのか

研究室にあった逆行弾が埋まった壁は、「未来から送られてきた」とバーバラは言っていました。
この壁は、未来のある時点で回転ドアに通され、時間を逆行して現代に届いたもの、ということになります。

でもここで1つ疑問に思うことがあります。
壁に埋まっていた弾は、本当に逆行弾だったのでしょうか
壁は弾が埋まった状態で回転ドアに通されたと考えた場合、壁に埋まっていた弾はもともとは順行弾で、回転ドアに通されたから逆行弾になった、という可能性だってありますよね(既に逆行しているものがさらに回転ドアに通されて逆行した場合、順行に戻ってしまいそうな気がしますが…)

もちろん、無傷の壁だけが回転ドアに通され、そこで初めて逆行弾で撃たれ、そして現代に届けられたとも考えられます。
しかしこの壁が、弾が埋まってから逆行してきたのか、それとも逆行してから弾が埋まったのかは、その壁を送った関係者以外には分かりません。
つまりこの壁と弾は、逆行弾が使われているという証拠にはなり得ないのでは。

「未来から送られてきた壁」というのはバーバラの嘘で、実はこの壁は、数日前に大規模戦闘が起きたスタルスク12から取ってきたものだったのではないでしょうか。

逆行弾の謎その2

この疑問は重箱の隅をつつくようなどうでもいいことなので、スルーしてもらって大丈夫です。

主人公が逆行弾を”試し撃ち”するシーンでは、壁の穴が元通りになり、逆行弾が銃の弾倉に戻り、銃弾は新品同様の状態に戻っていました。
もともと弾が埋まっていた壁の穴や、ライフリングで弾が削れた部分、火薬はどうやって元通りになったのでしょうか。

また、あのシーンで主人公が使用した銃は、もともと壁に弾を撃ち込んだ銃というわけではなく、普通の銃でした。
つまり逆行弾に刻まれている線状痕は、この銃の線条痕とは違うということになります。
とすると、逆行弾が弾倉に戻る過程でもともと付いていた線状痕はなくなるが、新たに違う線条痕が刻まれてしまう、という現象が起きているのでしょうか。

それと、逆行弾と銃の口径とが合致しない場合はどうなるのでしょうか。
そもそも撃てないのだから戻ってくることもできない、と考えるのが正しいのだとは思いますが、そうするとニールがあのとき逆行弾を使えたのはラッキーだったということになりますね。

緑の手袋はなんだったのか

バーバラと主人公が逆行物を扱うとき、ごっつい緑色の手袋をしています。
逆行は放射線がどうたらこうたらと言っていたので、このときは「逆行物を素手で扱ったらやばいんだろうな」となんとなく思ったのですが、このシーン以外では逆行物を素手でガッツリ触っています

あの手袋は一体何だったんでしょうか。
ただバーバラが万全を期していただけなのか、何か見落としがあるのか。
短期間触るだけなら特に問題はないのか、ホントはダメだけど主人公もセイターも気にしていないのか(セイターは末期がんだから気にしてないってのはあり得るかもしれません)。

手袋といえば、主人公が241を扱うときも特に手袋はしていませんが、あれは鉛のケースだと思っているフシがあるので、手袋なしでもオッケーと言う認識なのでしょう。きっと。

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